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「なんで今まで手作りチョコくれなかったの?」
夫と出会ってから20年以上になる。
手作りチョコレートをあげたのは、昨日が初めてだった。
夫はとても喜んでいたのだが、彼が今まで抱いてきた疑問をついに投げかけた。
「手作りチョコレートが好きだって今まで何回も言ってたのに、なんで作ってくれなかったの?」
!?
今回はこの件についての私の考察を記す。
バレンタインデーとは?
世の中は好きな人や彼氏にチョコレートをあげるらしいけど、私はそんな女ではないですよ、という謎の自意識。
商業的なものに乗せられるのが嫌、みたいな謎の抵抗。
他の人と同じ形で愛情を表現したくない。
これが20代に醸成された。
挙げ句の果てには、「バレンタインデー?日本では女性がチョコレートを男性に渡すけど、海外では男性が女性に贈り物をするんだよ。」という、誰に対して使うのかわからない盾をかざしていた。
結論:私はバレンタインデーにチョコレートをあげるような女ではありません。私からチョコレートをもらえると思わないでください。
それが私のバレンタインデーの基本的認識だった。
なので、娘が生まれる前はたぶんあげてなかったと思うし、あげているのは娘にこのイベントを経験させるという側面が強かったと。
手作りが好きなのは、「聞いたことがある」
「手作りチョコが好き」とか、「トリュフが好き」とか夫が言っていたのは覚えている。
でも、「手作りチョコが好きだから、作って欲しい。」という気持ちまでキャッチしていなかったと思う…
無自覚。
もしかして、「今度手作りチョコ作って。」と言われていた!?
記憶にございません!
自分が怖くなるけれど、こういうことが私には結構ある。
自分が聞きたくないことが聞こえない。
「何?」という感じで、自分の心が拒絶反応する。
自分の拒絶反応を受け止めないまま返答するので、結果外れな答えになる。
つまり、表面上何か返答はしているようだけれど、心が「考えたくない」と思ったことには答えない。
私の認識は、「あなたが手作りチョコレート好きだって話、聞いたことあるよ。」まで。
そこまでは聞こえるけれど、「じゃあ、私はどうする?」というステップには真っ直ぐいかない。
例えば、「好きだって言ってたから、作ってみたよ。」とか、「好きだって言ってたけど、作れない。」「作りたくない。」と言って自分の意思をきちんと伝えることは避けていたと思う。
「好きだと言っている → 作るかどうか考える」という流れにブレーキがかかっていた。
この拒絶反応はどこからくるものなのか?
何かちょうだいって言ったらダメなんだよ
「これを買って」とか、「あれが欲しい」とか言ったらダメだと思って生きてきた。
だから他人に何かを求めること、ましてや「〜買って」とか口が裂けても言えなかった。
そんな中、「手作りチョコレートを作って。」と万が一夫が言っていたとしたら、それは私にはこう聞こえる。
「手作りチョコレートが好きなんだ。」
そこまでの情報を受け止めるのに精一杯。
「誰かに何かちょうだい」って言ったらダメなんだから、「チョコレート作って」って言ったらダメ。
「チョコレートを作って」という要求は受け入れられないので、「チョコレートを好き」ってことにしておきますね。
という処理をしていた。
自分が満たされたら
「私なんて…。」、「私のことは気にしないで」と言って自分を無視して、自分を透明人間にしていた。
誕生日とか、自分が注目されそうな日は目立たないようにしていた。
仕事を辞めてから約2年間。
少しずつ、自分を認め、自分の声に耳を傾けてそれを無視せずに向き合ってきた。
夫:なんで手作りチョコレート作ってくれたの?
私:作りたいってい思ったから。
今の私にとっては、「別に深い意味はないけれど、作りたくなったから作ったよ。」という感じ。
むしろ、作って渡すことを考えてワクワクしていたくらいだ。
まずは、自分のコップを満たさないと他人に分け与えられないみたいな話があったけれど、それなのか?
この前の自分の誕生日では、素直に「ありがとう」と相手の気持ちを受け取ることができた。
気持ちを受け取って、幸せを共有できたことが嬉しかった。
「私が受け取るなんてとんでもない」、「私には何も受け取る価値はない」、「私はこれに相応しい人物ではない」…。
以前は自分の価値を勝手に下げていたけれど、きっと本心は泣いていた。
自分に何も買ってくれないなら、他人に買ってあげるのは嫌だ!って思っていたのかな?
まず、素直に受け取って、幸せを共有した。
「誰かに何かをもらうことは悪いことではない。」
それを体現できたから、自分じゃない人が欲しがってるものをあげても良いと言う許可が出せるようになったのかもしれない。
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