洋裁のきほんの「キ」【2】~布には方向があるんだ!!
布を扱うにあたり、知っておいた方がいいこと。
知らないとあとから「あれっ??」となってしまうようなこと
基本的な「布の扱い方~第二弾」参りま~す。
お店で洋服を購入してきて、毎日着用していると案外気がつかないかもしれないんだけど、
1枚の布から洋服を作る時には、ある基本に基づいて「布」が取り扱われています。
それは、洋服であっても、和服であっても同じ。
洋裁と和裁では、そもそもの考え方自体が違うけど(また別の機会に書きます)、布を扱うための基本の<キ>の部分は同じなの。
それは・・・
布には方向がある!! ということ。
この基本の<キ>を無視して、布を扱うと、縫っている間によれたり、つったり、完成したあとでも、着ている間や洗濯を繰り返している間に形が崩れたり、布が伸びてきて左右の長さが違ってしまったり、、、
な~んてことが起きてしまう(かもしれない)
そんなことにならないように「布」への理解を深めていきましょう~。
<縦方向と横方向そしてバイアス>
●縦糸と横糸を織って出来た「織物地」は縦糸の方がピン!!と張っています。そのため左右に引っ張る力を加えた時に縦方向の引っ張りが強く、伸びずらい。そして横方向の引っ張りの方が伸びやすいという性質があります。
●洋服などを作る時には、この縦方向(たて地:上図で「布目線」=地の目)に添って布を裁断するのが基本です。(デザイン上あえて横にしたり、斜めにする場合もあります)
●布目(地の目)=人間の立った時の縦(平行)になるように、布を裁断することで、着た時に綺麗なシルエットになったり、洗濯を繰り返しても形が崩れにくくなるんです。小物や雑貨を作る場合はそれほど意識しなくても大丈夫ですが、洋服に限らずバッグなど(重力の影響を受けるモノ)を作る時は、地の目を意識することが大切です。
●布は斜め(バイアス)の方向が一番伸びやすく、この伸びる性質を利用したものが「バイアステープ」です。縦方向に対して45度の角度のバイアスを「正バイアス」と呼びます。バイアスの角度は45度に限りませんが、正バイアスが一番伸び率が高いんですね。
<布の巾あれこれ>
●色々な幅があります。一般的なのは・・・
シングル巾(88~92cm)→ブロード綿・シルク等
普通巾(108~112cm)→綿プリント・化繊等
ダブル巾(145~155)→ウール・混紡等
セミダブルというのもあります(135cm)
36cm巾→和服用反物・ゆかた地等
●生地屋さんで生地を買ってくる時に「〇cm、または〇m下さい」というのは、縦地の長さの事。
生地の巾によって使う量も変わってきます。布を購入する前に、どれ位必要か確認が必要です。いざ作り始めてから「足りな~い!!買に行ったけどもうなかった!!」なんて悲しすぎるし、多すぎて余っても「もったいない」ですよね。
<布の表と裏はどう見分ける?>
上の写真位はっきりと表裏がわかる布だといいんだけど、よく見ても表なのか裏なのかよくわからない布もあります。そんな時の見分け方は・・
布の耳部分を見るとわかります。
「A」のように耳の部分に、その布で使っている色が表示されていたり、文字が入っているような場合は、その表示がある方が表です。
また「B」のように、耳に穴が開いている場合は、凸の側が表です。
裁断する前は「耳」の部分で裏表の見分けが出来ることが多いのですが、裁断してしまったら、わからなくなってしまうことがあります。あとからわからなくなりそうな時は、布の裏側に印をつけておくと良いですね。
※縦の方が強く、横の方が弱いので、布を裁断したあとに、どっちが縦で、どっちが横かわからなくなったときなど、それぞれの方向に引っ張ってみるとわかることがあります。
<布を裁断する方向にも気をつけて>
布には縦方向と横方向がある!!
さらに布の柄や、布の種類によっては天地もあります。
例えば、上の写真のような柄の場合、柄の出方に上下があることがわかりますよね。この布で例えばバッグなどを作ろうとしたときに、裁断する方向に気を付けないと、完成後に「あらっ。天地が逆!!」なんてことが起きてしまうかもしれません。
たとえば水玉柄などどちらから見ても、同じ柄の出方の布であれば天地を気にする必要はありませんが、柄物の布を使う場合は天地がないか?よく確認してから布を切ってくださいね。
<型紙の配置>
上の写真のように上下関係なく型紙を置く事を差し込みといいます。
差し込みで型紙を置いて布を裁断すると、布が無駄にならず少ない布で作ることができます
布の種類や柄によっては差し込みで型紙を配置することが出来ません。例えば先に紹介したような柄に天地がある場合や毛足のある布の場合などです。
そのような布の場合は、下の写真のように一方向に型紙を並べて布を裁断します。
<天地がある布>
【プリント地】
先に紹介したような柄に天地があるプリント地などは、作るアイテムによっては裁断の方向に気をつけましょう。
【毛足のある布】
ファー素材やコーデュロイ、またはベルベットなど毛足のある素材の場合、すべてのパーツを同じ方向にして裁断することが必要です。
毛足がある布には毛の向きがあります。毛足をバラバラに裁断してしまうと、光があたると色が違って見えてしまうんです。
<なで毛>毛足が流れている側を下(地)側にして裁断するのが「なで毛」。触った時にサラっとして、色が明るく見えます。
<逆毛>毛足が流れているのとは逆側を天にして裁断するのが「逆毛」。逆方向なのでザラっとします。色が濃くみえます。ベルベットやコーデュロイ素材は「逆毛」にして裁断すると、色に深見がでます。
<柄合わせ>
違いがわかりますか?
Aはあわせの部分で横のラインがずれてますよね。
Bはあわせの部分で「縦」も「横」も合っていない。
Cは柄合わせが出来ていてとても綺麗(どこが重なっているところかよく見ないとわからないような柄の出方)
作るアイテムによっては、柄の出方を気にする必要はないけど
例えばブラウスを作る場合。前の合わせの部分がBみたいだったら出来上がった時にがっかりする。キレイに柄があっているCの感じで出来るとやっぱり気持ちいい。型紙を置く時に頭を悩ませるけど、一手間加えるだけで出来上がりに差がつきます。
今日はここまで♪
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