【水曜どうでしょう】サイコロ1 プレミア版 再視聴

やあみんな、武えのきだ。

僕は『水曜どうでしょう』というテレビ番組が大好きで、10年くらい前は良くローソンで『水曜どうでしょう』のDVDを買っていた。当時は『水曜どうでしょう』の好きなエピソードを観るためにはローソンのロッピーとかいう専用端末を使ってDVDを買うしかなかったのでそうしていたんだ。時代は流れて今ではNetflixで大半のエピソードが見られるんだから、良い時代になったものだとしみじみ思う。

今回、ふと思い立って『水曜どうでしょう』を1から観直してみようと思った。「対決列島」なんかは好きなシリーズなので今でもたまに飛ばし飛ばし観たりしているんだけど、各エピソードを観直すなんてことはもうずっとしていないから一度ちゃんと観直してみたいと思ったんだ。そして、ただ漫然と観るのもどうかと思ったので、感想やなんかをここに文章として残してみることにした。

第一夜

特別前枠

Netflixで「サイコロ1」を観ると、見慣れない雪原でミスターとディレクター陣の三人が座って話している場面が始まった。どうやら2018年の「北海道で家、建てます」という企画のロケ中に撮った映像らしい。Netflixの前枠用に撮ったのか、撮った映像を使う場所が無いので特別前枠として据えたのかは、説明が無いので謎に包まれている。

かいつまんでいうと『水曜どうでしょう』は企画を通して、出演者・ディレクター陣の人間としての有り様や関係性の変化を観てもらって楽しむ番組なんだ、というような内容だった。

実際、『水曜どうでしょう』は企画そのものというよりも出演者の表情や掛け合い・言動のほうが面白かったりするので、その考察は当たっていると思う。

本編

3分ほどの特別前枠が終わると本編に移り、若かりし日の大泉さんとミスターが東京の六本木プリンスホテル前に立っている映像に変わった。テロップからすると、この映像が撮られたのは1996年とのことなのでもう30年近くも前の映像となる。当たり前だけど二人とも今とは別人のように若い。ミスターなんてまるでテレビ俳優のようなカッコよさだ。

東京から北海道に帰るにあたってただ帰るのではつまらないから「サイコロの旅」という企画をやりながら帰ろうとやたら良い笑顔でどんどん話を進めるミスター。そしてただただ戸惑うばかりの大泉さん。『水曜どうでしょう』定番となった、何も知らされていない大泉さんと嬉々として企画内容を説明するミスター、という構図はこの頃すでに完成していたんだなあ。

記念すべきサイコロ第一投はミスター。オレンジライナーという深夜バスで愛媛県は松山市まで移動する結果となった。12時間30分という長旅だ。この頃はまだローカル局の深夜番組という気安さもあってか、二人が松山について「なんの楽しみも無い」とか「行きたくねえんだよ俺そんなとこ」とか悪し様に言っているのが面白い。今だったら放送には乗せないだろうな。

松山へと向かう深夜バスに乗り込み車内でくだをまく二人。今後も良く見ることになる光景だけど、最初の企画ということもあってまだ距離感が遠いというか遠慮している感じがある。途中の山梨県のサービスエリアでの休憩時間で二人が煙草を吸っているのも結構貴重映像じゃないかな? 自分が吸わないからあんまり意識していないんだけど、二人そろって煙草を吸っている映像はあんまり見ない気がする。今はコンプラ等もあってカメラの前で煙草は吸わないだろうしね。

ほうほうの体で松山に到着し道後温泉に入る二人。入浴シーンも撮影されているんだけど、他のお客さんも入っているだろうにどうやって撮影したんだろうか。大らかな時代だったのかな? ちなみに、この時には大泉さんがカメラに向けて唸りながらガッツポーズする例のパフォーマンスはまだ無く、ただ膝を抱えてお湯に浸かっている。

松山でもサイコロが振るわず大分県は臼杵市に移動することになる一行。旅というのは通常移動は手段であるべきなのに自分たちは何故移動がメインになってしまっているのか、と『水曜どうでしょう』が抱える根源的な問題について早くも疑問を口にするミスター。この臼杵に向かうフェリー内での会話は、現在の『水曜どうでしょう』のテイストがすでに随所に感じられて心地良い。

特別後枠

引き続き2018年のミスター・ディレクター陣の映像。50代になったらそりゃあ勢い無くなるよね、と語る3人。この肩の力の抜けた感じが良いよね。

第二夜

本編

なぜか第二夜には前枠が無い。

臼杵市に着いた一行。ミスターが振ったサイコロの出目は北九州の小倉行で、それを不満とした大泉さんはサイコロが止まった直後にそれを蹴とばす。もちろんそれで振り直しになるわけもなく、直後に小倉への車中でミスターから行動の浅はかさに関してお説教を受けるシーンに移る。ここの切り替わりのテンポが妙に気持ちいい。

小倉に着いた一行は続いて新大阪に向かう。サイコロを振る様は特に取れ高も無かったのかナレーションでの説明で済まされている。

新大阪からは寝台特急で新潟へと向かうことに。待合室でディレクターにくだをまく大泉さん。まだ遠慮があるのかやっぱり全盛期のキレは無い。ここで藤村Dから人数分の寝台が取れなかったという驚愕の事実が打ち明けられる。最年少だということで自由席を押し付けられそうになる大泉さん。自身が痔持ちであることすら暴露して抵抗するものの、奮闘むなしく一人自由席で朝を迎えることになってしまう。見ると自由席は対面式の4人席で、他のグループ内に一人放り込まれる形だった。普通の神経ではとても眠ることはできないだろう。気の毒でならない。

新潟駅に着いて再度サイコロで行き先を決める一行。見事北海道の目を出すも、交通機関がフェリーでしかも所要時間が18時間という事実が直後に明かされる。上半身裸になって不満の意を露わにする大泉さん。こういう脱ぎ芸は後期はほぼやらなくなっているので、なんだか逆に新鮮だ。

そして、フェリーで小樽へと渡り始発列車で札幌というルートで一行は札幌に帰り、記念すべき最初の旅「サイコロ1」は幕を閉じた。

総評

最初の企画だから当然なんだけど、やっぱり後のエピソードと比べてぎこちなさやよそよそしさが目立つな、という印象だった。一方で、臼杵に向かうフェリー内での会話など、『水曜どうでしょう』らしい空気感も各所で見られた。やっぱり『水曜どうでしょう』の魅力はディレクター陣を含めた出演者の掛け合いだな、と思ったよ。

それじゃあ、また。

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