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第16期パイオニア神挑戦者決定戦観戦記
序文
やあみんな、武えのきだ。
晴れる屋さん主催のパイオニア神挑戦者決定戦をYoutubeで観たので、一日遅れではあるけれども、第16期パイオニア神挑戦者決定戦の観戦記を書いていこうと思う。
目次
観戦記
準々決勝:マツウラタクミ選手(ボロスバーン) vs タカハシタロウ選手(ラクドスデーモン)
マツウラ選手のボロスバーンは本体火力を大量に積んだ攻撃的なデッキだ。《ボロスの魔除け》再録によりスタンダードでも見るようになったアーキタイプだね。スタンダードでの一般的なリストと比べると、《熊野と渇苛斬の対峙》を含めてもクリーチャーが少なめで、代わりに火力が多い構成になっている。
火力が多い構成だとどうしても息切れしがちになるけど、それを補ってくれるのが《舞台照らし》というカードだ。《舞台照らし》は3マナのソーサリーで、ライブラリトップから2枚追放して次のターンまでそれらをプレイできるソーサリーだ。ターン内に相手がライフを失っていると赤1マナで唱えることが出来るので、バーンにうってつけのリソースカードってわけだね。
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対するタカハシ選手はラクドスデーモンというデッキを選んでいた。僕はこのデッキは知らなかったんだけど、プレイヤーズコンベンション静岡2024で開催されたチャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド1で活躍した黒単デーモンに赤い要素を足したデッキみたいだね。
《止められぬ斬鬼》と《アクロゾズの放血者》による一撃必殺コンボを捨てる代わりに、《鏡割りの寓話》《逸失への恐怖》《税血の収穫者》によるルーティングで安定性を高めた構成に見えるね。置物には触れないとはいえ妨害も豊富に入っていて、フェアデッキには滅法強いデッキなんじゃないかと思う。
結果は2-1でタカハシ選手のラクドスデーモンの勝利となった。ラクドスデーモンには《不浄な別室》や《黙示録、シェオルドレッド》といったライフ回復手段があり、妨害の枚数も多く、クリーチャーの質も高いので、どうしてもボロスバーン側のカードが足らなくなる感じだったね。
最近スタンダードで使われてみても感じるけど、《逸失への恐怖》はタフネスが高めで、ETB能力で除去を探しに行けて、昂揚達成していればクリーチャーに疑似警戒を付与できる、アグロに強い良いカードだなと思ったよ。
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準決勝:ミツイキヨタカ選手(ロータスコンボ) vs ナイトウケイスケ選手(イゼットフェニックス)
ミツイ選手のロータスコンボは《睡蓮の原野》を何度もアンタップして莫大なマナを生み出して一気に勝つ高速コンボデッキだね。安定4ターンキルが可能だと、どこかで読んだことがある気がする。
基本的にはコンボ一直線の攻めのデッキで妨害手段はメインにはあんまり入らない印象だった。その点で、ミツイ選手のリストは《洪水の大口へ》というバウンススペルが入っているのが特徴的かな、という気はした。ラクドス果敢のような自分より早いデッキへの対処手段として用意しているのかもしれないね。贈呈込みならパーマネントをなんでも戻せるので《奇怪な具現》デッキにも強く使えるしね。
対するナイトウ選手が使うのはイゼットフェニックスだ。1ターンに3回インスタント・ソーサリーを唱えることで自分の墓地から《孤高のフェニックス》を蘇らせて勝つデッキだね。
最近のイゼットフェニックスには《美術家の才能》が入っているみたいだね。《美術家の才能》を置いておくとインスタント・ソーサリーを唱えるごとにルーティングすることができるから、手札に来た《孤高のフェニックス》を墓地に捨てる手段として採用されているんだと思う。その分、《稲妻の斧》が減らされている感じかな?
青いデッキではあるけれど、カウンターよりは除去でコントロールする性格の強いイゼットフェニックスは、クリーチャーが勝ち筋ではないロータスコンボには基本的に相性が悪い。実際、ミツイ選手のロータスコンボが2-0で勝ち切った。サイド後もなかなか覆せないくらいの相性差があるように感じたね。
プレイとしては《ナーセットの逆転》でキャストした《熟読》を使い回すプレイが参考になった。《ナーセットの逆転》は《思考のひずみ》への対処法として使うという印象が強かったので、自分のリソースを再利用するために使うという発想になるほどと思わされたよ。
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決勝:ミツイキヨタカ選手(ロータスコンボ) vs シバサキケンゴ選手(ディミーアミッドレンジ)
決勝はミツイ選手のロータスコンボとシバサキ選手のディミーアミッドレンジのマッチアップとなった。
シバサキ選手のディミーアミッドレンジ(Webではディミーア忍者という表記になっていたけど、中継ではディミーアミッドレンジ表記なのでここではそれを踏襲させて頂く)は、軽いクリーチャーを早期に展開してマウントを取っていくテンポデッキだね。
他のリストでは見ないようなカードが沢山入っている面白いリストだよね。僕が特に面白いと思ったのが《フェアリーの悪党》だ。《フェアリーの悪党》は1マナ1/1飛行で、場に出た時に他の「フェアリーの悪党」というクリーチャーをコントロールしていた場合に1ドローするというETB能力を持つ。アドバンテージを得られる可能性があるとはいえ、1マナ1/1というスタッツは構築級とは言い難いよね。
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と思いきやフレーバーテキストを読むと結構なことをやっている
ところが、このカードがこのデッキでは強かった。《マネドリ》でコピーすることで1ドローできる可能性が上がるし、飛行を持っていることで忍術のタネにもなるので《月回路のハッカー》や《悪夢滅ぼし、魁渡》を強く使うことが出来る。しかも出し直したらまたETB能力が使い回せるしね。強い人はカードプールを広く見ているんだなあと感心したよ。
結果はシバサキ選手のディミーアミッドレンジが終始軽快に展開して2-0で押し切った。シバサキ選手のリストにはカウンターが入っていないのでミツイ選手のロータスコンボにも大いにチャンスがあると思ってたんだけど、ディミーアミッドレンジのクロックが見た目以上に早くてコンボ開始までいけなかったね。
ディミーアミッドレンジのクロックが早い理由は《悪夢滅ぼし、魁渡》の+1能力にある。+1能力は忍者に+1/+1修正を与える紋章を得る能力だ。忍者が少ないスタンダードではあまり使われていない能力だけど、このデッキには《悪夢滅ぼし、魁渡》の他に《月回路のハッカー》《変わり谷》という忍者が入っているので、紋章の効果が大きいんだ。小粒なクリーチャーを展開してちまちまアドを取っていると思いきや一気に打点が上がるのが、このデッキの恐ろしい所だね。
神決定戦の展望
第16期パイオニア神決定戦のマッチアップは現パイオニア神サイトウ選手のゴルガリフードとシバサキ選手のディミーアミッドレンジのマッチアップとなった。
デッキ相性は少しだけゴルガリフードが有利かな? という印象だね。ゴルガリフード側のクリーチャーは、出た時に一仕事終えていたり、墓地から自由に帰ってきたり、護法を持っていたりと除去が効きづらいクリーチャーが多く、ディミーアミッドレンジの除去が有効に使えない展開が多そうだ。対してゴルガリフード側の妨害は全て有効に機能しそうで、その点がゴルガリフード側に有利に働きそうな気がする。《金のガチョウ》で飛行が止まるのも大きいんじゃないかな?
終わりに
パイオニアもちょっと見ないうちにどんどんメタが変わっていて、面白い環境だね。僕もチャレンジャーデッキのロータスコンボは持っているので、もし紙をやるならロータスコンボでパイオニアに参入するのが良いのかな? なんて思ったりした。
それじゃあ、また。
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