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奴はとんでもないものを盗んで……行かなかったりもする。 心盗みを発掘!【MTGイニシエカード発掘隊】
やあみんな、武えのきだ。
今日はプロフェシーというエキスパンションから《心盗み》というカードを紹介したいと思う。
プロフェシーは2000年に発売された、マジック史上一番カードパワーが弱いと名高いエキスパンションだ。実際、カードギャラリーを眺めていても強いと思えるようなカードはほとんど見つからなかった。今回紹介する《心盗み》も、そんなプロフェシーのカードらしい、レアとは思えないほど効果が安定しないスペルなんだ。
この《心盗み》、相手からカードを奪うことができるカードなんだけど、その名に反して奪えないことも多々あるし、なんなら首尾よく奪えたとしてもそのまま使わず返さなきゃいけなかったりする。どういうことか説明していこう。
![](https://assets.st-note.com/img/1729084019-OmUf2kchtxoZbaJRnerACQ7s.png)
まず《心盗み》のテキストを見て頂きたい。
Psychic Theft / 心盗み (1)(青)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札を公開する。その中からインスタント・カード1枚かソーサリー・カード1枚を選び、そのカードを追放する。あなたは、そのカードが追放され続けているかぎり、それを唱えてもよい。次の終了ステップの開始時に、あなたがそのカードを唱えていなかった場合、そのカードをオーナーの手札に戻す。
もうお気づきのことだと思うんだけど、この《心盗み》というカードには弱い箇所がいくつもある。ご面倒でなければ僕と一緒に見ていこう。
まず、対戦相手の手札が0枚の時、このカードは正真正銘何もしない。カードを奪う対象が手札からだから当然だね。《眼識の収集》のようにライブラリトップから奪う効果だったらこんなことは無かったのに……と残念でならない。
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モノが違う
そして奪えるカードがインスタント・ソーサリーに限定されているのもキビしい。対戦相手がクリーチャー主体のアグロデッキであれば手札にそれらが無いタイミングもあるだろう。この場合も《心盗み》は何も盗まない。怪盗らしくこだわりがあるんだろうね。なんでもかんでも盗むわけじゃないという心意気だ。
もちろん弱いポイントはまだある。最近の相手のカードを奪うカードには必ず「それを唱えるために任意のタイプのマナを支払ってもよい。」という記載があるんだけど、このカードにはそれが無い。つまり、相手のデッキと色が合ってなければ、カードを奪えたところで唱えられないんだ。せっかく奪えたのにそれが唱えられないなんて、こんな理不尽なことがあるだろうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1729771462-B5uhU6NO8QcFpIMfgYzdD1E7.png)
もちろん色を問わず唱えられるし、贈呈があるので手札0でも使える
そして極めつけが「次の終了ステップの開始時に、あなたがそのカードを唱えていなかった場合、そのカードをオーナーの手札に戻す。」という一文だ。……え? 返しちゃうの? なんで?
この余計な一文が無ければ青系コントロール対決で相手のカウンターを奪うという用途で使えたかもしれない。まあ、相手の手札にカウンターが有るのであればそのカウンターで《心盗み》がカウンターされそうなものだけど、相手が奇跡的にタップアウトしていて、なおかつこちらの手札に決めに行くカードが無いという状況が発生する可能性はゼロじゃない。
でも、この《心盗み》はご丁寧に終了ステップを迎えたら盗んだものを相手に返してしまうので、カウンターなんか盗っても何の意味も無い。ただただじっくり眺めて終わりだ。もちろん、盗ったカードのマナコストが重くて唱えられなかった場合も返さないといけない。
![](https://assets.st-note.com/img/1729084019-OmUf2kchtxoZbaJRnerACQ7s.png)
結局役に立つのは相手の戦場にクリーチャーが居て、なおかつ相手が除去を持っている時くらいなんだけど、それなら《心盗み》じゃなく除去を入れておけば良いって話になってしまう。その方が効果は安定するし、《心盗み》を唱えるための2マナを余計に払う必要もなくなるしね。
このように、考えれば考えるほど強い使い方が見つからないカード、それが《心盗み》だ。以前紹介した《狂気の暗示》も効果が安定しないカードだったけど、まだ奇跡的な上振れがあるだけあちらの方がマシな気もする。《心盗み》は、このカードじゃないとできない、ってことが無いからね。
というわけで、今日は《心盗み》を紹介させてもらったよ。プロフェシーはカードパワーこそ弱いかもしれないけど面白いカードが多いから、また折を見て紹介してみたいと思う。
それじゃあ、また。
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