海外から見た日本の働き方~物理的な距離感の重視~(The Economist 2020年5月9日版)
The Economist 2020年5月9日版から、「Japanese offices struggle to adapt to social distancing~Many companies still put a strong emphasis on physical presence~」の記事を取り上げてみたい。 内容は「日本の働き方はいかに物理的な距離を重んじているか」について。
海外から見ると、日本の働き方は特殊に見えるところがあるようだ。
まずは根強いハンコ文化。
これは57年に中国から日本に伝わったらしい。
逆に約2000年、その文化を守り続ける日本「超」すごい!
というのは日本目線の話…。
海外から見ると、ハンコ文化もそうだが
同じオフィスで仕事をするといった、同僚の物理的距離を重んじる文化は「日本の特殊な働き方」だと感じるようだ。
このコロナウイルスの影響で在宅勤務(テレワーク)も増えていると思うが
それを向かい風(headwind)にするか、追い風(tailwind)にするかは私たち次第だ!
基本概念の整理
■Social distance(ソーシャルディスタンス)
・社会的距離のこと
・一定の距離感を保つことで、感染のリスクは激減するそう
■Collective decision-making(集団的意思決定)
・複数の人間が会議などによって意思決定を行なうこと
記事の簡単な要約
ハンコは57年に中国の皇帝より日本にきた。
後にハンコは文化となり、2000年近くたっても日本に色濃く残る。
日本における正式な文書などには、ハンコが押されている。
コロナウイルスのパンデミック以前
日本の会社でテレワークに対応できるシステムを持ち合わせている会社は30%程度であったようだ。
これが高いか低いかは捉え方次第でもあるが
先進国の中では、かなり「遅れている」と言われても仕方がない。
ハンコ文化以外にも、日本では物理的な距離を重んじる。
同じオフィスで同じ時間働く。それが美徳とされていたし、きっと今もそうかもしれない。
ただ、日本は歴史的にも「外圧」によって変化してきた。
例えば、1853年のペリー来航だ。
日本はこれがきっかけで近代化をとげた。
現在、大企業を中心に
テレワークの設備を整えるなど、柔軟な労働体制へと移りつつある。
しかし、エディターはこの変化は持続しないかもしれないと述べている。
なぜならば、日本で働くマネージャー職が「物理的な距離を求める」というのは根強く残ると考えるからだ。
自身の見解
海外視点で、日本の働き方を捉えた面白い記事だ。
個人的には、コロナウイルス以前からテレワークを実施しているので
「ぜひ柔軟な働き方を!」と思うが、なかなか定着は難しいと感じる。
いまだに、労働は「成果」ではなく「時間」で測られるケースが多い。
そしてエディターの言うように、日本のマネージャー職の「部下を物理的に近い距離で管理したい。」という思いは根強く残ると思う。
これが良いか悪いかはわからないが
先進国の中でも「生産性が低い」と言われている日本。
コロナウイルスのパンデミックを
どうか「追い風」にしたいものだ。
まとめ
The Economistでは、ちょこちょこ日本の記事が出る。
海外から見た日本というのは、新しい視点で面白い!
ぜひこのコロナウイルスの影響における「働き方の変化」を追い風にしていきたいものだ!