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My Findings in exploring Lake tourism in プリトヴィツェ湖群国立公園, Croatia #1
「プリトヴィッツェ湖群国立公園 (英:Plitvice Lakes municipality)」は、クロアチアの首都ザグレブから南に位置する国立自然公園です。ユネスコの世界遺産に登録されたこの国立公園は、現在ではクロアチア最大の観光名所として多くの人々が訪れています。
湖群は、川に自然のダムが造られたことで生まれ、ミネラルや有機物の含有濃度、日光の角度などによってエメラルドグリーンやコバルトブルーに絶え間なく変化する水の色が森の緑と一体化し、静謐な風景を描き出します。
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この湖群での発見をデスティネーション・マーケティング/ マネジメント視点から以下にまとめています。
(1)清潔なトイレ
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ユネスコの世界自然遺産についての記事なのにいきなりトイレかよと思われた方、ごめんなさい。でも僕にとって始めに驚いたのがトイレの清潔さでした。
一般的に、欧米のトイレと聞くと不衛生というイメージがあります。街中のトイレは基本的に有料です。そうしないと汚くなるから。ましてや公園にあるトイレなんて、、、と思いながら入った国立公園のトイレはとても清潔で面白い発見でした。多くの人が利用するからこそ、掃除チェック表には1日に何回も掃除をした確認表が残されていました。
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世界一キレイで機能的と言われる日本のトイレも、田舎の観光名所と言われるところでも未だに和式トイレや整備されていないところが多いです。
飲食店同様、トイレの綺麗さというのもデスティネーションやアトラクションへの満足度に少なからず影響すると思います。だからこそ細かく小さなところでもツーリストフレンドリーを第一に考えるべきと改めて実感しました。
(2)わかりやすく、シンプルなルート
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この国立公園は上部と下部に分かれているほど大きな規模の湖なので、現在の位置がどこで、どこに向かうべきかを知れる標識・看板は重要です。
上記の写真は公園入口にあったものですが、園内には進むべき道を示したルート看板があちらこちらにあり、一度も迷うことなくスムーズに進むことができました。
長時間のウォーキングに自信が無い人、1日かけてガッツリ散策したい人、絶対に見たほうが良い絶景スポットだけを回りたい人など色々な条件・ニーズに合わせてルートが示されていました。
(3)観光地価格の是非
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富士山の頂上ではカップラーメンが800円するなど、観光地価格はしばしばネガティブ要素として取り上げられます。しかし法外とも言える値段にも関わらず、購入する人は少なからずいます。シンプルに考えると「富士山制覇=頂上でカップラーメンを食べること」が一つの登頂の証として認識されているからです。
ここプリトヴィツェ湖群でも途中に大きな開けた休憩スペースがあり、そこで名物の湖で獲れたマスのグリルを食べることが訪問した証とされています。Instagramで#Plitvice Lakesと検索するとマスのグリルが結構出てきますw
その上で値段など気にする人はいません。人々は「せっかくだから」と記念体験に多く投資します。僕もせっかくだからと1皿¥1,500のマスのグリルを食べたけど、景色・雰囲気も相まって美味でした!(でも強いて言うなら琵琶湖のマスのほうがもっと美味しいです…。)
(4)遊び心を入れた環境保護
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「写真」以外は何も"取らない"でください。
「足跡」以外は何も"残さない"でください。
「時間」以外は何も"使わ"ないでください。
どこかの観光地でも聞いたことのあるフレーズですが、ウィットに富んだこういう標識が個人的に好きです。
下部のように真面目に、論理的に環境保護を訴えられるのと比べて、人々の行動にどう影響を与えるのか気になります…。
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(5) チケット変動
プリトヴィッツェの入場料はシーズンによって大きく異なります。
ハイシーズンは¥6,000、ローシーズンは¥1,600と、めちゃくちゃ差があるw
でもこれもマネジメント視点では極めて合理的。また近年、入場者数が増え続けていたプリトヴィッツェでは、自然保護を目的とし、2019年4月より1時間ごとの入場者数の制限が始まったそうです。それによりオンラインでのチケット事前予約購入が可能になりQRコードチケットでの入場が可能になりました。
1/1~4/30 80クーナ
5/1~5/31 180クーナ
6/1~9/30 300クーナ
10/1~10/31 180クーナ
11/1~12/31 80クーナ
(20クーナ=約20円※2022年10月現在)
他にも子供料金や、2日券などの種類の券もあります。観光のDX化、合理化は日本もすごくホットな課題として取り上げられていますね。
(6) 公式サイトでeCardを友達や家族送って環境保護に貢献という名の広告活動?
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公式HPでは無料で電子形式でのポストカード写真を送ることができます。
まとめ
さすがはクロアチアの一大観光地であるプリトヴィッツェ湖群国立公園。
その土地の文化である名産品を味わいながら利用者の満足度を高め、落とすお金も多く。そして環境保護もしっかりとするというサスティナブルツーリズムの3要素(経済・環境・社会文化)をもれなくカバーしているのを肌で実感することができました。
今回は少し大きな規模の湖でしたが、デスティネーションマーケティング・マネジメント視点でとても興味深い発見がいくつもあった観光地でした。
次はスロベニアの2大湖である、Lake BledとLake Bojinについてのコラム記事です。お楽しみに!
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