見出し画像

近未来の発展途上国ニッポンの姿?ニセコで1ヶ月住んでみて感じたこと

皆さんこんにちは、ご無沙汰しています。Takeです。

地元の滋賀県・長浜市のポテンシャルある観光資源として『ウィンターツーリズム』を挙げていた中で「日本でも有名なインバウンド・スキーツーリズムの先端をいく観光地で学びながら滞在しよう」と昨年1月下旬から3月下旬まで、約2ヶ月間の間、長野県・白馬村にワーケーション滞在しました。

そして今回は国内におけるスキーリゾート地の2大巨頭のもうひとつである北海道・ニセコにリゾートバイト (リゾート地に住み込みで働くアルバイト)で現地外資系ホテルで働きながら滞在しました。

「国内」でありながら英語だらけの環境で生活することで英語力の向上を目指す「ニセコ留学」という言葉もありますが、まさにニセコは海外そのもの。

1ヶ月という短い滞在期間でしたが、たくさんの興味深い発見があったので書き記していきます。

公用語はほぼ英語

話には聞いていたものの、到着した瞬間「本当にここは日本なのか…?」と目を疑うほどのインターナショナル環境でした。

まず、日本人を見かけません。後にも言及しますが、現地ホテルで働いていた中で日本人観光客は10人に一人ぐらい。コロナ禍を経て外国人観光客の入国緩和がされて数ヶ月しか経っていないにも関わらず、大部分を占めるのはインバウンド客でした。

実感値としての割合は、オーストラリア人が最も多く次いで香港、シンガポール、アメリカといった具合です。中国本土からの観光客が復活すれば、ニセコを訪れる観光客はさらに増えるでしょう。

ただし、受け入れ側としてのニセコが対応できていない部分も。

路線バスの運転手の方は英語が話せないので降りる時に料金を支払う際に時間がかかったりと、現地の日本人労働者とインバウンド客とのコミュニケーションに苦慮している様子が見受けられました。僕が訪れたことのあるカンクン (メキシコ)やプーケット (タイ)などの世界的リゾート地では、英語を母国語として扱う国ではないにも関わらず、現地で働く人は英語対応バッチリです。

日本の英語教育や、急に有名になった観光地である点を考慮すると、受け入れ側としての人材の英語力向上もひとつ改善しなければいけない部分もあります。必ずしも語学力と滞在満足度に大きな相関関係があるとは思いませんが、話せるに越したことはありません。

ニセコが新の世界的リゾート地の仲間入りするのであれば、観光に携わる人のインバウンド対応人材の教育も必要になってくると感じました。

ホテルでのお仕事

高級ホテルは海外の開発会社資本がほとんど。

現地ではオーストリア資本の外資系ホテルで働きました。

ここでも従業員は多国籍で、同僚はオーストラリア人、イギリス人、シンガポール人、チリ人、フィリピン人…etc と日本人スタッフは10人に1人ぐらい。

外国人従業員の彼らに話を聞いていると、ニセコで働く目的は大きく分けて2つに分かれます。

ひとつは、スキー・スノボをしながら働くライフ志向。ヨーロッパやオセアニアから来た人の多くが当てはまります。ワーキングホリデー制度を利用しし、稼ぐというよりかはホリデー目的。13時からの出勤前にひと滑りしてから働くという人が多かったです。

もうひとつは稼ぎ志向。主に発展途上国から来た人が多いです。ここニセコでは給与水準は他の地方と比べて格段に高いです。北海道の最低賃金は時間額920円ですが、ニセコでは求人を見比べてみても軒並み平均で1,200円〜でした。そして英語力が求められる職種・ポジションによっても時給の高低はや国籍は異なります。

例えば比較的シンプルかつ同じフレーズを使う割合が高いレストランのウェイター・ウェイトレスなどは平均時給900-1,200円ほどで、日本人の方が多いです。一方で煩雑なコミュニケーションを取る機会が多いホテルのフロントでは平均時給が1,500円ほどで、外国人労働者の方が多いです。

つまり、英語力が必要とされる職種(もちろん単に職種による時給の高低もあります)かどうかで時給が分かりやすく違ったのは興味深かったです。英語力の低い日本人が安い時給で働き、英語が話せる外国人労働者が高い時給で働く。

将来的に日本が積極的に移民を受け入れ始め、インバウンド観光産業が国の一大産業となった先に、有名観光地ではこういった事象が一般化するのでしょうか…?

東京の2-3倍?上がり続ける物価

前述の通り、ニセコでの平均時給は北海道のみならず東京と比べても (最低1,072円)高いのですが、比例的に物価も高いです。

北海道のローカルコンビニであるセイコーマートや、マックスバリューなどのコンビニ・スーパーのチェーン店は価格が変わらないものの、地元の飲食店や屋台、外国人がネット予約できる宿泊施設が特に高い印象です。

ラーメン1杯 1,900円
カツカレー 1,600円
ゲレンデ内のレストランビール1杯 1,200円
ハンバーガー 1,500円

さすが、日本一地価上昇率が高い土地。本田圭佑さんのラーメン安すぎる発言が話題になりましたが、ラーメン2,000円の世界線がニセコにはあります…。

また、セイコーマートではドン・ペリニヨンが売られています。目の前の海外観光客らしき人がコーラを買うようにレジに持っていった際は、資本主義社会での圧倒的敗北を感じました…w

25,000えん、、、、、、

整っていない生活インフラ

ニセコで生活する上での欠点は?と問われると、まず思いつくのが「公共交通機関の不便さ」とスーパーなど「生活インフラ」が整っていないことです。

空港からバス or 電車でニセコまで約3時間かかるなど、まず1次交通に時間がかかります。今は函館北斗駅まで開業している北海道新幹線が2030年に札幌まで一気に開通し、倶知安 (ニセコ)も途中駅としてリニューアルされる予定ですが、次なる課題として二次交通も挙げれれます。

ニセコの比羅夫エリアにはコンビニや薬局はありますがスーパーはありません。そのため、車を持っていない人は路線バスで15分ほど下り行かなければないことに。

あとはしばしば携帯の電波が途切れることもあるなど、旅行で数日滞在するなら問題ありませんが、住むとなれば車が無ければ相当不便だなと感じました。

ニセコで体感した近未来の発展途上国ニッポン


英語の話せない日本人労働者は安い賃金で雇用され、物価が高く外食も気軽に行けない。

このまま日本経済が低迷し続けると、いずれ物価の安さと物珍しさで訪れる外国人の観光に頼る、発展途上国型の経済になるだろうと思っていましたが、その起こりうる状況をニセコで体感しました。

しかし、英語力の向上を目的としたニセコでのリゾバや上質な雪でのスキー・スノボを楽しむことを主な目的とするなら、ニセコは十分に魅力的な土地です。

デスティネーション・マネジメントの観点からも、急激に世界的リゾート地として有名になったニセコが抱える現状の課題点をこれからの近い将来、どう解決していくか注目です。

--End--


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?