【滋賀レイクス】杉浦佑成選手とB1リーグの日本人SFについて考える話
○はじめに
5月19日、滋賀レイクスから1つの発表がありました。杉浦佑成選手の自由交渉選手リストの公示のお知らせでした。
選手ご本人のキャリアについては、外野のぼくがとやかく言えることではないので、ここでは特に意見は述べません。ええ、絶対に。
契約内容や年俸など、一般に公開されていない事はぼくは知らないですしね。勝手な憶測で、適当な事を書いてもいけないですからね。
ですが、せっかくのタイミングなので、今回は杉浦選手を通してB1リーグのSFのポジションについて考えてみたいと思います。
○滋賀レイクスへのお礼
まず、最初に滋賀レイクスへのお礼からさせて下さい。
杉浦佑成選手の1ファンとして、今シーズンの滋賀レイクスには本当に感謝しています。
まずは優秀な若手選手が多くいるレイクスで、SFのポジションで継続的にプレータイムを頂けた事。
とりわけダビー・ゴメスHCの体制下では、外国籍のガード選手のディフェンスや、ゾーンディフェンスでのトップのポジションなど、大きな役割を任せてもらえました。
それに伴ってか、シーズン終盤ではオフェンスでの役割も多くなり、ゲーム終盤でも多くのプレータイムを頂けたと認識しています。
レイクスのおかげで、杉浦選手は今シーズンが最も充実したシーズンが送れたのではないかと(個人的には)感じています。
そして、早急に継続交渉を行い、契約オファーを頂けた事。
もちろん、熱心なレイクスブースターのみなさまには、様々な思いがあるであろうことは重々承知しています。
それでもシーズンを通して、1ブースターとして滋賀レイクスには本当に感謝しています。
来シーズンの去就は…どうなるんでしょうかね…?
○BリーグのSFの選手について考える
①調査対象
ここからはBリーグのSFの選手達について考えてみたいと思います。
今回の記事では、以下の要件に該当する選手を対象としています。
①:登録がSG/SF、SF、SF/PFの選手
②:国籍が日本(扱い)となる選手
③:2022-23シーズンにB1のチームに所属した選手
外国籍のSFの選手にも、素晴らしい選手がたくさんいらっしゃる事は存じ上げております。
島根のペリン・ビュフォード選手や、レイクスで言えばケルヴィン・マーティン選手もSFの登録選手ですしね。
また、アジア枠でチームに加入している選手も今回は対象外とさせていただいています。
チームメンバーを決める際、「外国籍」や「アジア枠」という人数に制限があるポジションの選手の重要度は非常に大きいでしょうからね。
なので、今回は「日本人SF」について考えていきたいと思います。
②平均得点から考える日本人SF
ここからは具体的に「日本人SF」について考えていきます。
まずは、平均得点の面から調べてみました。
Bリーグの公式サイトで「SF」登録をされている選手で、平均得点が上位50位以内にいる日本人選手を、ポジション別に並べてみました。
そうするとこうなります。小さくて見づらい表ですね。すみません、必要に応じて拡大して見て下さい。

この表には平均得点のほかに、身長と3P成功率を入れています。
そして、平均得点が10点以上の選手は赤く、6点以上の選手はむらさき?に色を塗っています。青色は杉浦佑成選手の所ですね。
この表を見て頂くと、SF登録で平均得点が10点を超えている選手は3名のみだとわかります。その3選手もSG/SFでの兼任登録です。
SFのみでの登録で一番平均得点が高いのは、三遠の金丸晃輔選手の9.8点となりますね。
PG登録の日本人選手で、平均得点が10点を超えているのは12選手(下の表より)。

SGのみでの登録選手では5名が平均得点10点を超えています。
ちなみに、比江島慎選手(宇都宮:13.0点)、田口成浩選手(秋田:12.3点)、安藤周人選手(A東京:11.8点)、西田優大選手(三河:11.3点)、細川一輝選手(三遠:10.9点)の5選手です。
日本人選手(帰化選手を除く)で平均得点が10点を超える選手は20人いる中、ほとんどがPG・SG登録の選手である事が分かりますね。
SF登録の選手の中で見てみても、SG/SFの選手たちの方が平均得点が高い傾向にありますね。
Bリーグでは、日本人SFのポジションの選手というのは、得点という面ではなかなか苦しいポジションであると言えるのかもしれないですね。
○B1リーグでの杉浦選手の立ち位置を考える
①サイズ面から考える杉浦選手の存在感
ここからは杉浦選手個人に焦点を当てて、B1リーグでの立ち位置を考えていきたいと思います。
まずは身長から。なんと、杉浦選手は身長が196cmもあります。
レイクスブースターのみなさまは、杉浦選手や森山選手がインサイドで外国籍選手と戦う様子を見続けたせいで感覚がマヒしているかもしれません。
外国籍のインサイド選手と比べてしまうと、196cmでは心もとない所があるかもしれませんが、196cmの日本人SFの選手は大変貴重です。
一般人よりもはるかに平均身長の高いバスケット界においても貴重です。

先にまとめた表を見てみても、全31選手(杉浦選手を除く)の中で、杉浦選手よりも身長の大きい選手は6人しかいません。
190cm以下の選手が11人、191~195cmの選手が12人なわけですから、196cmの杉浦選手のサイズは魅力的なものであると言えるでしょう。
外国籍のガード選手から、インサイドの選手まで、幅広い選手にスイッチして守る事も出来る、杉浦選手のサイズ・ディフェンスはどんなチームにおいても重宝されるものではないでしょうか。
②3Pから考える杉浦選手の存在感
そして、杉浦選手が存在感を大きく示しているのは、おそらく3Pシュートなのではないでしょうか。
SF登録選手の中で、3Pシュート試投数の多い上位50選手の中から日本人選手のみを抽出して並べてみました。以下の34選手になります。

上の表だけ見てみると、杉浦選手の3Pシュートの試投数は日本人SFの中でも19番目とそこそこの本数だった事が分かります。もっとがんがん打ってもいいんだよ!
シュート本数自体は、特別多いわけではありませんが、成功率順で並べ替えると評価が変わります。

3Pの成功率順に並べると、8位までジャンプアップします。杉浦選手よりも背が高くてシュート確率が高いのは八村阿蓮選手と、帰化選手であるトーマス・ケネディ選手のみですからね。
ちなみに滋賀レイクスの森山選手もシュート成功率では3位と高確率であったことが分かります。京都ハンナリーズとの最終節第1戦、よかったですよね・・・(涙目)。
そして3月以降の試合では43.3%、ラスト5試合では46.4%と更にシュート成功率を上げてきていました。日本人SFの選手達の中でも高いシュート成功率を有すると言えるでしょう。
③シーズン終盤の平均得点から考える杉浦選手の存在感
最後にシーズン終盤の杉浦選手の平均得点から立ち位置を考えてみます。
3月以降、シーズン終盤にかけて、尻上がりに得点を伸ばした杉浦選手。杉浦選手の成績を時期に分けて、他の選手達と比較してみます。
最初の表に、時期別の杉浦選手の成績を差し込んでみました。そうすると、こうなります。

3月以降の試合では6.2得点、ラスト5試合では9.0得点まで平均得点を伸ばしました。3P成功率も高くなっていたので、存在感が高まりましたね。
シーズン終盤のパフォーマンスは、日本代表を目指せるレベルのものだったのではないでしょうか・・・。
このパフォーマンスがシーズン60試合を通して発揮できるのかという点については・・・来シーズンに期待して見てみたいと思います。
○まとめ
・日本人SFは平均得点がPG・SGの選手と比較すると低い傾向
・杉浦選手のサイズ・3Pシュート力は貴重
・シーズン終盤のパフォーマンスを来シーズンも期待
オフシーズンはゆっくり休んで、来シーズンも元気にがんばれ!