"卒業"という名の発表会。
証書を抱え、煌びやかな正装で行き交う若い集団を街で見かけて、そういうシーズンなのかと今更気づく。
いま思えば卒業(式)は自分にとって門出というより、作品を発表する大きな機会の1つだった。
大学4回生(という言い方は関西だけらしいと最近知った)に撮った卒業制作の長編映画は、はっきり言って失敗だった。途中で企画者でもあった監督が降板し、代わりに自分が撮ることになったその作品は、撮影前の段階から現場は殺伐としていて、それを打開すべく夜通しチームで話し合い、試行錯誤しながらなんとか