スイス旅行に行ってきた② グリンデルワルト前編
前回の「スイス旅行に行ってきた 出国~ルツェルン編」の続きです。
ルツェルンを満喫した我々、次はグリンデルワルトへ向かいます。グリンデルワルトでも2泊滞在です。ここでも素晴らしい旅が待っていました。
ルツェルンからグリンデルワルトへは、電車で二時間半ほど。朝移動し、お昼にグリンデルワルトへ到着するよう予定を立てました。
3日目 ルツェルン移動からグリンデルワルト・フィルスト
ルツェルン駅からまずインターラーケン・オスト行きの電車に乗ります。
乗ってしばらくすると。
このような景色が広がりました。
エメラルドグリーンの湖と、木々と草原が車窓から流れてきます。
電車は標高差があり、そして単線部分もあり、崖ぎりぎりのところを力いっぱい走っていきます。
途中でこうした旅の人たちを見たり、ずっと景色に見とれていました。
ブリエンツ湖を出ると、あっという間にインターラーケン・オスト駅に到着。インターラーケン・オストがどういう駅かというのは、また次の記事でご紹介します。
インターラーケン・オストでグリンデルワルト行きへと乗り換えます。
ホテルは終点のグリンデルワルト駅ではなく、その一つ手前のグリンデルワルト・ターミナル駅だったのですが、チェックインができない時間だったのでグリンデルワルト駅へ行きました。
グリンデルワルト到着!
この風景はガイド本でおなじみだったのですが、やはり実際見てみると違うものです。この写真ではわかりづいらいですが、大きな壁のようになっているメッテンベルク、さらにもう少し奥へ進むと並ぶ建物たちを見下ろすように佇むヴェッターホルンの重厚さに圧倒されます。
グリンデルワルトではアイガーがよく話に出るかと思うのですが、ヴェッターホルンは下の写真の方向から見ると大きな協会みたいな形で圧倒されます。
この山が村でのホームマウンテンなのだとか。納得です。
高く高く隆起した土地が、氷河によってじっくりじっくりと削られていき、そうしてできた小さな谷をこうして暮らしの場として開放している。自然の懐の深さを感じます。
今回は行けなかったのですが、山を挟んで向こう側の谷、ラウターブルンネンにもいつか行ってみたいですね。氷河で削れたU字渓谷、そして滝がすごいのです。
グリンデルワルト駅で荷物を預け、今日はフィルストへ。フィルストはグリンデルワルトでも有数のビューポイント(標高2600mほど)。
グリンデルワルト駅から徒歩10分くらいでフィルスト行きのゴンドラ乗り場があります。
ここからはスイストラベルパスで乗り放題ではなく、優待料金となります。
本当はフィルストで色々なアクティビティをする予定だったのですが、時間が昼過ぎだったこともあり、売り切れで断念。けれどフィルストはそれだけではないので、わくわくしながらゴンドラで登りました。
ここからまずはフィルスト・クリフウォークという展望台へ。その名の通り崖沿いに道が作られた楽しい道です。
すでにとんでもない景色を浴びせられている感じですが、さらに景色を過剰摂取するため、ここから歩いてバッハアルプゼーという場所へと向かいます。標準コースタイムは50分ほどのハイキングコースです。
途中ガスったりしつつも、歩きやすい道を写真撮りつつのんびりと。
さあ、着きました。バッハアルプゼーです。
コースタイムは60分くらいかかったかと思います。とにかく立ち止まりたいところが多いコースなので、コースタイムが伸びます。
湖は二つに分かれていまして、こちら側の湖と、
こちら側の湖があります。
バッハアルプゼーで検索するとこちら側の風景が出てくるのですが、僕は一枚目の風景も大好きです。ここから先の道のわくわく感を掻き立てられます。
インスタグラマーなカップルさんがいて、その方々がすごい熱心に自分を入れた写真を撮りあっていました。僕は自分を入れることもなく、ただ撮っていくだけ。インスタ民とTwitter民の違いを感じるよう。
バッハアルプゼーを堪能したらフィルスト、そしてグリンデルワルトへ戻ります。
ゴンドラでグリンデルワルトに戻ってきました。ここでまっすぐホテルに戻るかと思いきや、実は寄り道していました。
モンベル・グリンデルワルト店!!
ここにもモンベルがありました。調べてみますと、モンベル創業者の辰野勇さんは当時最年少の21歳でアイガー北壁登攀というどえらい方でして、ゆかりの地というわけでモンベルがあるようです(後ほどわかることですが、ツェルマットにもありました)。
ここでスイス限定のモンベルシャツを買いました。自分へのお土産です。早速明日の山行で着ていきます。
今日はここからホテルへと戻り行動終了でした。
晩ごはんは食べに行かず、スイスで大きな勢力を誇るスーパー「COOP」でビールと生ハムやまぐろ丼?(面白半分で買ったが、お米ぼそぼそだった)を買い、部屋の窓からアイガーを見つつのんびりしたのでした。
4日目 グリンデルワルト・ユングフラウヨッホ
この日を待っていました。僕はここへ行くため、これに乗るためにスイスへ来たと言っても過言ではありませんでした。
ユングフラウヨッホ・ユングフラウ鉄道
です。
僕たちはグリンデルワルトから鉄道で行くルートではなく、最近できたグリンデルワルト・ターミナルからのアイガーエクスプレスでアイガーグレッチャー駅、そこからユングフラウヨッホへと行くルートを選びました。こちらのルートのほうが圧倒的に速いので、ユングフラウヨッホでの滞在を長くしようとする目的で。
あんなきれいな朝日が出ているのだ。素晴らしい旅が待っているに違いない。さあ行くぞ!
天気が荒れました。
ゴンドラはすごい雨風で進んだり止まったりを繰り返していました。すごい揺れましたしね。
あまりにもすごい天気なので、乗客のみなさんかなり心配そうな雰囲気。
しかし僕はこの雨風がすぐに通り過ぎるもので、そうでなくても標高を上げて雲を抜けてくれると祈っていました。
何より隣にいる妻ちゃんは引くほどの晴れ女。太陽神。披露宴の日の曇り予報を快晴に変えた存在。こちらは最強なのです。
本当に雨がやみました。晴れ間も出てきました。
すごいけれどやはりこわいぜ妻ちゃん。すごいぞ。
というわけでここからユングフラウ鉄道に乗り、ユングフラウヨッホへと向かいます。
ユングフラウ鉄道の恐ろしく、凄まじいところはそのコース。
アイガー、メンヒという二つの約4000mの高山にトンネルが掘られており、そこを走っていくのです。
2320mのアイガーグレッチャーからユングフラウヨッホは3454m。
標高差約1000m、最大勾配250‰(パーミル。1000m進むと250m上がる坂。角度で表すと約14度)。
この道を約35分で走り抜けます。
さらにすごいのはその開通年。
1912年。日本は明治45年・大正元年です。
今よりも技術も工具も発達していなかった時代にここまでのものを作ってしまう。無茶苦茶な発想を現実にしてしまう、そんなパワーあふれた鉄道です。
トンネルはシールドなんてされておらず、掘削されたそのままの状態。岩肌がぼこぼこしています。そんなトンネルを電車が力いっぱい登ります。
電車はすごい急勾配を走っていくので、登り側の方に座っていると、下り側へと体が持っていかれそうになります。というか実際座っているおしりが滑りそうになります。
重力を感じながらしばらく走っていると、停車しました。ですがここはまだユングフラウヨッホではありません。途中の駅、アイスメーアです。
ここで電車を降り、駅員さんの誘導する方へ歩くと、
そう、窓はアイガー南側に作られたものなのです。アイガーの山体をくり抜いてトンネルにするわ窓つけるわでやりたい放題です。
しかしそのおかげでこの素晴らしい景色を安全かつ楽に見ることができます。先人たちの発想と実行力がなければ、アルプスの険しく人を寄せ付けない山々を登らない限りこの景色を見ることはできませんでした。まさに人類という種の歩みを見ているかのよう。
景色に圧倒されつつ写真を撮っているとすぐ5分です。再び電車に乗り込み、またおしりが滑りそうになり、そんなこんなでとうとう。
ユングフラウヨッホです!
鉄道駅として、ヨーロッパでもっとも標高が高い駅(3454m)ということで、このトップオブヨーロッパをブランド名としているとのことです。
ユングフラウヨッホは歩くルートが決まっておりまして、その通り進んでぐるっと一周します。
色々ありますユングフラウヨッホ。売店もありますし、カフェ・レストランもありますし、郵便局もあります(ユングフラウヨッホ山頂郵便局もヨーロッパでもっとも標高が高い郵便局だそうです)。
ずんずんすすんでいると、エレベータが現れます。それに乗り込んで一気に登っていきます。
スフィンクス展望台です。標高3571m!
ここでは外に出ることができ……でき……でき……。
めちゃくちゃ風が強くてめちゃくちゃ寒いです。
体感氷点下です。みなさんめちゃくちゃT.M.RevolutionでWHITE BREATHしていました。素手の人が多いですが、すぐかじかんできます。太陽光でどうにかできるレベルではありません。真夏なんてものはここにはありません。
太陽を呼び寄せる妻ちゃんもさすがに手が寒かったようで、僕の登山用手袋を貸してあげました。
ちなみに気温は2.5度。風速34km/h(9.44km/s)と電光掲示板に出ていました。
しかしこんな環境でもずっといたくなる、スフィンクス展望台からの景色を写真でご覧ください。
すぐそばのユングフラウのピークも見れるのですが、残念ながらずっとガスっていて、いい写真は撮れませんでした。が、それは些細なことと思えるほどのビッグ景色たち。
なので見ず知らずの方に写真をお願いしている人も多かったです。僕もお願いされて、気持ちよく写真を撮りました。つたない言葉でいい景色ですね、とか、うまく撮れてますか? とか言いながら。
友好と平和。長寿と繁栄を。
ある程度堪能したところで次へ進みます。エスカレーターで降り、順路通り歩いていきます。
アルパインセンセーションという、きれいな光のエリアへと来ました。
グリンデルワルトからユングフラウヨッホのジオラマをスノードームにしたオブジェが飾られていました。
アルパインセンセーションはそこまで大きなエリアではありません。
通り抜けると、動く歩道があり、長い直線が待っています。
ここが終わり、次はアイスパレスへと来ました。ここは先ほど見たアレッチ氷河の中をくりぬいて作った、氷のトンネルです。氷像や氷河の解説などがあります。周りが氷河、氷なのですごい寒いです。
アイスパレスの次は、本来ならば外の雪原に出られるプラトーというところなのですが、風が強いせいか開いていないようでした(入り口もどこかわかりませんでした)。というわけで残念ながら山は踏めず、中をそのまま進みます。
そしてその先は──リンツでした。
スイスのチョコといえばリンツ。リンドール。
ユングフラウヨッホにリンツのミュージアム兼ショップがあるのです。
チョコ製造の歴史、方法、そしてシェフのおじさんがチョコに魔法をかける映像(比喩とかではなく本当にそう)などが展示されています。
ここが終わるとユングフラウヨッホぐるっと一周終わりです。ここですぐに電車に乗ってまたアイガーグレッチャーまで戻る。というわけではありませんでした。
切符を買うときに、ユングフラウヨッホに滞在したい時間を訊かれ、その答えた時間にあった帰りの電車の時間を指定されるのです(と説明の感じはそうでした)。
その時間までまだあるので、カフェでコーヒーを飲んだり(韓国の団体旅行客さんに混じりながら)、もう一度スフィンクス展望台へ行ったり、お土産物色したり(妻ちゃんはカウベルのストラップを買いました)。
そうこうしているとアイガーグレッチャー行きの乗車時間になります。あっという間です。結構長く設定したんですけどね。
というわけでまた戻ってきました。アイガーグレッチャー。
ここからまた電車やゴンドラで下山できるのですが、我々は自然を堪能するため、ハイキングで下山します。ルートはアイガーグレッチャー→クライネ・シャイデック→アルピグレン→グリンデルワルト・グルントです。
ですが、この記事もそこそこ長くなってきましたので、いったんここで終わります。次の記事で後編始まります。お楽しみに。
(2023.08.25追記 後編「スイス旅行に行ってきた グリンデルワルト後編」 公開しました。ぜひどうぞ)