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TITF#30(タイ旅行博)出展まとめ

2025年1月16日~19日までタイ・バンコクで開催されましたTITF#30(タイ旅行)と現地旅行会社の営業を行ってきました。2024年に続き2回目の出展となりまして、この1年で変わったこと参加して感じたことなども含めお知らせしたいと思います。


2025年のタイから日本への観光客数見込み

2025年のタイから日本への観光客数の見通しが記事になっていましたのでご紹介します。

−2025年は、昨年比31.6%増の150万人の予想

日本への旅行者数は昨年の114万人から31.6%増の150万人に達するの予測です。訪日インバウンドは、引き続き好調のようです。主に4月初旬から中旬のソンクラーン休み期間の販売が好調だそうです。現地の旅行会社さんにヒアリングしたところ、桜のシーズンは徐々に人気が上がっていて、各社、桜の名所に訪れる商品を展開しているようです。地域によっては、時期的に桜が満開のシーズンになります。

−日本円に対し、バーツ高(円安)傾向が継続

1月15日にバンコクのスワンナプーン国際空港に到着し、1万円を両替しましたが、1900バーツ=1万円とのことで、円に対しバーツ高傾向が一層進んでいると感じました。尚、市内の両替所では、2100~2200バーツ=1万円で両替できるところがありました。ドルやユーロに対して円安だと認識がありますが、実は、東南アジアの通貨に対しても円安が進行しています。為替レートの参考は下記参照ください。

−タイの物価状況は

JETROのビジネス短信によると、2024年は通年で0.40%上昇とのことでした。ただ、バンコクの飲食店やスーパーマーケット、コンビニなどで、昨年や一昨年と比較をすると肌感覚では、もっと上昇してるのかなとは思いました。一昨年、コンビニで10バーツで購入していたスポーツドリンクは、12バーツに値上がりしていたなどもありました。昨年は水準的には低い上昇率だそうで、2025年は、CPI上昇が0.3~1.3%と見込まれているそうです。

−タイ市場の中国向けの旅行商品の好調は

昨年から、中国本土向けの旅行商品が訪日ツアーのライバルとなっていますが、中国向けが増加している経緯は、タイと中国両国のヴィザ取得一部緩和が大きく影響しているとのこと。日本でも、中国へのヴィザ取得緩和については話題になっていると思いますが、観光客(海外インバウンド)誘致の取り組みは、日本だけではなく各国の重要課題とみられます。先述の記事でも記載がありましたが、中国ハルビン5日間の価格が4-5万バーツとのことですので、東京や大阪方面ですと5日間で同額または若干高めのようで、昨年から今回は中国に行ってみようかという方もいらっしゃるようです。ただし、今年は昨年比約31%増の見込みとのことですので、訪日旅行では、滞在の質の高さを求めるお客様層にとって、まだ円安の恩恵を受けていると考えられます。

タイ最大手旅行会社のひとつクオリティエキスプレス社の中国旅行ページでは、1万バーツを切る商品も出ていました。

TITF#30について

−昨年と比較した4日間の入場者数

会場は今年もクイーンシリキットコンベンションセンターで開催されました。標記の通り30回目を迎えるタイ国内最大の旅行博です。

TITF#30ウエルカムボード

ちなみに昨年度の入場者数は以下の通りです。

JNTOの報告によりますと、2024年のTITF#29では、約27万5千人とのことです。昨年に続き2度目の出展となりまして、参加しましたジャパンブースの小間数は増加していまして、多くの自治体や民間事業者様が参加されていました。4日間全体では、総入場者数は昨年度より同数または若干減ったのかなという感じはありますが、まだ、正式な入場者数が発表されていないので、機会がありましたらお伝えします。

−ジャパンゾーンの参加事業者と自治体

ジャパンゾーン竹原市はAC05

ブースの数でタイ市場に力の入れている地域がわかりますが、TITFの後にすぐJAPANEXPOという大きなイベントもあり、そちらに出展される自治体と事業者様もいらっしゃるので一概には言えませんが、今回でいいますと、東北地方、九州地方からの出展が多かったと思いました。ちなみに、中国地方は、広島県竹原市と鳥取県、民間ですとJR西日本の3つとなります。
ちなみに鳥取県は、知事のトップセールもあり、意気込みの違いを感じました。トップセールスは、あるタイミングで大きな効果を発揮すると思います。

コナン君とかにとり県としてカニスーツ着用の鳥(蟹)取県知事

−ブースの前日設営

全日の15日の夕方にバンコクに入り、夜まで準備を行いまして、16日からの4日間で観光PRを行います。toC向けのパンフレットの配布やtoB(現地旅行会社)向けの対応もあり、朝10時から夜20時までかなりハードな4日間となりますが、何度も来訪できないのでできるかぎり竹原市のPRを行いました。

前日のブース準備

−パンフレット配布とブース訪問者数

今年度のパンフレット配布数は、4日間で各2500部を想定しています。

どちらもタイ語バージョンです。
竹原観光ガイドブック(2500部)
浪漫てくてく(2500部)

タイ語版ガイドブックなど

どちらもですが、4日間で配布が完了できました。よって、ご質問やお問い合わせいただいた件も含めますと計3000名はブースに訪問いただいたと思われます。

−ブースでお伺いした主なご質問

TITFでの主なご質問

旅行の三大要素は、あご・あし・まくら(食・交通・宿)といわれていまして、今回もたくさんのご質問をいただきお答えしています。
竹原市に興味を持っていただいた方々が旅行候補地のタビマエ情報として最初の情報として検討いただくことになります。

−ビジュアル的な位置情報は必須

日本語の中国地方の地図

今回、日本語ですが、中国地方と竹原市の広域地図を持参しました。
よく地図はありませんかとお伺いされるこれまでの経験で、広島県の位置情報を伝えるのが大変で、地図があればいいなと思っていましたが、今回はとても役立ちました。大阪、福岡、四国は位置が理解できますが、広島県となるとご存じのない方が多かったと感じました。

理想としては、英語または現地語で、日本全国地図 → 西日本地図(または、中国四国) → 広島県 → 竹原市 → 町並み保存地区、大久野島と忠海。これにルート案内、交通情報とレストランや観光スポット情報が掲載されていればベストです。

地図については予算確保などもあり次年度以降の課題となると思います。

竹原の法被姿のタイ人通訳さん交えて対応中


−もうひとつの役割「SNS」フォロワー獲得

現地の旅行博に出展して、toC向けのPRでお客様の生の声を聞き、リードの
獲得を目指すわけですが、現地に常駐するわけにもいかないので、SNSアカウントのフォロワーを獲得することで、定期的な情報発信でリードの獲得とSNSマーケティングのデータ収集が重要な要素があり、海外営業での大きな役割のひとつです。

4日間でのフォロワーまたはいいね獲得数

Facebookタイ語アカウントのフォロワーといいね件数推移

フォロワーといいね数とも、約1200名の伸びでした。あの手この手使ってフォローしてもらうようにしています。下記は、Facebookタイ語アカウント。

まとまったフォロワー数がいますと、SNSマーケティングの精度も上がってきまして、リーチ数、エンゲージメント率などで、興味と関心の高いコンテンツが何かわかってきました。市内事業者の紹介が多いのですが、今後は観光コンテンツの投稿を増やしていく予定です。

現地旅行会社への営業

1月20日(月)は、現地バンコクにある旅行会社4社に営業を行いました。

営業先の旅行会社

A社(課題と対策)

広島方面を売りとした商品は今のところなし。
福岡から大阪方面に向かう途中に立ち寄ることもアリ。
インセンティブ(法人またや家族団体旅行)の依頼が多く、A社社長のつながりでオーダーメイドな団体ツアーを広島方面で企画したことがあるが、残念ながら採用されなかった。5泊くらいの滞在が多く企業見学などのプログラムがあるとよい。
→対策として、法人向けの工場視察ツアーなどは近隣の東広島DMOが企画しているので、帰国後、連携して資料を現地旅行会社の営業担当者に送付。

B社(課題と対策)


リピーター向けの九州方面が人気。(フライトの路線充実さも起因)
広島方面もあるが、平和公園・宮島のみ。
この週末に広島空港が募集したモニターツアーがあり、別の社員が参加予定。
広島へのツアー造成には興味がある。
体験ものツアーについてより情報が欲しい。
→対策として、広島空港関係者にモニターツアーについて問い合わせると、タイ旅行社向けに実際に実施予定だが、竹原市には立ち寄らないスケジュール。モニターツアーでスケジュールに組み込んでいただけるよう県や団体 の各関係各所への働きかけがより必要だと認識。
体験ものツアーについては、今後、事業者様と企画造成を重ね、商品販売につなげる。

C社(課題と対策)


コレクティブツアー(募集型)が中心だが、広島はアクセスの問題で今は販売してない。
福岡へのフライトの場合は、九州内の商品を販売していて、中四国方面へのツアーは考えていなかった。
大久野島や町並み保存地区の体験ものツアーには興味がある。
→対策として、商品造成までは至らないが、新しい情報などをお知らせすることで、繋いでいければと考える。割と安めのツアーを企画しているようなので、広島線就航次第かと思う。

D社(課題と対策)

広島方面のツアー企画造成は今まであまりなかった。
中四国方面は、フライトの兼ね合いで少ないが今後の課題。
温泉は人気があるが、日本ならではなものが好まれる。
ファームツアーは関心があり、東北方面を販売していてそこそこの人気がある。
→対策として、観光コンテンツのプロモーション(情報発信)の強化。
ファームツアーに興味があるとのことなので、コト消費が可能なコンテンツ開発支援、受入体制の強化などを行うこと。

まとめ

  • タイではまだ広島県とその周辺(中国地方)の魅力が伝わってないところがある。今回のTITFでも鳥取県と竹原市のみの出展で、タイ市場に関しては他地区と比べると力の入れようがまだまだ。近隣自治体と協力して取り組み、バンコクー広島線のフライト再就航が決まれば、スタートダッシュをかけたい。

  • 地理的課題と認知度向上。正直、広島県の地理的な認知度が低く、まずは、存在感をアピール必要がある。それに加えて、竹原市で何ができるのか、何を見ることができるのかなどをしっかりアピールする必要がある。

  • アピールできるコンテンツ開発、受入環境の整備を急ピッチですすめる。Facebookタイ語版のフォロワーが1万に近づきあるため、タイマーケットがより興味を持つコンテンツ開発と情報発信を効果的行うこと。

  • 旅行会社側が必要としている課題の解決を行う。各社狙うところは違うが、2回に渡る現地営業で得た情報をもとに、市内各事業者様と協力して受入環境の整備に取り組みたい。

以上、今回のタイ旅行博に関するまとめとなります。
来年度は本年度以上に効果的な情報発信と実際に来訪いただけるようなコンテンツ開発と環境の整備を重点的に取り組んでいきたいと思います。