昔ながらの喫茶店でポジティブに一瞬、後遺症を忘れてみた

今日は地元の大船にある昔ながらの喫茶店に行ってきた。
他にお客さんがいないので入ることに。
多分お店の広さは10坪あるかどうかというところで小ぢんまりとしていて居心地良さそうだった。

入るとおばあちゃんが出迎えてくれた。
ランチタイムが終わる2時過ぎに運良く入ることができた。
おばあちゃんはカウンターの中に座って、カレーを食べていて昼食の時間の名残を感じた。
ランチの残り香のカレーの香りを感じることができて、もうこの時点で凄く良かった。

中に入るとムワッとした熱気が立ち込めていた。
まぁご老人にエアコンの風は居心地悪いんだろう、と思った。
暑くて洋服をパタパタとしていたら、入口のドアを開けてくれた。
心地よい風が吹いてきて、一気にお店内の空気が入れ替わりとても快適だった。
こんなレトロなお店で秋口の風を感じられるなんて素敵だなぁと思った。

席についてしばらくするとメニューとお手ふきを持ってきてくれた。
歩く度に『おっし、おっし』と小声が盛れるおばあちゃんが可愛く思えた。

アイスコーヒーを頼んで一口飲むととても美味しかった。
バッチリ苦味にコクがあり、香り豊かで鼻抜けがとてもいい。それと同時に味覚を震わす。美味しい。

そうしてアイスコーヒーを飲んでいると店内に電話の鳴る音が聞こえてきた。
『今ね、お客さん一人しかいないよ』と大きな声で電話の受話器に言っていたので、きっと『空いてる?』という、よく利用する方からの電話だったのだろうと勝手に推測した。
よく来るお客さんはこうやって状況を確認するのかと納得した。

電話を終えるとおばあちゃんは、ついてるテレビのニュースをみて『ほぉーーーん』と言っていた。
なんかつくづく和むな、このお店。
『おっし、おっし』という口癖も、そういえばうちの祖母も言っていたなぁと和みながら思い出した。

本をリュックから取り出すと『若いのに本なんて読むのかい?』と言われた。
まだ若いって言ってくれてありがとう、おばあちゃん。
こう見えてもう30だよ。
少し服装が年相応じゃなくて若すぎるのかなとちょっと思ったが、おばあちゃんパワーで全然気にしなかった。
普段なら凄く見た目のこととかは気にしてしまうタチなので、自分でも全く気にしなかったことに後々になって驚いた。

美味しいアイスコーヒーを飲み終え、好きなエッセイを心地よい秋口の風に吹かれながら読んで、お会計をしてお店を出た。
出る時に『素敵なお店ですね、また来ます』と言うと、女性らしく小さく『ありがとうございます』とお辞儀していた。

記念に店内撮らせて貰えばよかったな、と思って店をあとに帰路を辿る。
絶対にまた来よう。
うるさいにぎやかで酔っ払いばかりの大船にも、こんなところがあったのかって、少し嬉しくなった。

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