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【MF&FW&監督編】2024鹿島アントラーズ選手別最終通信簿
GK&DF編はこちら
MF
ミロサヴリェヴィッチ
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リーグ:10試合出場
ルヴァン:2試合(2試合先発)出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場
ポポヴィッチのオーダーで開幕から遅れて加入したものの、最後までアントラーズというよりJリーグにフィットしなかった。どこがフィットしなかったのかというと、Jリーグのプレースピード。Jリーグは良くも悪くも速いテンポの中でプレーすることが求められるので、その中でライコはそこに自分が乗っかることができなかった。フィジカル的にもすごく強いわけではないし、局面を変えるパスが出せるわけでもなく、おそらくボールを触りながらリズムを作っていくタイプなんだろうけど、ボランチでもトップ下でも360度から相手の速いプレッシャーに晒されると、そこにアジャストできなかった形だ。練習試合でやっていたセンターバックが一番合っているように感じたが、センターバックだったらライコじゃなくてもいいよね感はある。完全移籍で来ているが、当のポポヴィッチはすでにいないし、来季いても使いどころに困る感は否めない。
三竿健斗
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リーグ:15試合(12試合先発)出場1ゴール
天皇杯:2試合(2試合先発)出場
夏に1年半ぶりに鹿島に帰還。夢だった欧州でのプレーを切り上げて帰ってきてくれたのは、本人のこと考えると良いのか感はあったけど、鹿島的には非常にありがたかった。加入後にすぐにフィットしたあたりは流石。ボランチはもちろん、シーズン終盤は右サイドバックで緊急起用されたが、できることをソツなくこなした。相変わらず球際のバトルに強く、前に出ていく推進力もあったが、ボールの動かし方がイマイチなのもあまり変わっていなかった。ボールの動かし方がイマイチな三竿が組み立てに関わると、良くも悪くも発信力が強いので三竿が中心になって、結果思うようにチームとして機能しなくなるって現象も改めて感じさせた。本人的には色々やりたいし、チームとしても中心選手の扱いなのだが、実は意外とシンプルタスクやらせた方が、双方にとってメリットが大きかったりはする。
土居聖真
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リーグ:11試合(3試合先発)出場
ルヴァン:1試合(1試合先発)出場
ポポヴィッチからの評価は決して低くなかったと思う。ダイレクトプレーを好むポポヴィッチとはプレースタイルに親和性があったし、戦術理解度も高いからだ。開幕スタメンで使われたり、ボランチでの先発起用があったのもその辺の理由があるからだと思う。ただ、今の鹿島はそこまで綺麗に繋げるチームではないのである程度泥臭い仕事も求められるわけで。そうなると、強度の面でどうしても名古や樋口に見劣りしてしまい、そこが出場機会を減らした理由なんだと思う。結果、夏に山形に完全移籍となったが、正当な競争の結果としてまだやれるうちに出ていくのは、チームとしては悪い現象ではなく、土居本人も山形であれだけやれることを示したのだから、結果ハッピーだったのではと思っている。
柴崎岳
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リーグ:22試合(16試合先発)出場3アシスト
ルヴァン:1試合出場
天皇杯:3試合(2試合先発)出場2アシスト
ケガで開幕に間に合わずに、5月に戦線復帰。その後は離脱せずに、主力として戦い抜いた。秋口手前までは中々調子が上がらなかったが、それ以降はキック精度が上がりだし、持ち前のパスセンスが活きるように。相変わらずボールの質が高いし、相手が予測していないようなパスコースを見つけてそこに出していってチャンスを作るのは、柴崎岳らしいなと思わせてくれた。ただ、やはりベテランになってきたなと思わせるのは、3列目からの飛び出しのような活動量を求められるプレーが減ってきたこと。昔はアップテンポの中でも質を落とさないのが柴崎の良さだったが、今はどちらかというとスローなテンポで活きる選手になってきている。まあ、その分ポジショニングとかでミスがなくなったので、守備時とかはスペース埋めてくれてるんだけど。全体的なプレーの質はまだまだ高いので、突飛なスタイルでない限り、来季も主力として稼働してくれそう。健康体な中で柴崎もレギュラーが保証されずに、ポジション争いができるくらいだと、チームとしては健全な状態だと思う。
樋口雄太
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リーグ:36試合(18試合先発)出場4ゴール3アシスト
ルヴァン:2試合(1試合先発)出場1アシスト
天皇杯:4試合(3試合先発)出場1アシスト
昨季のアシスト王は中々調子が上がらなかった。そもそもアシストを量産しまくったプレースキックの精度が落ちた。それがボールのせいなのか、何が原因なのかはわからないけど。そんな中でポポヴィッチがボランチにはボール奪取力、2列目のサイドにはボールキープ力を求めるようになったことで、序列が低下していった。それでもレギュラーを取り返したのは、シンプルに調子が上がり出したのもそうだが、ポポヴィッチが求め続けていた「逆サイドにボールがある時に、パワーを持ってゴール前に飛び込む」というプレーを一番しっかりできていたのが樋口だったから、という理由が大きいように思う。アウェイ新潟戦はWBでのプレーだったが、実に素晴らしかった。来季は監督がどんなタイプを求めるかによって、どこでプレーするのか、レギュラーを掴めるのかが変わってきそうだが、シーズン終盤に見せた得点力や裏への意識を発揮できれば、普通に主力になっていそう。
藤井智也
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リーグ:25試合(6試合先発)出場2ゴール1アシスト
天皇杯:3試合(2試合先発)出場1ゴール
不器用なヤツだなとは思う。基本的にプレースタイルは大外に張って仕掛けるの一本勝負。ホーム新潟戦のような一発もあるけど、基本的にクロスもシュートも精度は高くない。それでも、ポポヴィッチが攻撃の駒として使い続けたのは、自分のできることはしっかりやって、愚直に勝負し続ける姿を評価したからだろう。守備のプレスの掛け方は正直かなりお粗末だが、それでもポポヴィッチに怒られ続けたおかげか、逆サイドからのボールに大外から飛び込む動きはサボらなくなった。ホーム札幌戦のゴールはそのご褒美だろう。それでも、サイドアタッカーとしての数字はかなり寂しいし、藤井みたいなプレイヤーの数字が上がってこないと、チームの成績も上がってこない。つまり、藤井が結果をもっと残すか、それか藤井以外に結果を残せるサイドアタッカーを連れてくるかの来季は2択になるだろう。生き残りを賭けた戦いは続く。
ターレス・ブレーネル
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リーグ:8試合(1試合先発)出場
天皇杯:1試合出場
夏に加入したブラジル人。優勝へのラストピース!とはいかなかった。基本的に上手い選手だとは思う。狭いスペースでも苦にせず前を向けるし、技術のレベルも高い。中盤と前線を繋ぐリンクマンとしては優秀だと思う。ただ、攻守共に決定的にパワーが足りないと思う。シュートを打つのも、クロスを上げるのも、なんならクリアボールを蹴るのも、体勢が整わないと強いボールを蹴ることができないのだ。そして、ターレスは体勢を整えてから蹴ろうとするので、その間に相手に寄せられてしまい、狙い通りにはいかない。その点が最後まで評価がイマイチ上がらなかった要因の一つだろう。守備も結構適当な部分もあったりしたし、正直助っ人の枠を使うに値するかと言われると、かなり微妙なラインだと思う。4-3-3のインサイドハーフとかだと面白そうだけど、ターレスのために布陣を変えるメリットもあまり強くないし、来季いるかどうか、いたとて主力になるかと言われると、怪しいところである。
佐野海舟
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リーグ:20試合(20試合先発)出場2アシスト
ルヴァン:2試合(2試合先発)出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場
アジアカップで合流が遅れたが、開幕からしっかり試合に出続けた。ボール奪取力は相変わらずで、奪ってからの推進力は昨季以上のものがあった。組み立てにおける貢献度の低さは最後まで課題だったが、GW手前からチームの成績が上向き出したのは、チームとして知念と佐野海舟のボール奪取力をどう活かすかに守備構成をシフトチェンジしたから。ある程度ソリッドな形にしておけば、多少怪しいズレがあっても、全部2人がボールを回収してくれる!ってやり方は個の力への依存と言われればそれまでだが、効果としては凄まじかった。アウェイ広島戦のアシストは素晴らしく、あれを現地で観ていた時にもう日本でやることないなと思っていたら、夏にドイツに旅立っていった。今やブンデスでレギュラーである。タイミングが合えば代表復帰も叶いそうだし、次のW杯でぜひお目に掛かりたい。
須藤直輝
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出場なし
シーズン終盤にベンチ入りする機会はあったが、結局鹿島に帰ってきてから2年連続でリーグ戦出場はなし。いよいよプロとして危うくなってきた。今季は人数不足の影響もあり、ずっとサイドバックで使われていたのも、本人としては不本意だったが、そこでもしっかりプレーはしていたし、大分自分から周りへの発信力も高まってきた。「須藤は頑張っている!」っていうのはその辺の評価されてるんだろうと思ったけど、ただJ1で試合に出るだけではそれでは足りない。須藤の場合、そこから評価されて本職のサイドアタッカーで出た時に、巡ってきた攻撃のチャンスで成果を残せないシーンが練習試合を観ていると目立ってしまっていた。一生懸命頑張るけど、チームにプラスアルファをもたらせるわけではない。そこが須藤の現状だと思う。来季は高卒5年目。大卒ルーキーが入ってくるわけだが、J1出場ゼロだと彼らに対して明確なアドバンテージがあるわけではない。正直、鹿島だとしんどいと思うが、この状態の選手を使ってみたいと思うクラブがあるか…?という部分は否めない。
松村優太
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リーグ:7試合出場
ルヴァン:2試合(2試合先発)出場
藤井が自分のやれることを愚直にやり続けたのとは対照的に、松村は最後まで迷子だったし、やれることより自分のやりたいことを優先させていた。そこがポポヴィッチの評価の差だろう。オフザボールではどんどん前に、オンザボールでは少ないタッチで前に、守備ではアグレッシブに上下動というのが求められていたが、松村はオフザボールは結構適当、ボール持ったらドリブルで仕掛けたい、守備は迷子と、全てにおいて今季はミスマッチだった。別に結果が残せるなら、自分のやりたいことを優先させてもいいのだが、今の松村の実績でそれが聞き入れてもらえる監督の方が少ないだろう。夏場に東京Vへと武者修行していったが、WBだとキツいだろうなと思っていたら、やはりジョーカーの枠から抜け出せず、結果も出せなかった。たぶん今の姿勢のままだと、鹿島に戻っても、ヴェルディに居続けても活躍できるかは怪しい。考え方を変える必要があるように思う。
名古新太郎
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リーグ:36試合(29試合先発)出場5ゴール10アシスト
ルヴァン:1試合出場
天皇杯:4試合(1試合先発)出場
開幕前はボランチの控えだったが、直訴したトップ下起用でのチャンスを見事にモノにして、好調時の原動力となった。運動量の多さとテクニカルなスキルの高さで、ピッチのあらゆる局面で顔を出して、味方の選択肢を増やすプレーは実に優秀だった。身体を張ることを厭わない姿勢もポポヴィッチとしては、好印象だったはず。プレースキックの精度も高く、アシストは2ケタにまで到達した。ただ、訪れたチャンスを考えると、5ゴールはかなり物足りない。事実、名古がチャンスを決めていれば勝てたのに…、という試合は片手で足りないくらいあった。中後体制で出番が減ったのはその辺も影響しているはず。プレースタイル的にサイドで使って良さが活きるか?と言われると怪しかったりするので、来季もトップ下かボランチで勝負した方が良さそう。ただ、トップ下はポジションが用意されるかわからないし、そこのポジションは得点力が求められると思うので、今季より出番が減る可能性は現実的にあり得ると思っている。
仲間隼斗
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リーグ:28試合(25試合先発)出場4ゴール
ルヴァン:1試合出場
天皇杯:2試合(1試合先発)出場1ゴール
今季も仲間に助けられたシーズンだったし、裏を返せば仲間を使い続けなければならないチームだったということになってしまった。基本的にサボらないし、身体を張ってキープすることも、プレスバックも忠実にやってくれる。ポジションを動かしても器用にできるし、いてくれると非常に助かる選手である。ただ、プレーが基本的に後ろ向きなのと、細かい技術的なスキルは物足りないし、独力でなんとかできるほど強い選手でもない。仲間みたいな献身性を持った上で、さらに個の力でプラスアルファをもたらせる選手がいると、チームはもっと強くなれるのだが、そうした選手は今季も現れなかったのは残念である。仲間自身は何も悪くないけど、チームとしては上を目指すなら、仲間を超える存在が出てきてほしいところ。ただ、色々言ったものの、開幕戦だったり、負けなしのスタートとなったアウェイG大阪戦のようなキーになる試合で今季ゴールを決めたのは仲間隼斗だった。そういう意味では素晴らしいパフォーマンスだった。拍手。
舩橋佑
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リーグ:4試合出場
天皇杯:2試合出場1アシスト
舩橋に関しては毎年言っていることが変わらない気がする。発信力が弱すぎるのだ。しっかり走れるし、戦えるし、ボールスキルも高い。それなのに使われないのは、チームが追い込まれている時、局面を変えたい時、そうした時に舩橋が流れを変えようと顔を出してこないからなのだ。チームが良い時はその流れに乗っていけるけど、悪い時は一緒に沈んでしまう。そうしたプレイヤーをチームの軸であるボランチで使うのは中々に難しい。なんだかんだでプロ4年目が終わったが、ポテンシャルから考えれば、明らかに試合に出られていない。課題解決のために、他所に出番を求めるのもアリな気がする。もっとやれるはずだ。
ギリェルメ・パレジ
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リーグ:12試合(1試合先発)出場
ルヴァン:2試合(2試合先発)出場
天皇杯:2試合(2試合先発)出場
外国籍選手では唯一シーズン始動から合流しており、出だしは悪くなかったが、最後までインパクトを残せなかった。献身性は光っていたが、問題だったのはプレー選択がチームの脈絡と関係ない優先順位になっていたこと。たぶん、フィニッシュで自分の良さが活きると思っているのだろう、基本的にゴールに直結するような動き出ししかしないのだ。鹿島の2列目はプレスバックしたり、ボールを引き出してキープしたりと、やってほしいことは色々あったのに、それらを全て無視してシュートを打てる姿勢を整えておくからパスをくれ!というのは、中々に難しい。パレジにお膳立てしてパスを出して、本当に点取ってくれるのか?というのが信頼し切れていない状況下で、そのプレー選択が有効とは言えない部分があった。そのあたりが、序列が上がらなかった要因だろう。ケガもあって、シーズン終盤はフェードアウト。このまま退団が確実であるが、致し方ないだろう。
FW
チャヴリッチ
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リーグ:25試合(11試合先発)出場7ゴール3アシスト
ルヴァン:1試合出場
天皇杯:2試合(2試合先発)出場2ゴール
最低限の責任感を持った俺様タイプのストライカー、それがチャヴリッチの印象だ。基本的にプレーは点を取りたいがためにやっている。ただ、サボることは気が引けるので、守備もポストプレーも最低限はちゃんとやろうとする。全体的な能力値が高いので、最低限やっているプレーも地味に貢献度は低くないのが面白いところだが。初速は速くないが、最高速はJリーグでもトップクラスだし、あとはゴール前のポジショニングが上手いので、なるほど点を取れるプレイヤーだな、という感じはする。ただ、一方でそんなに器用ではないし、何より体力面に課題があるので、そんなに長い時間稼働ができない。そこがチャヴリッチの厄介なところである。中断期間前まではなんだかんだ稼働していたが、ケガで一気にフェードアウトしてしまったのは、チームにとっては最大の誤算だった。チャヴリッチみたいな選手を軸にせず、アタッカーの一枠として使えると強かったりするので、残って欲しい部分ではあるのだが、ポポヴィッチもいないし、新たにチャヴリッチ用の通訳を雇う気配もないので、残るかどうかは結構怪しい。
田川亨介
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リーグ:3試合出場
天皇杯:1試合(1試合先発)出場
夏場の補強の目玉だったはずだった。前を向いた時の推進力は高く、スペース目掛けてゴールに突き進んでいく姿には期待感があったが、とにもかくにもケガが多く、あまりにも稼働しなかった。田川もチャヴリッチもロクに使えないというのはポポヴィッチにとっても中後さんにとっても、悩ましかったはず。来季はまずちゃんと健康に稼働しましょうってところが目標になってくる。これまでの感じだと、本人的にはCFで勝負したそうだが、決定力があまり高くないので、器用さを期待せずにサイドで起用するというのがあるあるになっているし、来季もそうなりそうな感じはする。理想はCFでゴール取ってくれることなんだけど。
知念慶
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リーグ:33試合(33試合先発)出場3ゴール2アシスト
ルヴァン:1試合出場1ゴール
天皇杯:3試合(3試合先発)出場
FW登録なのでこの位置で書いているのだが、それ自体がもはやおかしいことになってしまった。それくらい「ボラン知念」はハマった。いや、もう鹿島には欠かせないし、知念がボランチじゃなかったらと考えると、もはや恐ろしい。今季のチームMVPは間違いなくこの人です。良いところは説明不要だろう。問答無用でデュエルが強い。地上戦、空中戦どっちも強いし、身体に無理が効くので、多少バランス崩してもボールを奪える力があるのは、ものすごく優秀だった。最初はポジショニングにも苦心していたし、ボールの運び方にも苦労していたが、試合を重ねるごとに良くなっていったのも、見ていて面白かった。秋口以降はデュエルに強いだけでなく、3列目から飛び出してストライカーとしての得点感覚を発揮するという新たな武器を開拓。シーズン通じて、凄まじい成長曲線だった。こうなったら怖いのは、身体能力の高さ故の故障くらいだろう。来季、鬼木さんの下でもボールを刈りまくって欲しい。
師岡柊生
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リーグ:32試合(25試合先発)出場3ゴール2アシスト
ルヴァン:2試合(1試合先発)出場
天皇杯:3試合(2試合先発)出場
GW頃からの好調期にスタメンのチャンスを掴むと、そこから一気に主力に定着した。サイドアタッカーとしてはボールキープ力の高さと、独特なテンポのドリブルでの突破で貢献し、中後体制ではCFに固定されると、ポストプレーの上手さで一気に欠かせない存在となった。師岡のところでボールが収まるということで、攻撃の課題の7割くらいを解決できたのは、チームの成績を落とさない上で実に大きかった。問題は紛れもなく、決定力。サイドでもCFでもとにかくシュートが入らなかった。ファーストタッチが上手くないのと、プレー選択が正直すぎるので、相手にとっては勝手に追い込まれて読みやすいところに打ってくれるので、怖さはあまりないだろう。献身性の高さではチームトップレベルではあるが、彼のポジション的に成績を左右するのは数字の面なので、そこが物足りない、他の面々でカバーできないとなれば、すぐにでも外されてしまうリスクはある。来季は地味に正念場だ。
垣田裕暉
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リーグ:4試合出場
ルヴァン:2試合(1試合先発)出場
開幕から中々チャンスが訪れず、プレータイムを伸ばせなかった。ターゲットとしては優秀だが、ボールを引き出したり、周りと連動したり、みたいな器用さはあまりないので、その辺で頑張ろうとして空回りしている感は否めなかった。とはいえ、ゴール前で電柱役になっても、そこまで決定力が高くないし、無理やりゴールを決められる力があるわけじゃないので、ただ張っていることのメリットを訴えにくい部分もあった。夏場に柏に移籍したが、そこでも最初のチャンスでイマイチ結果を残せないでいると、終盤の残留争いではベンチを温めたので、本質的な課題は鹿島時代と変わっていない。希望があるとするなら、来季の柏の監督は恩師リカルド・ロドリゲスであること。しっかりお膳立てしてくれればゴールが取れることは徳島時代に証明しているので、復活に期待したい。
鈴木優磨
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リーグ:36試合(34試合先発)出場15ゴール9アシスト
ルヴァン:2試合出場
天皇杯:4試合(1試合先発)出場1ゴール1アシスト
色々あったが、数字面としてはエースにふさわしい活躍ぶりだった。ゴールの中でPKの割合が多いから流れの中から決めてないじゃないか!みたいな意見は、どんな点でも点は点の派閥なのであまりに気にしなくていいと思っている派です。むしろ、PK決められるようになったんだからいいじゃん。相変わらず、攻撃面であらゆるスキルが高いし、チームの顔と言うべき存在感もある。優磨に依存しないチームだとか、優磨がチャンスメイクやってるのはどうなの?みたいな部分もあるけど、本人的に今のプレースタイルが一番良いと思っているみたいだし、それを変える気もなさそうなので、優磨がボールを収めて、チャンスメイクして、ゴールも奪うのは来季も変わらないはず。それが嫌なら監督が無理やりタスクを限定するしかないかと。
徳田誉
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リーグ:12試合出場1ゴール
天皇杯:2試合出場
シーズン終盤は普通にスーパーサブになっていた高校生ストライカー。正直、課題はいっぱいある。自分の型にハメられないとプレーの質が一気に落ちるし、できることはそんなに多くない。それでもホーム広島戦で見せたようなゴラッソがあるように、ポテンシャルとしては間違いなく高いものを持っている。だからこそ、本当はもっとユースの試合に出してプレータイムを伸ばして欲しかったのだが、トップチームの事情でそうもいかなくなってしまったのは、徳田にとっては申し訳なかったなと。普通の高校3年生より明らかに試合に出られなかった一年なので、そこの差がどこかで出てくる可能性はある。来季、夏場までに出番が限られているようなら、レンタルに出してもいいかもしれない。もっと試合に出してあげて、そこで伸ばしてあげたい選手だ。
吉田湊海
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出場なし
シーズン半ばに2種登録されたユースの1年生エース。ボランチもこなせるが、FWで勝負した方が良さそうだ。印象としては「サッカーの上手い選手」だな、と。ユースの中でも小柄な方だが、身体の使い方が上手くどうやったらボールが収まるか、前を向けるのか、ファウルをもらえるのかが本質的にわかっているようなプレーぶりを見せてくれる。また、得点感覚も素晴らしく、勝負どころでの集中力はまさにエースと呼ぶに相応しい存在だ。来季もユースメインになりそうだが、フィジカル的に成長していればどこかでトップチームに呼ばれてもおかしくなさそう。早めに海外に行きそうなので、今見ておきたい逸材だ。
監督
ランコ・ポポヴィッチ
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リーグ:32試合15勝8分9敗52得点39失点
ルヴァン:3回戦敗退
天皇杯:準々決勝敗退
トータルで見ると、良い部分も悪い部分もポポヴィッチらしかったな、と。主力を固定して短期的にチームを作り上げ、アグレッシブなスタイルを落とし込んでいったのは見事だったし、選手構成からしてみれば優勝争いに絡む手前まで導いたのは期待値通りだった。一方で、選手固定の弊害も起こっていたし、柔軟さを欠いた部分もあったし、采配は明らかに勝負師のそれではなかった。ただ、そんなのポポヴィッチを呼んだ時点でわかっていたことじゃんというのはあるので、なんか思ってたんと違うんですけど!っていうのはちょっとおかしくないか、と。そこんところを無視して、ポポヴィッチと彼を呼んだ吉岡さんに全ての責任を押し付けている今の流れは、決して健全とは言えないと思う。わかっていたのにこうなったのは、今クラブに残っている人たちにも責任はあるよね?、と思っている。色々言ったが、面白い人ではあったし、何より濃野を使い続けたことと、「ボラン知念」を発掘したのはこの人の最大の置き土産だと思う。ブラボー。
中後雅喜
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リーグ:6試合3勝3分8得点2失点
今季から鹿島に復帰し、自身のキャリアでも初めてのトップチームのコーチを務めることに。それだけでなく、シーズン終盤には監督まで務めることになったのだから、中後さんにとっては激動のシーズンだっただろう。監督としては冷静な姿を崩さず、最初は綺麗なサッカーをやろうとしていたが、思ったような成果が出せないと気づいた段階で、現実路線に切り替えて一定の結果を出したのは見事。やれることは限られていたが、戦略性で様々な工夫を見せて、結果的に負けなしでシーズンを終えた。監督としての経験値は足りない部分もあるし、名将と呼べるレベルでもまだないが、その素質はありそうな感じだった。来季はコーチに戻って、鬼木さんを支えることに。腰を据えて学ぶことはいっぱいあるはず。結構貴重な人材だと思うので、クラブとして長期的な目線を持って大事にしていきたい。
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