ただのひとりごと



私は、久しぶりに後悔をした。恋愛で。
私は、ちゃんと内面で人を好きになったのは初めてかもしれない。

一人目に好きになった人は顔しか知らなかった。ただ、顔が超タイプで、歩き方が静かで、姿勢が良くて、かっこよかった。その人に会えるのを楽しみに、毎日図書館に通って勉強してた。勉強に集中すればご褒美に、神様が会わせてくれるような気がして、半ば強制的にそう思い込んで、頑張れた。そんな初恋。初恋と呼べるほどでもないな。笑

二人目に好きになった人、いや、本当の初恋は、サークルの一つ上の先輩。その人は、言葉に力を持ってた。その場の空気を一瞬にして変える力も持ってた。仲間を愛してた。でもそんなの、好きだった理由ではない。ほかにも沢山すごい先輩がいて、そういう意味ならみんな好きだった。
その人のことは、本能で好きだった。理由を聞かれると、どこが好きなんだろう?
って思っちゃう。いいところも悪いところも沢山言える、けど、そのどれもが理由であって理由でなかった。
私は女子高出身だったから、大学生になってすぐ、サークルの先輩に限らず出会った男の人全てが意識の対象だった。男の人としゃべってる、というその事実が、私には緊張や意識の十分な理由だった。だからその人のことが好きかもしれないと思うことは何度かあっても、私が誰でも意識しちゃうからだと思ってたし、私が一番尊敬する先輩に、どうなの?って聞かれても、ないない、って思ってた。
だけど、その人への意識が他の人と違うと気付いたのは、同輩の子がその人といい感じになってた時。その時、色んな事が私にはわかっちゃった。

胸が苦しかった。目の前で楽しそうに話しているのが、それを見ているのが、どうしても苦しくて、それをだれにもバレないようにするのも、また悲しかった。

他に意識してた人が、彼女ができたって聞いたり、同輩といい感じになってるのを見ても、なんとも思わなかった。音の一つもさせずに意識の対象から外れてくのを、冷静に感じながら、見てるだけだった。特に、本当になんともなかった。

胸が苦しいという感覚をその時初めて知った。必死で別のことを考えて、その時はやり過ごしたけど、一人で帰り道、ああ、私はこの人のことがこんなに好きなんだって、自覚させられた。でも、それと同時に、好きなのは私の理性ではなく、本能の部分だから知ったこっちゃない、とも思った。
今までさんざん好きかどうか考えても、分からなかったことが、この一瞬で絶対的になってしまった。だって、胸が痛かったんだもん。どうやら、私の本能はこの人のことが好きらしい、そうらしい。これが、嫉妬らしい。
まあ、理性の私は、知ったこっちゃないから、どうにでもなれ、と思った。本能よ、好きにしろ、君が自分を抑えられなくなったら、勝手に一歩踏み出すんじゃないのか?その時が来たら私は見守ってるよ、くらいに思ってた。
でもその時は来なかった。

同輩との関係がぎこちなくなるのも嫌だった。6人という少なさの中で、後輩女子2人が一人の先輩を争ってる構図が嫌で嫌でしょうがなくて、私は同じ土俵に立たなかった。
(今その先輩と何食わぬ顔でLINEしてる私、うける笑)
でも、諦めてるわけじゃなかった。どこかでずっと、いつかは私にチャンスがやってくるって信じて、今は自分を磨こうって思ってたの。今じゃない、目先の物にとらわれるな、私は私らしく、自分のことを。って。間違ってはなかったのかな。その場で戦うのは結構よくなかったと思う。最悪の事態は免れたのかな。いや、免れようとしちゃうところがダメなのかな。わからんな
私はその人のことをある程度分かってるつもりだった。追いかけたいタイプだから、尽くしちゃだめだな、って思ったし、私が追いかけたらそこで終わりだって思った。好きになってもらうしかないけど、それは夢のまた夢って感じで、私なんかを好きになってもらうって考えてる自分に冷静になってちょっと笑えて来たり、イタって思ってた。けど、でも、本気だった。
でもでも、考え始めると、分からなくもなった。自分がその先輩と楽しく過ごす時間も想像できなくて、好きだけど付き合いたいとは思わないことにもうすうす気づいてた。

あんなにお嬢様みたいな人がタイプとか言っておいて、そうではないことも勘付いてはいたけど、やっぱり思いっきり自分は出せなくて、どこか礼儀正しくて、おしとやかな自分でいたいと思っちゃってたのかな。とにかく、ありのままの自分でいた方が絶対よかったのに、その勇気はなかった。なんでありのままの自分でいた方がよかったのかは、また後で。
同輩も、やっぱりその先輩のことが好きだった。
ばればれなのに、ばれてないと思ってたらしい。笑
でも、私はその同輩のことが大好きだった。本当に心から、何度も救われて、いつも、一緒のグループに入ってくれてありがとうって思ってた。とにかく、その子も普通の女の子で、スーパーウーマンで、尊敬もできて、くだらないことで笑いあえて、やっぱり好きだった。最初の方はずっとライバル心もあったけど今はあんまり感じなくなった。ライバル心がなくなったというか、その子にはない自分の良さがわかった。それは私は誰の真似でもなく自分のままでいてていいって思わせてくれる人が何人もいたから。その子も含めて。本当に感謝。
その子には、そろそろ、自分のこの秘めた気持ちを言わなきゃいけないような気がしてた。いや、その子がまだその人のことが好きだったらいう気はなかったんだけど、「以前好きだった人が」って書いてるのをみて、今ならいえるかなって思ったの。次の日にちょうど会う予定だったから。いうって決めてあったわけじゃないけどね。全てのタイミングが偶然。でも、前から決まってたみたいにうまくできてる。全部のタイミングがパズルのようにしっかり合わさってる。
それで、私の気持ちをしって、その子はちょっときつそうだった。でも、その子はもともと自己肯定感も高い子で、自信がある程度あったから、私なんかは敵じゃないって思ったと思うし、私もそれ前提で話してた。あなたははっきりと好きだったと言えるからすごい、私はこの気持ちが本当なのかさえ自信が持てない、しかも好きになった自分をもし人に知られたら、どんな目で見られるのか怖い、自分のことをあざ笑いたくなってしまう、といった。だから、私はまずは自己肯定感あげるところからなんだって言った。本当にその通りだと思ってるから。その子は、わかったような、わかってないような感じだったけど。
あと、その時私はもう、好きだけど幸せになれないことに気付いてた。早く、誰かと付き合っちゃって欲しいと思ってることも話した。
とにかく気まずくはならなかった。今までよりももっと、何でも話せる仲になった。
私は、恋愛より、友情を選んだのかな。賢く動いたもんだな。私はそういうやつなのかな。これじゃだめなのかな。いつまで経っても成長できないのかな、失敗しないから。
いや、同輩の子も相当いい子なんだろうな。こんなことがわかってもこんなに気持ちよく別れて、そのあとも素でいられた、ってLINEくれて。やっぱり本当にいい子に出会ったな。


次の出来事も、絶妙なタイミングで起きた。
先輩が同じサークルの先輩と付き合い始めてたことが分かった。私がアフターで、付き合ってる先輩の口からきいた。その前に一度、対面で会ったとき、帰りに二人が一緒に歩いてるのを見て、ん?と思った。その周りの空気だけどこかちがって見えて、二人はいつの間にか消えてた。だから、事実を聞いたとき、驚きもしなかった。
不思議なことに、その二人が歩いてるのを見た時も、二人がいなくなっていた時も、事実をしっかり聞いたときも、なんとも思わなかった。私の胸は痛まなかった。なんでだろう、その二人が歩いていた時の雰囲気があまりにしっくり来たからじゃなないかなと思う。その先輩は全然お嬢さまな感じじゃなかったし、むしろ口が悪くて、でも、本当は超暖かい、優しい人だった。だから、か、わからないけど、すごいお似合いだった。
すっきりした。私は今まで抱えていた何かを、やっと床における、ここに置いていけると思った。その日はぐっすり眠れた。

次の日、一日おいてから、同輩の子にもそれを伝えた。その子はだいぶショックを受けてた。でも、LINEでも、気持ちを正直に話し合えたのは、私は少し嬉しかった。その子は他の先輩にも相談してて、自分の気持ちを知られてるから気まずいと言ってた。できる限り寄り添えたと思う。ここで寄り添える力は、私の強みなのかなと思った。

私は、「好きだけど、幸せになれない」を知った。
それと、自分の自己肯定感の低さがこれでもかというほど浮き彫りになった。
と、同時に、「肯定」の基準が私や同輩が想像していたものとは全く違っいたことが、付き合った先輩の人柄から分かった。
もっと、自分らしくいればよかった、と二日後になぜか悔しくなって、他のことが手につかなくなって、これを書いている。
決めた、私は私らしくいよう。自分が一番生き生きしてるモード、そのままの自分のモードでいよう。

次の恋が早く始まらないかな!

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