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【読書メモ】岳飛伝 1 三霊の章
「水滸伝」「楊令伝」を読んでからだいぶ時間が経ってしまいましたが、岳飛伝をようやく読み始めました。
まだ、1巻を読んだ時点の感想を忘れないうちに記録しておきます。
概要
物語は頭領であった楊令が亡くなり、洪水によって梁山泊が荒廃しているところから始まります。周りには金国と南宋の争いが続き、まだまだ荒れた世の中です。
楊令というカリスマ的なリーダーをリーダーを失ったことにより、今までの志としていたものをなくしていたような状態ではったが、呉用や李俊等の将軍達、各地を飛び回る商人達の活躍で梁山泊は少しずつ復興していっていた。
感想
まだ1巻を読み終えた段階での感想ではあるが、アジャイルなどでよく登場する「WHY」が抜け落ちた状態だなと思った。楊令の先代である宗江が掲げた替天行道の旗印に集まったメンバーはこれに共感し、遺憾なく能力を発揮していた。ところが、楊令を失ったことにより、この部分が抜け落ちてしまった。一方で、長年の活動の中で培われた、「WHAT(戦や商売)」「HOW(戦い方や儲け方)」の部分は各自が培った力により坦々とこなせている。
長い間ビジネスをしていると、これと同じような状態になっている組織も多いのではないだろうか?
人数が少ない時や会社ができたばかりの頃は、ルールやプロセスもなく各自が志やビジョンを実現するために、優先度をつけ、最適解を模索するしかない。しかし、会社が大きくなってくると、少しずつ、ルールやプロセスを整えていかないと、大人数を動かすことは難しい。結果として、
何につながっているか、手順に従えば処理できる
決められたプロセスをこなすことで、物は出来上がっていく
という状態に至ることが出来る。梁山泊もこんな状態なのではないかと読みながら、考えていた。
岳飛伝の主役である岳飛は、「盡忠報国」を掲げている。岳飛と梁山泊、あるいは金国や南宋がどのような物語を続けて行くかは、今時点では想像がつかないが、新たなる志を見つけ、各自が活躍して行く姿を読み進めてみたいと思った。また、企業の変革も危機感を醸成するとともに、ビジョンを作り、定着させることが重要となるのですが、そのような視点でも考えながら続きを読んでみたいと思います。
こんな人におすすめ
北方謙三好きの方
中国の歴史物が好きな方
河南省
梁山泊は中国の河南省を舞台にしているそうです。河南省には、「龍門石窟」「殷墟」の2つの世界遺産もあるようです。聞いたことがない場所なので、行くのはなかなか大変かもしれませんが、Googleマップにピン留めしておきました。
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