チームは“相手を想う”ことからはじまる
子どもたちがくれた笑顔が僕自身を変えた
僕には2人の子どもがいる。常に2人の子どもの幸せを願ってはいるが、生まれてすぐの頃、とても不安に感じていたことがあった。
それは、僕自身、心から笑うことが苦手だったことだ。
その理由については割愛するが、「子どもが親の背中を見て育つ」という言葉を聞くたびに、僕の子どもたちが、親(僕)から心からの笑顔を与えられずに育ってしまうことが怖かった。
そこで僕は、上の子が生まれたときに、無理やりにでも笑顔を作ろうと努力をし続けた。
それはまさに、自分が不得意なことに向き合いながら、相手のために行動することだった。
しかし、それを続けているうちに、いつしか笑顔になるということが自分にとって自然な行為になっていった。
今では、下の子に心から爆笑させられるくらいである。
相手のためを思ってやってきたことが、いつのまにか自分の自然な行動になっていく。
・・・与えていたつもりがもらっていたことに気がついた瞬間だった。
そして次第に、僕はこれこそがチームをつくるときに一番大切なことだと思うようになった。
たとえば資本主義社会の中で、お金や名誉や話題性など、そういったつながりではなく、
「相手のために何かしてあげたい」
という想いや、それが「自然と自分のためにもなっていく」という豊かな循環が、これからのチームづくりにとても重要だと考えるようになったのだ。
そして、それをクレイジータンクという組織で実践するように心がけてきた。
メンバーのスキルや経験を一方的に搾取するのではなく、メンバーの人生のために何が良いのかと常に考えること、つまり、“相手を想う”ことに日々取り組んでいるように思う。
その結果、僕は、クレイジータンクという組織を通じて、今まではなかなか感じることができなかった「お互いを心から想い合えるチーム」の力をひしひしと実感している。
まさに子どもたちが僕に与えてくれたことを、クレイジータンクメンバーにも与えてもらったように感じる。
驚きなのは、これが資本主義社会の中でそれぞれ実績を積んでいる大の大人がしているということだ。
お互いが甘え合うということではなく、切磋琢磨し、目標は違えど想いはいっしょだと言い合えるメンバーが、現代のチームに求められるということを、クレイジータンクという組織の実践を通じて、実感するようになった。
クレイジータンクはまだまだ発展途上であるし、まだ何かを成し遂げたわけではない。
ひとつ成し遂げたことがあるとすれば、想いを込めてチームづくりをしてきたこと、そしてそれを通じて、繋がってきた人たちが、確かにいることである。
“想い”をベースにして繋がってきたメンバーだからこそ、何か大きな壁にぶつかっても簡単に離脱したり、やめるようなことはないだろう。
それは家族が離れないこと、離れたとしてもどこかで繋がっているような状態に近いと思う。
みなさんはこの話を聞いた時、「自分にはそんなひとはいない」と思うかもしれない。
しかし、クレイジータンクもはじまってから出逢ったメンバーが多い。
出逢ってからの月日が短くとも、こちらが信念をもって向き合っていれば、その想いに確かに応えてくれる人はたくさんいる。
運もあるかもしれないが、人を信じること、自分の想いを信じること、それさえできれば、すばらしいチームというのをつくることは誰にでもできる。これは断言できる。
僕がそれを断言できることこそがクレイジータンクの実績である。
ずっとこの定期購読で書いてきたことだが、今後、社会は大きく変化する。僕たちも年齢を重ね、社会から求められる人材では無くなっていく。そして世界はより近づいていき、様々な価値観で溢れかえる時代がやってくる。
そのときに、今作り上げている“相手を想う”ことから成るチームがメンバーを支えることになるし、未来を担う僕たちの子どもたちにとって確かな価値として伝えていけるものになるだろう。
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