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土地のポテンシャルを見極めて経済圏を作るお仕事-KURA COCOLONO-
僕は現在、山梨県の「とある場所」にある空き蔵と空き家を利活用したプロジェクトを進めています。プロジェクトメンバーから声をかけてもらいスタートしました。
その空き蔵を体験型のギャラリーとして活用して「KURA COCOLONO」と名付けました。
超過疎地のこの場所では60歳や70歳の方が「若手」と呼ばれるほどの場所で、目に見えて「地域の消滅」の一途を辿っています。
しかし実はこの周辺の土地は自然豊かなおかげもあって経済は元気で、観光地としても今後発展することが見込める場所でもあります。
僕はこれまでお仕事として多くの「地方創生」と呼ばれるプロジェクトに関わってきました。
代表的なプロジェクトは福岡県の天神にあった「大名小学校跡地利活用プロジェクト」です。
現在はFukuoka Growth Nextという形でスタートアップの場所として校舎も活用されています。
外資系の高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」が入る24階建て(110メートル)の高層ビルを核とした複合施設が2022年12月ごろに全面開業する計画だそうです。
今や大名小学校跡地の価値は計り知れないものになっています。
しかし、大名小学校の廃校が決まった当初は駐車場にする計画が進んでいました。でもこの土地のポテンシャルに気づいた山崎基康氏を中心に「大名小学校跡地利活用プロジェクト」が発足し、僕はプロジェクトアドバイザーとして参加しました。
色々なイベントを通してこの場所の重要性を伝えていきました。
校舎が使われる最後の2日間にイベントを開催
福岡県に所縁のある方に授業をしてもらう試み
アーティストによるワークショップ
今後の大名小学校について話し合う場を作る
テレビの取材を受けながらのワークショップ
最後は多くの地域の人や卒業生に見守られながら校舎としての役目を終えた
プロジェクトメンバーによって作られた提言書が行政に提出され、多くの支援者や寄付者などの力によって校舎の存続が決定しました。
当時のクラウドファンディング
このプロジェクトにアドバイザーとして参加の依頼が来た時、この場所のポテンシャルがどこにあるのかの説明を代表である山崎氏から聞きました。
地方創生のお仕事を受ける時に大切にしているのが「目に見えないポテンシャルを見つける」ことです。
大名小学校は天神のど真ん中にあることから不動産価値や校舎が持つ建築的価値は分かりやすいものでしたが、山梨のKURA COCOLONOは一見自然に囲まれた超過疎地にしか見えません。
しかし、すぐ近くに別荘地やホテルといったポテンシャルがあります。
でもKURA COCOLONO近くに「そこでしか体験できないコンテンツ」はあまりありません。
だからその場所に「独自のコンテンツ」を置くことで「独自の経済圏」が動き始めます。
どの場所でもコンテンツを置けば言い訳ではなく、その場所のポテンシャルを見極めた上で「場所のデザインをする」ことで超過疎地であっても生まれ変わらせることが可能です。
今後、どうすることもできない場所は増えてくると思いますが、そうなる前にポテンシャルを引き出すことがとても大切だと考えています。
そしてこれからのデザイナーや建築家はこの「目に見えないポテンシャル」を見抜く力が必要だとも思います。
竹鼻良文
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