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後から思えば〜闘病備忘録6
手術後の自宅療養を経て職場復帰したのだが、後から思えば復帰できるような状態ではなかったのかも知れないと、後遺症との付き合い方をある程度分かってきた今、思うことも多い。この後遺症には門脈にできた血栓によって肝臓がフルに働かないという源流が根底に存在する。分かりやすい例として食道静脈瘤ができて、これは内視鏡による破裂防止の処置を受けた。肝硬変と同様な所見だと原因もはっきりしていた。そして敗血症、夜中に身体が動かなくなり2度ほど救急搬送された。一度は血圧が上70台下40台まで下がりかなり危険な状態とまで言われた。結局原因は自分が持っている菌が全身に回ったことだと言われ健常者なら普通に解毒できる事が僕には難しいということだった。分かりにくかったというか、執刀した外科医が手術による後遺症だと頑に認めなかった症状が、真っ直ぐに歩けない、手が震えるなどの身体症状で、素人考えでも無関係とは思えないこれらの症状は結局肝臓の解毒作用が落ちている事が由来であると気がついたのは神経内科医だった。そこから僕の医療チームは消化器外科に消化器内科の先生が加わっていくことになる。ここに総合病院の弱点を見たような気がした。つまり、専門医は自分の分かることしか見えないのだ。専門分野においては力量を発揮できるけど専門以外の事はわからない。その上、変なプライドだけは持っていて分かる人に聞こうともしない。下手をすれば看護師の方が知識があるんじゃないかと思ったこともあった。これが地域の中核病院の実情なのだ。
話が脱線してしまったので元へ戻そう。手が震え、真っ直ぐ歩けない、この症状こそ現在に至るまで僕を苦しめることになる肝性脳症の序章だったのである。このことについてはつい最近も発症してしんどい目に遭った。詳しくは後述することにしよう。