ポジションレス化は進むのか
noteを書くようになって約8ヶ月。ありがたいことに多様なお仕事をいただけるようになった。noteユーザーと連携した(非公式)事業を自分で旗揚げもし始めている。
例えば20年前、僕のような建築学科出身の人間が記事を書き、SNSで記事を売るなんかほとんどの人が予想できなかった事実だ。
そして #5分でブツ撮り 記事にも出てきた香川氏のようなアートディレクターやその分野のプロフェッショナルと組んで、ファッションデザインに関わったり、陶芸体験をデザインしたりすることも、本来は建築家らしからぬ仕事だと思われるかもしれない。
事実、建築家の登竜門と言われる35歳以下の若手建築家の展覧会に選出してもらうまで、誰も僕のことを建築家として認めなかった。それまで空間デザインのお仕事を多数やっていてもだ。
写真を見ていただければ分かる通り、僕の展示はアート作品やファッション作品など建築には見えない作品も建築模型と一緒に並んでいる。しかし、これが僕が考えるこれからのアーキテクチャーだし、ポジションレスな世界なのだ。
これは日本独特の習慣なのかは分からないが、
「職業=その人」
のイメージが大切にされる社会において、職種イメージにない仕事は分野内では受け入れられにくい。これは分野に限らずクライアントから見てもそうなのかもしれない。
何ができる人か見えることの安心感が重要なのだ。何か面白いことをやってくれそうよりも。役割分担社会の名残もある。農耕民族だからなのか。
しかし、例えばチームラボのようなテクノロジー集団などがその習慣を壊してきた。色んな業種のプロフェッショナルと手を組み、新しい価値さえ生み出し始めている。
チームラボに限ったことではなく、ツイッター上でも全く異なる業種の人たちが「何かやろう」を号令に仕事づくりを始めている様子が伺える。
たぶんこれから重要なのは自分が得意な分野でポジション取りをしながらポジションレスに仕事をすることなのだと思う。
ポジションを取ったプロフェッショナルたちと手を組みポジションレスな仕事をする。
それが当たり前になる時代が近い。
TAKEHANAKE design studio
竹鼻良文
TAKEHANAKE BRAND