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鉄のフライパンを使い始めた

鉄のフライパンは扱いが難しい…
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました

著者談

(冒頭画像はVitaCraftより)

最近、家で使われるメインのフライパンが鉄製になりました。嫁氏いわく、すこぶる快調だそうです。購入するうえで調べた内容がTipsとして効いているようです。調べた内容を共有したいと思います。

事前調査

鉄フライパン購入案件が浮上した理由は、以下の YouTube / note を見つけたのがきっかけでした。

(noteはこちら)
この樋口さんの動画は説明が論理的でとてもわかり易かった。自分が学んだ点は以下です。

  • なぜ鉄フライパンでくっつきやすいのか、それは予熱が足りないからである。予熱により吸着水を飛ばすことによって、吸着水が水溶性蛋白と結合してフライパンにくっつくのを防ぐことができる。

  • いいフライパンを使うかどうかよりも、温度ムラがあるかどうかのほうが美味しさのためのファクターとして大きい。フライパンの底面広さとバーナーの大きさが一致している必要があり、家庭用であればフライパンは最大26cmくらいがよい。また、家庭用コンロは中心部分が加熱が弱くなるので、予熱時にパンをずらしながら加熱すると良い。

  • 鉄は熱伝導が低いので蓄熱性がある。逆に言うと温度ムラができやすい。予熱により温度を一度上げてから落ち着かせれば温度ムラが均一になる。 

  • 調理後のフライパンは洗剤で洗って良い

これを理解すると、運用がだいぶ楽そうに思えました。

購入したフライパン

ビタクラフトのスーパー鉄 (26 cm / 20 cm) を購入しました。
以下、購入理由です。

テフロンとほぼ変わらない重量

26cm(板厚 1.6mm)のスーパー鉄は重量が 963g。今使っている T-fal のテフロン 26cm が 950g だったのでほぼ変わらない重量です。嫁氏の考える鉄フライパン却下の一番の理由は重量でした。これが解決すれば購入障壁の大きな部分が解決します。(この軽さには板厚が関係しているはず。板厚については後述)

窒化加工で錆びにくく手入れが簡単

鉄フライパン運用の面倒さのひとつに、使用後の水分飛ばしと油引きがあります。洗ったあと水滴が残るとそこから錆びるので、熱して水分を飛ばして油で保護というものです。窒化加工はこの手間を省きます。錆びにくい加工になっているので水分を拭き取るだけで保存可能。
窒化加工とは何かについて、公式HPには以下のようにあります。

窒化加工とは、鉄フライパン本体に窒素を浸透させて表面を硬化し、強靭な鉄にする加工法です。一般的なコーティングフライパンのように表面に塗布しているわけではないため、剥がれる心配はありません。

https://www.vitacraft.co.jp/howto/faq_super-iron.html

深い傷をつけるとだめそうだが、硬化した層を形成するということで日常使いではまぁ大丈夫なんだろう(参考1 / 参考2)。テフロンよりは圧倒的に長持ちしそう。

他候補との比較

バーミキュラのフライパンが格好よかったが1000gを越えたので不採用。他にも窒化鉄フライパンはいろいろあったが、まぁVitaCraftでよいかということにしました。
鉄以外の素材について、アルミは軽くて熱伝導性が高いので、一気に火を回したいような料理に向くと。イタリアンではよく使われるそうなのだが(参考)、店舗でパスタを回転早く作り、また軽量でパンを振るのに都合がよいというのは納得。ステンレスはどうかというと(参考)、熱しにくく冷めにくいというのは鉄と同じ、そして錆びにくい。単純に考えると窒化鉄よりもステンレスのほうがよさそうだが、今回は鉄を試してみたかったのと鉄分摂取できるかもねということで鉄フライパンを採用。

購入後の感想

2週間ほど使用して、いまのところ全然くっつかず快適とのこと。
調理したものは、

  • パスタ

  • 目玉焼き

  • 炒め物

  • 餃子

などなど。
使い始めて思ったのは、テフロンより気遣いがいらないこと。調理後も洗剤+金タワシで洗っています。テフロンだとコーティングを気にして強く洗えないところ。また、餃子を作っていても金属のヘラでガシガシ剥がしていけます。万が一、派手にくっついても焼き切って炭を擦り落とせば再生できるという安心感があります。テフロンだと高温が気になるが、鉄だと熱しすぎても気にならない。

餃子は自分の担当なので、餃子を例に現在の運用方法を書いてみます。

  1. 予熱をしっかり行う(中火で2分ほど)

  2. 火を消してから油を引く(油返しなどは必要ない。油をまんべんなく塗る)

  3. お湯を沸かしておく

  4. 餃子をフライパンに並べる

  5. 点火して中火にし、1分ほど焼く

  6. お湯を回し入れる。お湯が少ないと後で粉っぽくなるので、餃子が0.5-1.0cm浸かるくらい入れている。(youtube によく出てくる鉄フライパンでくっつかない餃子調理の方法動画では、ごく少量の水をいれるのが肝心と紹介されているが、これはクレームを抑えるための方便であるように思える。水をそこそこ入れても問題ない。多少はくっつくが、ヘラでガシガシ剥がして良い。自分は水が多いほうがしっかり蒸されて美味しいように思う。)

  7. 蓋をして、5-6分ほど中火で水を飛ばしていく

  8. ほぼ水が飛んできたら蓋を開けて香り付けのためにごま油を回し入れる

  9. しっかり目に水を飛ばし餃子の底に焼目がつくのを待つ

  10. 頃合いを見計らって皿に盛る

  11. シンクで金タワシに洗剤を含ませ汚れを落とす。ちょっとくっついていてもタワシで軽くこすれば落ちるレベル。

  12. 水気を拭く

板厚その他について

家にはもうひとつロッジの鉄スキレットがあり、餃子の際はこれと2枚運用で調理しています。この鉄スキレットは分厚くてほんとにくそ重いのだが、VitaCraftに比べると分厚いぶんちょっとやそっとでは熱が逃げず冷めにくくなっています。餃子もなんとなくスキレットのほうが美味しいような気がする。ステーキ調理などの保温性が重視される際は、1.6mmではなく2.3mmやもっと分厚いスキレットのようなものを選ぶと美味しく調理できるのかもしれません。重量問題が許すならば、1.6mmよりも2.3mmを購入したほうが鉄フライパンらしさを味わえるように思いました。予熱をきちんとすれば、鉄スキレットでも問題なく餃子が調理できました。

まとめ

鉄フライパンにして、いまのところとても快適です。
このまま使い続けてみて、また振り返ってみたいとおもいます。

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