見出し画像

経済産業省が、オープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver1.0を公開

素晴らしいクオリティの、モデル契約書情報です。
経済産業省が「研究開発型スタートアップと事業会社のオープンイノベーション促進のためのモデル契約書ver1.0」を取りまとめました。

詳細ページのリンク(経済産業省ホームページ)


モデル契約書ver1.0の内容とポイント


シチュエーションとしては、ビジネス革新のための「連携」です。
つまり事業会社とスタートアップが手を組む際の、協議開始(秘密保持)、PoC(技術検証)、そして共同研究開発/ライセンス、といった一連の流れをカバーする契約書のサンプルが公開されたわけです。

特に、「PoC契約のひな型」が詳細に解説されている点でも、かなり価値の高い情報です。(技術検証(PoC)契約とは、共同研究開発段階に移行するかどうかの前提として、スタートアップ側の保有している技術の開発可能性などを検証する目的で締結される契約です。)

想定されている読み手は、

• 事業会社(大企業・中堅企業の事業担当、知財・法務担当など)
• 研究開発型スタートアップ(革新的なテクノロジーを複数分野に展開して事業を興そうとするスタートアップ)
• スタートアップ支援者(ベンチャーキャピタル、CVC など)

となっています。

これをみて、自分には関係ないかな、と思われた方もいるかもしれませんが、単に契約書のひな型が置いてあるわけではなく、かなり詳細な逐条解説、コラム、タームシート(事前に契約書の要点をまとめておく棚卸表のようなもの)のモデル書式まであり、非常に読みごたえがあります。押さえておいて損はないひな型です。


契約の論点研究に最適!

公正取引委員会による「スタートアップの取引慣行に関する実態調査」の中間報告で明らかになった問題事例にも対応しており、同種の契約交渉で論点となるポイントが明らかにされます。

つまり、事前に「よくあるトラブル」や「交渉のポイント」が予習できるような内容です。取引事例を想定して、契約書の内容が具体的に例示されており、交渉のポイントを知ることができます。さらに契約書の各条文の意味はこまかい逐条解説が入っており、契約書がどのようなリスクと対応しているのか理解できます。

ぜひ、秘密保持契約書だけでも読み込まれることをおすすめします。


あわせてお読みください

契約書のひな型をまとめています。あなたのビジネスにお役立てください。


いいなと思ったら応援しよう!

竹永 大 / 契約書のひな型と解説
もしこの記事が少しでも「役に立ったな」「有益だな」と思っていただけましたら、サポートをご検討いただけますと大変嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。