JNTO主催「第 2 回高付加価値旅行関係者 国内ネットワーキングイベント(せとうちエリア)」の振り返り
だいぶ時間が経ちましたが、10月23日(水)に東京で開催されましたJNTO主催「第 2 回高付加価値旅行関係者 国内ネットワーキングイベント(せとうちエリア)」について報告したいと思います。
高付加価値旅行者の地方への誘客
JNTOでは、高付加価値旅行の推進を行っており、地方への誘客で、人気の観光都市のオーバーツーリズム対策としても活用されています。ちなみに、高付加価値旅行とは、下記のサイトで紹介されています。
−高付加価値旅行とは
JNTOでは、高付加価値旅行者を「訪日旅行1回あたりの総消費額が1人100万円以上の旅行者」と定義としていて、ただ、高付加価値旅行は、単純に高額消費をすることではないとしています。高付加価値旅行にはどんなものが求められるかというと、これは一般的な旅行と同様に、異文化に浸り、おいしいものを食べ、美しい自然を見るなどしてリラックスすることは大前提としてありつつ、「旅行する意味」がより強く求められる傾向と説明しています。
−利己的と利他的の2つの視点
JNTOでは、「旅行する意味」には、利己的な視点と利他的な視点があり、前者(利己的)は、例えば、旅行することで学びがあったり、自分の内面が豊かになったり、自分が変わる体験・経験だったり、その後の人生の資産になるような経験を旅行者は期待していると案内しています。
もう一つの利他的な視点で見ると、訪問先の環境の改善や、社会・文化の発展に寄与することも重視しているとのことです。
JNTOの解説から導くと、旅行者ひとりが1か所(竹原市)で100万円を消費していただくのがベストですが、現状なかなかそこまでいかないので、複数の訪問先の一つとして選ばれるための受入環境の整備が必要と感じました。
そこで、利己的な部分と利他的な部分で受け入れできるまたは発信できる環境づくりを竹原市で精査とまとめが必要です。また、2つの視点から、誘客ができるコンテンツ開発と造成、そして情報の発信を継続して行う作業を専門家のアドバイスをいただきながら、今後は進めていきたいと思います。
−「第 2 回高付加価値旅行関係者 国内ネットワーキングイベント(せとうちエリア)」について
今回参加させていただきましたネットワーキングイベントですが、そのコンテンツを国内のバイヤー様に紹介させていただく機会でした。詳細
については、トラベルボイスに投稿されていますので、ご覧ください。
ネットワーキングイベントのアンケート結果
今回のワーキングイベントで12社に竹原市の観光についての情報やコンテンツをご紹介する機会をいただきました。1社15分の時間でしたので、十分に説明ができませんでしたが、後日記入いただくアンケートを独自に制作しお願いしたところ、ご回答いただけた事業者様がありましたので、アンケート結果をご紹介したいと思います。
有効回答は6社。取扱市場は、さまざまで、欧米豪の他、中国を含む東アジア、東南アジア圏、メキシコなどでした。
−取扱市場のターゲット層
高付加価値旅行層なので、個人客で、高級ハイエンドでもあり家族旅行が主なターゲットです。団体、MICEや添乗員付き、教育旅行も手掛けている事業者様もありました。
−商品造成で最も重視する項目
項目からひとつだけの選択でしたので、観光コンテンツや体験の内容が最も多かった結果となりました。宿を最も重視される事業者様がいらっしゃらなかったのが一般的な商品造成と異なると感じました。
−今回のプレゼンで興味いただいた件
1社15分の間で、当方から各社へ3つの項目をご案内しました。まずは、ビジュアルで今年制作したPR動画をご覧いただき、竹原市の観光素材が何があるか知っていただきました。2つ目に、現在、広島県観光連盟(HIT)のHYPP事業で連携いただいている「大久野島の光と影をガイドと巡るアイランドツアー」の造成進捗についてご説明しました。3つめが、市内事業者様が訪日インバウンド向けに発売している観光コンテンツ集をご案内しました。
「大久野島の光と影をガイドと巡るアイランドツアー」について最も関心をいただいた項目となりました。
−PR動画で興味をもった観光コンテンツ
こちらでも大久野島が一番人気で、続いて町並み保存地区関連の情報への関心が高かった結果です。
−大久野島の光と影をガイドと巡るアイランドツアーについてお伺いしました。
ひとまず、皆様の関心は高い方かと思いますが、どんなツアー内容になるかまた顧客層へご紹介できるクオリティかどうかまだ未知数なので、今後の展開したいかと思います。
−インクルーシブツーリズムについて
現在、竹原DMOが実施主体で観光庁「地域一体となったインクルーシブツーリズム促進事業」を大久野島への玄関港となる忠海地区で行っていまして、インクルーシブツーリズムへの関心についてお伺いしましたところ、興味の高さを感じた結果となりました。
最後に
まず、今回、普段ではなかなか接することがない訪日インバウンドの最前線にいらっしゃるオペレーターおよびDMC各事業者様にお会いできるチャンスがあり、関係各社様、瀬戸内DMOのご担当者様に御礼申し上げます。
利己的な部分と利他的な部分の2つの視点で、今回、大久野島に大変興味を持っていただいたことは、当方としても大きな収穫となり、利己的視点での学びや内面を豊かにできる機会を創出し訪れた方を笑顔にできる島であることを認識し、もうひとつの利他的な視点としてうさぎとの共存や大久野島での環境保全について深く理解いただき寄与いただける機会としてツアーの造成にも力が入りそうです。
また、並行して観光庁のご支援のもと、忠海地区でのインクルーシブツーリズムの促進を行うことにより、地域の皆様が訪日インバウンド観光客のもつ多様性についても理解を得ていただき、食としてご提供いただくこともすすめていますので、より、訪れる皆様に地域の理解を深める機会を設けていきたいと思っております。最後に、短い時間ではありましたが、竹原DMOのプレゼンを興味深く聞いていただきました参加者の皆様、また、お忙しい中でアンケートにお答えいただきましたこと心より御礼申し上げます。
アドバイスなどご教示とご鞭撻いただき、竹原DMOの活動を引き続きどうぞよろしくお願いいたします。