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Magic: The Gathering パイオニアマスターズ私的注目カードレビュー 白編

序文

やあみんな、武えのきだ。

MTGアリーナに実装されるパイオニアマスターズというセットの収録カードが公開された。

パイオニアマスターズはパイオニアでは使われているけどエクスプローラーには存在していないカードが収録されるセットだ。エクスプローラーは元々パイオニアと同等のカードプールとなることを目指して作られているんだけど、MTGアリーナサービス開始前に印刷されたカードの実装が追い付いていなくて、パイオニアで使われているカードがエクスプローラーには存在していないということが結構ある。パイオニアマスターズはそのギャップを埋めるために作られたセットというわけだね。

今日はそのパイオニアマスターズから白のカードをレビューしていきたいと思う。

(2024/12/4追記:パイオニアマスターズはMTGアリーナでリミテッドやるみたいなので、リミテッド評価を追記しました)

目次


カードレビュー

《アクロスの英雄、キテオン//歴戦の戦士、ギデオン》(構築:★★★★ リミテッド:★★★★★)

このやんちゃ坊主感、意外とマジックでは珍しい
大人になると濁点が追加されるのなんで?

《アクロスの英雄、キテオン》は1マナ2/1のクリーチャーで、2体以上のクリーチャーで攻撃すると戦闘終了時にプレインズウォーカーである《歴戦の戦士、ギデオン》に変身する能力を持っている。

エクスプローラーでは白単人間にすんなり入ると思う。伝説だから枚数は入れ辛い気がするけど、それでも2枚くらいは入れても良いんじゃないかな? 変身後の《歴戦の戦士、ギデオン》は殴れるプレインズウォーカーだから、全体除去への牽制にもなるのが強いよね。ただ、白単人間が最近あんまり活躍していないのは向かい風だね。

リミテッドではさすがにボムレアなんじゃないかな。攻撃して生き残らないと変身できないとはいえ、自身の起動型能力で破壊不能を付与できるから後から引いても嬉しいしね。

《セジーリの防護》(構築:★★★ リミテッド:★★)

なぜか収録済みだと思い込んでいた

《セジーリの防護》はクリーチャーにプロテクションを付与できるインスタントだね。エクスプローラーではボロスヒロイックに採用できるかな? ボロスヒロイック自体、すっかり見なくなっているのは懸念事項だね。

リミテッドではちょっと弱いのかな、という気がする。プロテクション付与だとコンバットトリックで使いづらいしね。

《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》(構築:★★ リミテッド:★★★★★)

このマナコストには強力なライバルがいるので……

決して弱いカードじゃ無いんだけど、このマナコストには《放浪皇》が居るから、なかなか採用されなさそうな気がするね。一応、自身がクリーチャーになるという《放浪皇》にはない利点も持っているので、それを活かせるデッキならワンチャン有るかな? それがどんなデッキなのか思いつかないけど……

リミテッドだとめちゃくちゃ強いよね。出された瞬間かなり萎えるレベルだと思う。

《テューンの大天使》(構築:★★ リミテッド:★★★★★)

ちょっとマナコストがね……

《正義の戦乙女》とのシナジーが強力なので、セレズニア天使に採用できなくは無いと思う。ただ、セレズニア天使のリソース源である《集合した中隊》と相性が良くないのは気になるね。採用するとしても1枚くらいかな?

リミテッドではボムレアすぎるね。処理できなかったら毎ターン回復しながら全体強化していくから速やかにゲームが終わりそうだ。

《ニクスの星原》(構築:★★ リミテッド:★)

大主を釣れるのは偉いかもしれない

能動的にエンチャントを墓地に送れる奇怪な具現デッキと相性が良さそうだけど、《奇怪な具現》が残っている時点でかなり優勢なので、このカードを出してもちょっとオーバーキルかなという気もする。

むしろダスクモーンで収録された大主サイクルを釣るのに使うのが良いかもしれない。ライブラリを切削する《ベイルマークの大主》との相性が良さそうだね。

かなりデッキをエンチャントに寄せないと強く使えないんだけど、リミテッドではそれが難しいから、ちょっとピックを躊躇するね。

《ヘリオッドの指図》(構築:★ リミテッド:★★★★)

リミテ向けだなぁ……

リミテッドでは凄く強そうなんだけど、構築では5マナ出る状況でクリーチャーが並ぶ展開になりづらいからちょっと使えそうにないかな。アグロ同型でサイドインするのは良いかもしれないけど、除去の強い環境だからそもそもアグロが少ないんだよね。

修正値が大きいし、瞬速のおかげでコンバットトリックとしても使えるからリミテッドでは相当強そうだね。ただ、マナコストの重さが気になって星5つとはできなかった。

《不動のアジャニ》(構築:★ リミテッド:★★★)

単体で何もしないプレインズウォーカーは構築ではキツイね

まず、戦場にクリーチャーかプレインズウォーカーが並んでないと何もしないのが4マナのプレインズウォーカーとしてかなりしんどいと思う。

仮にクリーチャーが出ていたとしても、+1能力のインパクトがちょっと薄いよね。構築レベルとはとても言えないかな。

リミテッドでは構築よりは使えそうだけど、やっぱり4マナのプレインズウォーカーで単独で仕事しないのはちょっとしんどいよね。もちろん喜んで取るんだけどね。

《保護者、リンヴァーラ》(構築:★ リミテッド:★★★★)

なんか参観日とかに来そうなカード名
「若いお母さんですねー!」的な?

場に出た時に劣勢を捲れるポテンシャルはあるんだけど、いかんせん6マナだからね。天使デッキでも採用されないと思う。イラストは美しいだけに残念。

ゲームスピードの遅いリミテッドでは一転評価が上がるね。リミテッドでは大型のフライヤーは常に強いし、ETB能力も強力だからね。

《太陽の勇者、エルズペス》(構築:★ リミテッド:★★★★)

公式の画像なんだけど、なんか微妙に縦横比変じゃない?
気のせい?

やっぱり6マナのプレインズウォーカーとしてはインパクトが足らないと思っちゃうな。6マナならもっと制圧力の高いプレインズウォーカーを起用したいなと思ってしまう。令和のマジックに耐えられるスタッツでは無さそうだね。

リミテッドでは説明不要に強いんだけど、6マナという重さが気になって星4つにはできなかった。

《太陽の神、ヘリオッド》(構築:★★ リミテッド:★★★★★)

この持ち方で槍が体の後ろに行くの変じゃね?

破壊不能の4マナ5/6だし、起動型能力でクリーチャーを出せるのもまあまあ強いかな。ただ、回避能力を持っていないのがちょっと気になる。弱くは無いと思うけど、構築に採用するにはパンチが足らないかな?

起動型能力でマナフラッドが受かるから、リミテッドでは極めて強力だね。信心の兼ね合いでタッチでは使いづらいのは残念だけど。

《岩への繋ぎ止め》(構築:★★ リミテッド:★★)

山が必要なのがちょっとね

1マナの万能除去と考えれば強いんだけど、《山》あるいは山タイプを持つ土地が場に出てないと使えないから、デッキ構築がかなり限定されてしまうのがつらい所だね。エンチャントを唱えるとボーナスが有るカードと併せて使えれば良いんだけど、その手のデッキに赤が使われるのは稀だからね。なかなか厳しいかな。

リミテッドでも色が制限されちゃうのが不満だね。基本土地が多くなる関係上、エンチャントする山が都合よく引けないこともあるだろうし、あんまり採りたくないカードかな。

《弁論の幻霊》(構築:★★ リミテッド:★)

イゼットフェニックスには強く使えるかも?

同じ常在型能力を持つ《エメリアのアルコン》と競合するんだけど、こっちは《エメリアのアルコン》と違ってタフネスが4あるから、イゼットフェニックスへのサイドボードとして採用しやすいかもしれない。

《弁論の幻霊》の常在型能力はロータスコンボの勝ち手段である《出現の根本原理》も止めることができるし、《見えざる糸》《熟読》によるマナ加速も制限することができるんだけど、ロータスコンボもサイド後は《出現の根本原理》以外の勝ちプランをサイドインしてくるので過信は禁物だね。ロータスコンボに勝ちに行くんなら《減衰球》のほうが優れていると思う。

リミテッドでは常在型能力よりもスタッツの貧弱さが目立つかな。これを取るくらいならもっと攻撃的なクリーチャーを取りたい。

《悲劇的な傲慢》(構築:★ リミテッド:★★)

傲慢な姿勢によって大事なものを失ってしまった感じかな?

各タイプのパーマネントが最低1つずつ残ってしまうのが使いづらいよね。この手のスペルは振れ幅が激しい印象があるから、個人的にはあんまりデッキに入れたくない。どんなデッキに入るのかもよくわからないね。

リミテッドでも強く使えるシチュエーションはそんなに無さそうな気がするんだよね。あんまり進んで取りたいカードじゃないかな。

《沈黙》(構築:★★★ リミテッド:★)

コンボデッキのお供に最適

コンボデッキがコンボを始動するターンのアップキープに撃って安全にコンボを完遂したり、逆に相手がコンボを開始したタイミングで撃って妨害したりが主な使い方になるかな? 今回のパイオニアマスターズでパーツを貰ったロータスコンボがサイドに採用するんだろうね。

リミテッドでは相手のアップキープに撃って展開を阻害するような使い方しかできなそうだね。そのために1枚枠をとるのは弱いと思うし、使わない方が無難かな。

《白蘭の騎士》(構築:★★ リミテッド:★★★)

この手のカードには珍しく出る土地がタップ状態じゃない

場に出た際、相手が自分より多くの土地をコントロールしていたら平地を戦場に出せるクリーチャーだね。この手のクリーチャーはあんまり活躍しない印象なんだけど、この《白蘭の騎士》は戦場に出す平地がタップ状態にならないのが偉いね。3ターン目に2マナのアクションが2回できるのはかなり強そうだ。本体のスタッツは地味なんだけど、白アグロに採用する手は有ると思う。人間だから白単人間にも採用できそうだね。

2マナ2/2先制攻撃の時点でリミテッドでは強いんだけど、色拘束がきつくて2ターン目に出ないことがそこそこありそうなので星3つくらいかな? という気がする。

《神聖なる月光》(構築:★★ リミテッド:★)

光強すぎなんだけどこれホントに月か?

今のパイオニア・エクスプローラー環境ではリアニメイトやコスト踏み倒しでクリーチャーを出すデッキがそんなに無い印象なんだけど、カードの効果自体は唯一無二なのでいずれ使われる機会は来ると思う。

今のデッキならゴルガリフードあたりにはサイドインできるかな? 最悪でも《大釜の使い魔》は追放できるだろうし、《清掃人の才能》で墓地から出て来る《全てを喰らうもの、イグラ》を追放することも出来るからね。

リミテッドではリアニメイトとかコスト踏み倒しはほとんどしてこないだろうし、入れない方が良いだろうね。

《荒野の確保》(構築:★★ リミテッド:★★★★)

アゾリウスコントロールのエンドカードに使えるかな?

インスタントタイミングで大量のクリーチャーを出せるので、アゾリウスコントロールがフィニッシュ手段として採用するのはあるかもしれない。今のアゾリウスコントロールでは《サメ台風》が同じような使われ方をしていて、サイクリングでドローが付いてくる分《サメ台風》の方が基本的には強いんだけど、《荒野の確保》は出て来るクリーチャーが複数なので単体除去では対処されないのが強みだね。

盤面のクリーチャー数が重要になるリミテッドではかなり強そうだね。インスタントだから相手の想定を崩せるのも良いよね。

《迷宮の霊魂》(構築:★★★ リミテッド:★★★)

たおやかな見た目に反して攻撃的なスタッツ

常在型能力が青系コントロールに強いしパワーも高めだから、白系アグロがコントロールデッキ対策でサイドインするのは有りそうだね。《不浄な別室》のドローも阻害できるからデーモンデッキにも効くことを考えると、メインから入れるのも有りと言えば有りかもしれない。ただ瞬速を持っているわけじゃないから、対戦相手も除去してからドローという手段を取れるから過信は禁物だね。こういうクリーチャーは瞬速が付いていて欲しいんだけど、それはさすがに贅沢かな。

リミテッドでは2マナ3/1というスタッツだけで採用の価値があると思う。常在型能力は無いものと考えた方が良いかな。

終わりに

というわけで、パイオニアマスターズの白のカードをレビューしてみたよ。

ザっと見た感じだと、今パイオニアで活躍しているカードが追加されたって感じでは無いな、という印象だね。とはいえ《沈黙》《神聖な月光》のような優秀な対策カードが収録されているのは嬉しいね。

それじゃあ、また。

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