中小企業診断士が幼稚園児を教える理由
中小企業診断士の仕事というと、どのようなものを思い浮かべるでしょうか。
資格名に“中小企業“や“診断士“という言葉が入っているわけですから、多くの場合、中小企業や小規模事業者向けに経営支援をしていく、ということを思い浮かべることがほとんどでしょう。
私自身も、そういった活動をライフワークにしていきたいという気持ちから、中小企業診断士という資格を取りたいと思ったことは、事実です。
実際、今でも中小企業や小規模事業者は支援してます。顧問として入らせていただいている企業もあります。
また、創業塾やセミナーをはじめ資格の学校など、教える仕事も中小企業診断士が関わる仕事のひとつとして思い浮かべるかもしれません。
そんな中、「初めまして」な中小企業診断士に「幼稚園でも教えているんですよね」という話をすると、まぁ、とっても驚かれます。
先月、丸一日教えに行った、千葉商科大学の養成課程で学ばれている皆さんも同じ反応でした。
ちょうど3年目(テスト期間も含めると4年目)の授業が始まったタイミングでもあるので、今回は、中小企業診断士が幼稚園児を教える理由について、書き残してみます。
◆ ビジネスのベース
ゼロから1を生み出す場面。0.1でも立ち上がっているものを1よりも大きくしていく場面。
どんな場面でも、きっかけを生み出せるのは人の力だと感じています。
もっと具体的に言うと、非認知能力じゃないかな、と。
今、ビジネスシーンで必要とされている要素、例えば、クリエイティビティや対応力(失敗から学ぶ力など)といったものも、非認知能力に分類されるんですよね。
この非認知能力、何歳からでも身につくと言われているのですが、とはいえ、すぐに身につくとは思えないわけで……。
ということで、非認知能力を身につけるタイミングとして適している幼児期〜学童期に関われる機会ってないかなぁと思っていたのです。
とはいえ。
教育に関わる資格を持っているわけでもない(自分が人を教えることになる未来なんてこれっぽっちも見えてなかったし、苦手だし)。
そんな中、チャンスはやってきた、というわけです。
◆ 幼稚園児の授業例
こういう思いを持っている中でやってきたチャンスでしたから、幼稚園児に「経営とは」みたいなことを教えているわけではありません。
ブロックを使って非認知能力を向上させるようなプログラムを、1回2時間×年5回という形でやっています。
私が教えている幼稚園(私立)は、その土地柄もあるのか、毎年しっかり教育された園児さんばかりという幼稚園です。
教室から出ていってしまう園児さんは、これまで見たことがありません。
いわゆる“良い子“たちばかり。
だからでしょうか、あるお題を出した時に「正しいか間違っているか」をとても気にする園児さんが少なくありません。
そんな園児さんに対して、私が関わっている授業では「なんでもOK」です。
ブロックを使って「自分が乗りたい乗り物」を作ってもらう時にも、自転車や車といった、すでに自分の身の回りにある乗り物を作ってもらうことは目的ではありません。
乗りたければ、別に、車が空を飛んでも良いわけです。
しかし、普通に「自分が乗りたい乗り物を作って」と園児さん達にリクエストをすると、自分が見聞きしたことがある範囲内のものしか出来上がってきません。
ここで工夫するのは、問いを伝える前の導入部分。園児さん達のイメージを膨らませます。
ここまでは「はーい! 乗ったことありま〜す!」となるのは想定内です。
“良い子“達がどのような反応をするかと思いきや、「はーい! 乗ったことありま〜す!」と普通に挙手する園児さん多数。担任の先生も苦笑いです。
しかし、この導入をすることで、園児さん達は、水陸両用の乗り物だったり、空でエレベーターで繋がってお互いの乗り物を行き来できる乗り物だったりを作り上げていました。
園児の皆さんの想像力。凄まじい。
◆ みんな違くて、それでいい
私が学生だった時と比べると、日本の教育はしっかり進化していると思っています。
友達の子どもが「こんな授業をやっているんだ」と見せてくれるもののほとんどは、iPadから見られるフォルダの中に格納されているし、やっている内容も、正解を当てるというよりも非認知能力を鍛えるようなものが多いです。
日本って、どうしても「みんな同じで、それがいい」みたいなところがありますが、「みんな違くて、それでいい」という考えが少しずつでも浸透していけば、その先には日本のビジネスシーンのより良い変化も見られるのではないかな……。
そんなことを思いながら、今年度も園児さん達とご一緒しています。
◆ 大人が変わるきっかけにも
園児さん達の成長は親御さんにも良いきっかけになっているんじゃないか、感じることができた出来事がありました。
園児さん達、どうやら私との授業が終わった後、自宅に戻って親御さんに「今日ブロックでこんなの作ったんだ」と再現しているようです。
これ、再現して終わりではなくて「この赤いブロックは●●でね、青いブロックは▲▲なんだ」と、ブロックを何に見立ててどう作ったのかというところまで、親御さんに披露しているそうなのです。
「今まで家ではそういう話し方や考え方を言ったことのない子だったので、子どもの想像力と成長に驚かされているんです」「自分にはこんな想像力があるのかと考えさせられたんです」などなど、何人かの親御さんが私に直接話をしてくれて判明したことでした。
子どもも大人も非認知能力が向上していって、より良い未来に……。
自分にできることを探しながらのチャレンジ、まだまだ続けていきます。
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このブログメンバーが所属している“中小企業診断士の輪を広げる「楽しい」チーム(企業内チーム)“の5月定例会は5/24(水)です。
メインテーマは“私のやった副業(複業)ミニプレゼン“。
実際に経験した案件が誰経由でどんなものだったのか、報酬はどのくらいだったのかみたいなところを、怒られない範囲内で参加者に共有していきます。
どんな案件が出てくるか、私も今から楽しみです。
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