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城下町の写真展

先週の休日に思いついて萩の城下町へ出かけてきた。お知合いの奥様がバックパックを背負って世界を旅してまわり、その時に撮った写真展をするという記事をFacebookで見たのでそれを見せてもらおうという目論見だ。

俥宿 天十平

おまけにその会場は大学時代に一つ先輩だった女性が営むお店で、城下町を訪れたらちょっとした世間話や近況報告をするのも楽しみの一つだった。

大正時代に増築された洋館が喫茶室になっている。

なにぶん暑い盛りだったので会場へ着いたらまずは冷たいものをと思い喫茶室に座る。窓が庭に向いて開いており、洋風の格子の向こうには百日紅の花が咲いていた。しばらくして運ばれてきた冷たいカフェオレは萩焼の茶碗になみなみと注がれていて、その中に浮かんでいる氷を見た時、ようやく人心地ついたような気になった。少し遅れて運ばれてきたお菓子はどこか異国のお菓子だったようだ。
江戸時代の地図がそのまま使えるという萩城下町の一角で六角形の洋館の喫茶室に座り、後で聞いたのだがスロベニアとトルコのケーキをいただきながら抹茶ではなくカフェオレの入った萩焼の大きな茶碗を口元に持ってゆく妻の装いは上は浴衣で下はスカート…。

ちょっとしたカオスである。

萩焼の茶碗でカフェオレを…。

暑さもひと段落ついたので本命の写真展を見てまわることにした。「この景色を生で見てきたのか」と軽く嫉妬心が芽生えるような写真の数々がそこにはあった。僕でも知っているような観光地の風景もあったが、強く惹かれたのは各国の生活感のある街の光景、これがすごく良くて気がつけば写真集4冊コンプリートで注文していたのだった。

ここが会場の入口。

一通り見てまわって会場を後にする。来月にはここで英国アンティーク家具&雑貨展が開催されるという。アンティーク家具などとても手が出るような値段ではないと思うけど、見たら欲しくなるに違いない。

古地図が使える古い城下町、その一角にある古いお屋敷で催された今回の写真展や次のアンティーク家具展、喫茶室のメニュー含め、無秩序なようでこの街の調和を乱していない、いや、見事に調和のとれた空間をゆっくりと楽しんだ良い休日だった。次に来る時の妻の装いも楽しみだ。

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