入院生活〜闘病備忘録4
一般病棟の個室でしばらく過ごして、多少自分の事ができるようになったら、すぐに大部屋に引越しである。自分で動けると言っても相変わらず管に繋がれ、ベッドのすぐ側に置いてあるポータブルトイレに座るにしても、ベッドの手すりに引っ掛けてある袋を点滴スタンドにぶら下げ、小さな袋は首からぶら下げ、管が引っかからないように注意して痛みに堪えながらの移動である。時が経つに連れて一本、また一本と管は少なくなってきたが、最初は用を足すのに20分以上かかって、終わってベッドに寝転がる頃には大げさに言えば息も絶え絶えだった。
日にち薬とはいうものの僕の場合、いろいろな合併症に悩まされた。夜な夜なの高熱、薬の副作用による消化管からの出血、それが原因の貧血、胆汁瘻、胆管炎、そして腹水…、手術前に70kgだった体重が術後85kgまで増えて退院時には60kg…、呼吸が苦しくなるほどの水が溜まり、お腹が張ってご飯も食べられない。
そして今に至る合併症というよりも後遺症は肝臓門脈にできた血栓による様々な症状で、これについてはまた後述する予定だ。
術後の経過は2ヶ月ほどして少し落ち着いてきたので、とりあえず術後80日ほどで退院することになった。梅の花が盛りだった頃に入院して、出てきたときにはもう花菖蒲が咲こうかというような陽気になっていた。