運任せにも程がある手札破壊! 狂気の暗示を発掘!【MTGイニシエカード発掘隊】
やあみんな、武えのきだ。
今日はオデッセイから1枚紹介したいと思う。
オデッセイは2001年に発売されたエキスパンションだ。オデッセイは墓地をテーマにしていて、スレッショルドやフラッシュバックが初登場している。墓地を利用するデッキが好きな僕としてはカードギャラリーを眺めるだけで楽しいエキスパンションだね。レガシーの青黒リアニメイトで大暴れ中の納墓が初めて収録されたのもこのセットだ。墓地に特化したオデッセイらしいカードと言えるね。
ただ、残念ながら今日紹介するのは墓地に関係するカードじゃない。レアであるにも関わらず全く有効な使い道が思いつかないハンデス、狂気の暗示だ。ネタ探しのためにオデッセイのカードギャラリーをだらだら眺めていてあまりの弱さに思わず手が止まったくらいのカードなので覚悟してほしい。
このカードの効果をざっくり説明すると「対象プレイヤーはハンドを公開し、ハンド内で重複している土地以外のカードをすべて捨てる」ということだ。
具体的に例示してみよう。例えば以下のようなハンドを考える。
致命的な一押し(2枚)
鏡割りの寓話(2枚)
血の墓所(2枚)
このケースだとハンド内で致命的な一押しと鏡割りの寓話がそれぞれ重複しているので、狂気の暗示によって捨てさせることができる。3マナで4枚、それもスペルばかり捨てさせられるのは破格だと言えるね。
上の例だけ見るとすごく強いハンデスのように見える。あえてそういうケースを作ったから当然だね。
でも実際にはこんなにうまく運ぶことは少ない。ハンド内で複数のカードが重複している状況はそこまで多くないからね。どちらかといえば、以下のようにカードが散らばっているハンドの方が多いと思う。
致命的な一押し
鏡割りの寓話
黙示録、シェオルドレッド
血の墓所
こういうハンドの場合、狂気の暗示は全く何もしない。ただただ3マナ払っておしまいだ。狂気の暗示が弱いのはまさにここにある。機能するかどうかが完全に対戦相手のハンドに依存していて、なおかつ多くの場合テンポロスだけして終わる。多くの黒の3マナハンデスは確定で2枚捨てさせられるので、あえてこのカードを使う理由は全くないと言えるね。
強迫のようなカードでまず相手のハンドを確認して、重複しているカードが有った場合だけ狂気の暗示を撃つ、というプレイは一応可能ではある。そうすれば、少なくとも狂気の暗示を撃ったことによってテンポロスしてしまうという状況は防げる。ただ、テンポロスしていないというだけで狂気の暗示は手札に残り続けるので、結局不要牌を抱えてプレイするという不利な状況は変わらない。さらに狂気の暗示がこちらのハンドで重複した日にはもう最悪だね。対戦相手の狂気の暗示で抜いて欲しいくらいだ。もちろん、狂気の暗示を採用しているプレイヤーが偶然マッチするという奇跡が起こるはずも無いから、その願いが叶うことは無いだろうね。
あまりにも使いどころが無いので、このカード弱すぎるという理由で逆に有名なんじゃないかと思って調べてみるとやっぱりThe 100 Worst Magic: The Gathering Cards Of All Time(歴代マジックの弱いカード100選)に選出されていた。しかも9位という高順位。黒のカードでは最高位だ。リンクを貼っておくので、興味のある人はぜひ原文に当たってほしい。
というわけで、今日はあまりにも運任せな手札破壊スペル、狂気の暗示を紹介させてもらったよ。上振れして猛威を振るう可能性が有ることは事実なんだけど、まあレアケース過ぎてほぼ無視できるよね。これからもカード発掘は続けていくつもりだけど、これより酷い手札破壊に出くわすことはおそらくないだろうなあと思う。
それじゃあ、また。