見出し画像

たけしの自立7~日曜日。ま、これが日常

今日は日曜日。
たけしがいる。
朝からお菓子の要求が激しい。
シェアハウスではお菓子はない。
家はお菓子がふんだんにもらえて、それを食べるでなく、おもちゃにして遊べる場所。

食べ物で遊んじゃいけないと親から教わったし、姉にはそう言ってきた。
しかし、こ奴は、お菓子で遊ぶ。
家というところはそれができると思っているようだ。

この習慣は変えられない。それなりにやめさせようとしてきたが無理だった。
石、入れ物、お菓子はある意味セット。

石がせんべいやグミに代わっても、入れ物に出したり入れたりするのは変わらない。
だったら石でいいじゃんと思うのだが、時々食べることができるお菓子は、たけしにとってはポイントが高い。
それもふわふわしたいかにも甘いお菓子はダメで、コロっとして、石みたいに出したり入れたりしてもそれなりに耐えうる、せんべい、グミ、こんにゃくぜりー、アメの類がいい。
あめはべとべとになるから絶対にやらない。

庭にでては、その入れ物に、小石やらじゃりやら石やらも入った大量の物体を持ってきては、部屋にぶちまける。
部屋はいくら掃除してマットを替えても、よだれでいい感じに水分も含んだネロっとした石だらけ、砂利だらけ。

日曜日、何度マットを払い、ほうきで掃き、床を水拭きするかわからない。
放っておくと最後掃除するのが嫌になるぐらい惨憺たる状態になるので、こうやってこまめに掃除をする。
たけしと母とのいたちごっこ。

テレビを見るとか、本を眺めるとか、そういうことができる人だといいのだが。まったくおとなしくしている時間はない。
そして庭に出ては窓ガラスをガンガンたたく。体が大きくなってきて力がついてきたから、入れ物でたたかれるとガラスが割れる。
叱ってもやめる気配もない。ひやひやする。結局見てないといけないから気が休まらない。

もはや、家や庭が広いのも、窓がたくさんあるのも仇になってくる。
「もうこの家は無理なのかもしれないなあ。」
「お菓子や石遊びが辞めさせられないとなると家を変えるしかない??」

とぼやきながら、黙々とほうきで掃いて、水拭きしている私。

ま、これがたけしとの日常。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?