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学生起業を志した普通の情報系学生がAcompanyのCTOで共同創業するまでの話

こんにちは、プライバシー保護を当たり前にしたい近藤です。

本記事はAcompany5周年アドベントカレンダー25日目の記事となります。

丁度良い節目だなと思ったので、普通の情報系学生だった近藤がどのようにしてAcompanyのCTOで共同創業するに至ったのかを書いていきたいと思います。

主に、以下のような方に参考になるよう書いていきます。

  • 学生起業を考えているが、周りに参考になる人がいないため不安だという方

  • 技術系の強みを活かして将来は起業したいと考えている方

  • Acompanyの創業期の話を詳しく知りたい方(どれだけいるかは謎ですが…)

代表の高橋が書いたAcompany創業期の記事もありますので、そちらも合わせて読んでいただけますと大変嬉しいです😇


全国大会入賞を目指す体育会系の学部生

普通の名古屋工業大学の情報学部の学生だった私は、ひょんなことからガチガチの体育会系の部活動に精を出すことになりました。

その部活はボート部。

年間600万円くらいの予算を使って全国大会入賞を目指すチームでした。

合宿所で寝泊まりし、朝4時半に起床してボートを漕いだあと、40分くらい自転車を漕いで大学の授業に出席する。そんな生活を繰り返していました。

この頃は、部活と授業にコミットしており、特にビジネス的な活動は全くしておりませんでした。ただ、情報系の学生らしく自分たちでゲームを作ろうなど、友人とお遊び程度の活動をしてみたりと、呑気なものでした。

結果的に学部4年生のときにキャプテンとして参加した最後の全国大会で、入賞はできなかったもののベスト16には入ることができ、一定の成果を残しつつ引退しました。

その後、大学院生になりチームのコーチを2年間引き受けることとなり、公認スポーツコーチの資格を取るなど、サポート役としてチームに貢献しました。
コーチ2年目には4年ぶりに全国大会で入賞することができ、非常に感慨深い気持ちになったことを今でも覚えています。

この頃の経験は今にも強く生きており、継続的に努力を続けること、困難な状況でも前向きに捉えること、チームで同じ目標に向かって走ること、組織運営のノウハウを学びました。

大学院生の時の就活への違和感と疑問

さて、そんな普通の学生だった私ですが、大学院生の時に多いに悩むことになります。

就活です。

愛知県は、自動車産業・製造業の企業が多く集まっています。その影響で、大学にくる求人や情報は世界的に有名な大企業のT社やD社、A社に関連するものなど非常に偏ったものばかりでした。

当時の私は、これらの業界で自分が働くイメージが全く湧かず、それでいて、それ以外の情報にも触れてきておらず、果たして自分は今後どのような仕事をしていくと良いのだろうかと疑問を抱えることになります。

部活動の影響もあり、何か大きなものに主体的にチャレンジすることが自分にとって重要であると考えていたので、大企業で働くということが性に合わなかったのだと思います。(今思うと、東京のスタートアップやベンチャーの情報をキャッチできていればそちらに関心が寄っていたと思います。)

そんな折、ある人と出会うことになります。

株式会社エブリーの吉田大成さんとの出会い

大学で開かれたスタートアップに関するイベントで、「DELISH KITCHEN」などの動画メディアを手掛ける、株式会社エブリーの創業者の吉田大成さんと出会うことになります。

実は、吉田さんは名古屋工業大学のOBで、その縁あってイベント後の2次会でご飯を食べながらお話しする機会を得ました。
吉田さんのヤフー、グリーでの経験や、エブリーでの経験を伺う中で、スタートアップを創業して経営するという生き方に非常に強く関心を惹かれました。
この時、本心半分、勢い余った半分で、起業してビジネスを始めることを2次会の場で全員に宣言してしまいます。

言霊というのでしょうか、言語化して外部に発信すると、なぜか妙にノってしまうもので、その日から私は取り憑かれたように事業やスタートアップの世界にのめり込んでいきます。

相棒、佐藤との共同生活と解散

さて、起業宣言はしたものの、何から手をつけようか。

そうだ、名古屋のスタートアップで働いているボート部の友人に声をかけよう。

そうして声をかけた佐藤という人物と意気投合し、一緒に事業を作ることにします。
彼は、当時名古屋に本社があった株式会社DUO(現ZIZAI)というスタートアップで学生ながら働いており、非常に活動的で、また人間的に面白いやつでもありました。

その後、大学の食堂や近くのファミレスなどで、どのようなビジネスアイディアがいいか、毎日のように議論し検証することになります。

その後、どうせ毎日話すなら一緒に住めばいいという考えに至り、奇妙な二人暮らしを始めます。
2段ベッドで横になりながら寝る直前まで議論を繰り返し、壁に貼ったホワイトボードは常にアイディアが殴り書きされていました。

当時は多岐にわたるアイディアを出しては、実際にニーズがあるのかを検証するために潜在顧客にヒアリングをすることを繰り返してました。
トークンエコノミー、オンライン動画配信、ブロックチェーン、コミュニティサイト、YouTuber、画像認識サービス、地下アイドル、マッチングサービス、などなど…

結果的に、平凡なWebメディアに着地することとなり、Google AdSenseによる広告収入を狙うこととなります。

3ヶ月くらいはブログ記事を書いては投稿するということを繰り返し、まずはWebメディアのコンテンツを一定量確保するという活動をしました。

ところが、広告はページビュー数の量と読者層がはっきりしていることが重要なのですが、当時作っていたコンテンツでは、ターゲット層のパイが小さすぎて事業として成立させるには程遠いことが判明し、暗礁に乗り上げることになります。(普通に考えればやる前から分かるのですが、当時はそんなこともわからなかった…)

その後、お互いに別々でネタを考えて実行していこう。どこかでまた合流できたらしようと言って、解散しました。
(補足ですが、今でも彼とは親友で、とても仲が良いです。喧嘩別れとかではないです。)

Acompanyの高橋との交流

やっとAcompanyの高橋が出てきます。

元々佐藤からの紹介で話したことがあり、当時はちょうど学生100人企画をやっていた頃でした。

当時、私は佐藤との事業化活動と並行して、吉田さんのお力をお借りして「吉田塾」という取り組みをやっていました。
このイベントに高橋は必ず参加しており、定期的に事業のディスカッションをするような仲になっていきます。

「吉田塾」自体は、大学の産学官連携センターの方に協力をしていただきながら、場所のセッティングや告知、ゲストの招聘などを行っていました。

例えば、第2回のイベントでは、グノシー時代の福島さんとエブリーの吉田さんが対談するという今見ても豪華な内容で開催されていたりと、なかなか貴重なイベントでした。

イベントの写真を見てみると、最前列に左から佐藤・近藤・高橋で座っていました。(懐かしい…)

最前列に左から佐藤・近藤・高橋で座っている写真

イベントなどで定期的に交流をしつつ、お互いに信頼を寄せていったのがこの時期でした。
その後、詳しくは冒頭の記事を参照いただきたいですが、この頃にAcompanyはほとんど消滅の危機に瀕していきます。
ざっくりまとめてしまうと、学生むけのサービスを辞めるという意思決定をしたことでAcompanyに集まっていたメンバーがほとんど全員離れてしまいました。

模索、模索、模索

さて、そろそろ終盤に差し掛かってきていますので、一旦状況を整理すると以下の状態です。

  • 近藤:佐藤と別れ、一人で次の事業を模索している

  • 高橋:Acompanyはほとんど解散し、次の事業を模索している

この頃の私は、事業ネタや仲間探しのためにビジネスコンテストやハッカソン、その他スタートアップ系のイベントなどに参加し、小さいプロダクトを作ったり、名古屋のスタートアップ界隈と繋がっていきます。
(余談ですが、最近審査員を務めさせていただいたトンガリビジコンには2018年に出場していました。残念ながら何の賞も得られませんでしたが…😃)

元々、画像系機械学習を研究していたので、それを活かすようなアイディアを考えたり、インターネット技術と同じくらいのインパクトがあると言われ始めていたブロックチェーン技術に注目したりと、技術要素が強めの事業に関心を寄せていきます。

一方、高橋の方は、ブロックチェーン技術が熱いのではないかと狙いをつけつつある状況でした。トークンエコノミーとか、個人主権とか、改竄耐性のログとか、Web3.0とか、色々と議論をしていた記憶があります。

運命のTechCrunch Tokyo

2018年11月15・16日(金)に開催されたTechCrunch Tokyoに参加しました。
スタートアップが集まって色々話す場に行けば、何かアイディアやヒントが得られるかもしれないと考えたからです。お金がなかったので、夜行バスとカプセルホテルで費用を節約したことを覚えています。

イベントでは、スタートアップのピッチや基調講演など、スタートアップとテクノロジーに関するセッションが行われていました。
そのうちの一つで、Omiseの長谷川さんの講演があり、ブロックチェーン技術は世界中で使われるようになる、次のテクノロジーだと確信しました。ブロックチェーンの仕組みは今までの分散型システムではできなかった、価値の保存と流通を実現するものだと理解しました。あとは適用先を探すだけだなと考えました。

その後、ブロックチェーン技術を軸として事業を作ると決心した私は、イベントの熱気そのままに、一緒にブロックチェーン事業をやりたい!と高橋にメッセージを送りました。

その後、数分後くらいに、「いいよ!」と返事が来て、あとはトントン拍子にAcompanyにジョインすることが決まり、翌日の夜にはAcompanyのメンバーとミーティングをし、一緒に事業を作ることになりました。

そしてアカン期(暗中模索時代)へ…

かくして、Acompanyにジョインした私は、技術系役員として担当領域を見るCTOの役割を拝命し、Acompanyでブロックチェーン事業を作っていくこととなります。

ここからのアカン期(暗中模索時代)のお話は、高橋の記事と重複するので、ぜひ気になった方はそちらを読んでいただけると嬉しいです😇

おわりに

以上が「学生起業を志した普通の情報系学生がAcompanyのCTOで共同創業するまでの話」でした。
近藤の創業前夜の個人的な経験が、皆様の何かのご参考になっていれば幸いです。

振り返ってみると、人と人とのつながりで物事は前に進むものだなと思いました。
一人で悶々とする時間も必要ですが、外部の有識者や経験がある人に話を聞くことは事業を前に進める上では最も重要だなと感じます。

実際に、Acompanyの事業であるプライバシーテックを活用したデータコラボレーション事業も、外部の方に相談することで作られてきています。
プライバシーテックだけでは解決できなかった部分を、プライバシー法に知見のある外部の方に相談することで、新しい解決策がうまれ、それが事業ノウハウになり、価値となって今に至っています。

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Acompanyでは、データコラボレーション事業に取り組んでいます。
具体的には、企業が保有する個人データを安全かつ適法に連携するプロダクト「AutoPrivacyを提供しています。

プライバシーテックをコア技術に据え、それをいかに企業が使いやすい形で提供するかに注力しています。

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それでは、Happy Hacking !

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