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Magic: The Gathering パイオニアマスターズ私的注目カードレビュー 黒編

序文

やあみんな、武えのきだ。

今回はパイオニアマスターズから黒のカードをレビューしていくよ。パイオニアマスターズ全体に言えることなんだけど、黒のカードも、優秀なんだけどもう一声足りない、みたいなカードが多い印象だね。まあエクスプローラーのカードプールをパイオニアに近づけるのが目的のセットだから、こうなるのも仕方がないのかもしれない。

それでは始めていこう。

目次


カードレビュー

《アンデッドの大臣、シディシ》(構築:★★ リミテッド:★★★★★)

アンデッドにも大臣とかあるんだ

スタッツはそこそこ良いし、クリーチャーを濫用した時に一番欲しい一枚をライブラリから探せるのも強いんだけど、いざ出す時に濫用するためのクリーチャーが戦場に居ないみたいなことは全然ありそうなんだよね。生け贄シナジー前提の構築になりそうで、そうなると採用できるデッキが限られてくるのかな? という気がする。

リミテッドでは殴れなくなった2マナクリーチャーとかが戦場に残ってることはよくあるから、《アンデッドの大臣、シディシ》も強く使えるんじゃないかな。4/6接死のスタッツもリミテッドなら頼りになるしね。

《エレボスの指図》(構築:★★ リミテッド:★★★★)

なんでそんな酷いことするの!

生け贄シナジーのあるデッキなら強く使えそうなんだけど、候補となるゴルガリフードやラクドスサクリファイスにはもうスロットが空いて無いと思うんだよね。5マナって重さもネックだし、効かないデッキには全然効かないしで、手放しで採用できるカードではないかな。

リミテッドなら大体クリーチャー戦になるし、不利な戦場でも1対1交換にもちこめるから強いかな。ただ、単独では強くないカードなので星5にはしなかった。

《エレボスの鞭》(構築:★★ リミテッド:★★★★★)

全体絆魂付与はリミテでヤバすぎるって……

先に紹介した《アンデッドの大臣、シディシ》《エレボスの指図》とシナジーがあるカードだね。最近のパイオニアでは見かけないけど、ひょっとしたらそれらを使ったデッキが存在したりするのかな? とはいえ、システムが動き出すのが4マナとなると、ちょっと今のパイオニアでは遅いのかなーと思っちゃうね。

リミテッドではクリーチャーに絆魂付ける常在型能力がまず凄く強いね。出されただけでライフレースがぶっ壊れると思う。常在型能力だけを目当てに採用しても良いレベルじゃないかな。起動型能力も起動できる機会は多いだろうしね。

《ザスリッドの屍術師》(構築:★ リミテッド:★★★)

フレーバーは良いんだけどね

構築ではちょっと力不足な気がするカードだね。このカードが真価を発揮するためにはデッキに人間を沢山入れる必要があるんだけど、どの程度人間に寄せた構築にするのかの塩梅が難しいと思う。ゾンビが強くなるわけでもないし、継戦能力は高いけど火力が思うように上がらなくて、結局差し切られるような展開が多くなりそうだ。

リミテッドでもマナレシオの低さは気になるけど、死亡時誘発でゾンビが出るから1対2交換になりやすいし、人間が多く取れていると戦線を維持しやすいから意外とやるんじゃないかな。

《リリアナの誓い》(構築:★ リミテッド:★★)

ちょっと澄ました感じの手のかざし方が良いよね

構築でもリミテッドでも使われないと思うけど、イラストが好きなので取り上げました。なにか? このイラストのリリアナのポーズ好きなんだよね。

構築で使うとしたら《予言された壊滅》デッキで、相手クリーチャーを除去しつつ生け贄のタネにするような使い方が良いのかな? でも、布告除去が3マナはちょっと重い感じがあるし、やっぱり難しそうだね。

リミテッドでも、3マナの布告除去はそんなに強くなさそうだ。《魂の粉砕》みたいに一番マナコストが重いクリーチャーかプレインズウォーカーみたいな生け贄制限があれば3マナでもいいんだけどそれもないし、一番弱いクリーチャーが生け贄に差し出されるような冴えない展開になることが多いと思う。

《リリアナ・ヴェス》(構築:★ リミテッド:★★★★)

ホントにさっきと同じ人ですか……?

なんというか壮絶な風貌のリリアナだね。《リリアナの誓い》のお嬢様な雰囲気どこいった?

5マナのプレインズウォーカーとしては出た時に戦場に触れないし、アドバンテージも得られないのが痛いね。厳密には+1能力で相手のカードを捨てられるから相対的なアドバンデージは取れるんだけど、このカードが出るころには相手の手札もそんなに残ってない展開になることが多いと思うんだよね。-2能力のサーチも強いと言えば強いんだけど、手札に入るわけじゃなくてライブラリトップに置くだけだからテンポ悪いんだよね。構築でやってる場合じゃない気がする。

とはいえ、リミテッドではもちろん強いね。リミテッドはカードの強弱の振れ幅が大きいから、-2能力でデッキの一番強いカードを持ってこれるだけで十分嬉しいと思う。

《最悪の恐怖》(構築:★ リミテッド:★★)

中央で槍構えてる人視点ね?
そりゃ最悪の恐怖だわ!

相手のコントロールを得られる能力は状況によっては盤面をボロボロにできることもあると思うんだけど、意外と大した結果にならないこともありそうであんまり大きな期待はできないカードな気がする。運よく除去がハンドにあればいいんだけどね。

リミテッドでもちょっとどうかなあ。チャンプアタックを強制するくらいしかできないケースは多発しそうだから、あんまり使いたくないね。なによりマナコストが重過ぎるしね。

《来世の警告》(構築:★★★★★ リミテッド:★★)

フードからわずかにのぞく冷たい目に痺れる!

ロータスコンボで《出現の根本原理》で選ぶ3枚の内の1枚だね。今でも現役で使われているカードだから、エクスプローラーでも使われることは間違いない。

マナコストが重いからリミテッドでは手放しで採用できるカードじゃ無いけど、デッキから最強の3枚を手札に入れられるのは強いから、強いレアが複数取れている場合は採用の余地がありそうだ。

《死者の神、エレボス》(構築:★★ リミテッド:★★★★★)

見た目は意外と優男じゃない?

クリーチャー化できれば4マナ5/7で文句のつけようのないスタッツだし、起動型能力でカードを引けるのも強い。黒単信心とかで使われるのかな? 最近めっきり見なくなったアーキタイプだけど、トーナメントでは力不足なだけでMTGアリーナのランクマッチならそこそこやれるかもしれない。

サイクル中ではリミテッドで一番強いと思う。ライフ2点ルーズは痛いけど、2マナでカードが引けるのは破格だからね。黒がやや薄くても採用してもよさそうなくらいのカードだね。

《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》(構築:★★ リミテッド:★★★★★)

「ニューカペナの街角」で知ったからスーツ着てないの違和感がある

アドバンデージも得られるし、盤面にも触れる優秀なプレインズウォーカーだね。5マナのプレインズウォーカーとして十分な強さだと思う。ただ、今のパイオニア・エクスプローラーで5マナ払ってこれ出してる暇があるかと言われると……どっちかといえばスタンダードレベルのカードかなという気がしてしまうね。

リミテッドでは見かけた瞬間色変えを検討して良いレベルの文句なしのボムレアじゃないかな。

《生命散らしのゾンビ》(構築:★★★ リミテッド:★★★)

色対策カードとしてはインパクトが薄い

(2024/12/05追記:文中で「3/1威迫」と書いておりますが、「3/1威嚇」の誤りでした。威嚇は「アーティファクト・クリーチャーかそれと共通の色を持つクリーチャー以外にはブロックされない」能力です。つまり、威迫とは全く異なります。この追記をもって訂正と致します)

弱くは無いと思うんだけど、いまいち地味なカードだね。相手が緑か白じゃないと普通くらいのクリーチャーなんだけど、サイドカードにこのカードのために枠を取れるかというと……。とはいえ、緑大主を使うデッキが環境に増えれば出番はあるかもしれないので、構築評価は星3としておいた。アトラクサも抜けるしね。黒シンボルが濃いから黒単信心で使う手もありそうだけど、ちょっとスタッツが物足らないからメイン採用は止めた方が良さそうな気がする。

リミテッドでは3/1威迫がそこそこ強いね。クリーチャーが抜けたらアドバンテージも得られるし、早めに取ってもいいかも。

《異端の癒し手、リリアナ//反抗する屍術師、リリアナ》(構築:★★ リミテッド:★★★★)

白い服のリリアナは貴重……っていうか唯一では?
あら、良いですね

プレインズウォーカーに変身する条件が緩いとはいえ、3マナのカードとしてはインパクトが足らないかな。3マナ2/3絆魂が戦闘に参加できるような環境じゃないし、プレインズウォーカー面も相手のクリーチャーに干渉できないのがちょっとね。同じ3マナなら《ヴェールのリリアナ》を優先したいなという気がする。弱くは無いんだけど、ちょっと悠長かなという評価だね。

リミテッドでは2/3絆魂がそれなりに強いし、墓地からクリーチャーを釣って戦線を維持できるのも嬉しい。黒をやる理由になるカードだと思う。

《苦い真理》(構築:★★ リミテッド:★★)

ちゃんと上に戻れる?

最大で3マナで3ドローできるんだけど、ライフも3点ルーズするしソーサリーだからこれ撃ってる暇有るのかなあと思ってしまうね。今の黒なら《不浄な別室》あたりの方が優先されそうだね。

リミテッドでは3色出すのが難しかったりするから、3マナ2ドロー2点ルーズのソーサリーとして運用することが多いと思う。そう考えると微妙だよね。

《闇の誓願》(構築:★★★★★ リミテッド:★★)

これでロータスコンボ3人衆が揃いましたね!

《来世の警告》同様、ロータスコンボの《出現の根本原理》で選ばれる3枚のうちの1枚だね。もちろん、構築で使われるカードだね。

リミテッドでも魔巧達成は難しくないだろうけど、やっぱりチューター系のカードはテンポが悪くなるから基本的には採用しない寄りのカードだね。絶対引きたいカードがデッキにある場合に使う感じかな。

《闇の領域のリリアナ》(構築:★ リミテッド:★★★)

急に髪伸びすぎではないかと僕の中で話題

確実にアドバンテージが得られるとはいえ、+1能力がちょっと弱いよね~。土地を伸ばしたいデッキなら強く使えるのかな? 《ヴェールのリリアナ》の+1能力で捨てる用のカードを拾ってこれると考えたら強いかもだけど、4マナのプレインズウォーカーとしてはちょっとどころじゃなく物足りないね。-6能力もちょっと使いどころが難しいよね。そんなにマナ出してどうすんの? と思うね。

リミテッドでも見た瞬間取るような感じじゃないね。何度か-X能力を使えれば強いんだろうけど初期忠誠度が3しかないから実際には4マナの除去として使わざるを得ないことがありそうだ。更地に着地させられれば強いとは思うんだけどね。

《魂剥ぎ》(構築:★★ リミテッド:★★)

なんか急にアジアっぽいやつきたな

探査でキーワード能力持ちクリーチャーを複数追放出来たら最強クリーチャーが爆誕するんだけど、じゃあそのための仕込みどうすんの? ってなるよね。《縫い師の供給者》とか《忌まわしい回収》で墓地を肥やすにしても、そのパッケージ使うんならパルへリオンデッキの方がスムーズに勝てるしね。ちょっとどんなデッキで使うのかわかんないな。

リミテッドでもキーワード能力の付与はあんまりあてにしない方が良さそうな気がする。ちょっと早めに出て来る4/4くらいの気持ちで使う方が良いんじゃないかな。

《黄金牙、タシグル》(構築:★★ リミテッド:★★★)

溢れるメンズノンノ感
(メンズノンノを良く分かってない)

《魂剥ぎ》と同じで、パイオニア・エクスプローラーで墓地を肥やすデッキを使うんならパルへリオンデッキやゴルガリフードの方が勝ちやすいと思うんだよね。MTG Wikiを見るとパルへリオンデッキのサブプランとして使われることがあるって書いてあるんだけど、《黄金牙、タシグル》自身にも墓地対策が直撃しちゃって軸ずらしにならないから、個人的にはちょっと懐疑的だね。1マナで出せればもちろん強いとは思うんだけど……

リミテッドでは4マナ払って墓地からリソースを回収できるからまあまあ強いんじゃないかな。ただ、本体が黒いクリーチャーなのに対し、起動型能力は緑か青を要求するから自ずと色が絞られちゃうので、ちょっと低めの評価としたよ。

終わりに

というわけでパイオニアマスターズの黒のカードをレビューしてみたよ。

青のレビューでも書いたんだけど、やっぱり黒もロータスコンボのパーツの追加が目玉だな、という印象だね。逆に言えば、エクスプローラーが既にかなりパイオニアに近くなっているということなのかもしれない。最近のスタンダードのカードが強いのが原因かな。

それじゃあ、また。

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