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「エスノグラフィー」って元はデザインシンキングではなく、文化人類学の言葉だったのね

2019年にデザインシンキングというものに触れるようになって以来、ちょこちょこ聞くようになった「エスノグラフィー」。

そもそもエスノグラフィーって??

ネットで調べると、

定性調査の一種であり、顧客の生活環境に調査員が身を置いて顧客と行動を共にすることで、顧客のことを深く知る調査手法

と書いてありました。感覚的には、ユーザというか、対象者の日常に入り込んで、困りごととか特徴とかを何気ない行動とかから紐解いていく、みたいな印象です。

業務の中で必要なところで活用するという感じの接し方だったなので、あまり深く考えたことなかったのですが、別にデザインシンキングの言葉ではなかったんですね。

ギリシア語のethnos(民族)、graphein(記述)との組み合わせた言葉で、もともとは文化人類学や民族学での研究アプローチとして使われているようです。

たまにテレビとかでやっている秘境に住む原住民とかに完全に入り込んで生活しているやつがあるかと思います。適当なキーワードでググってみると色々な番組が出てきます。それの激しいやつが文化人類学でいうところの「エスノグラフィー」。

九州大学の文化人類学の先生が仰るには、最低現地に2,3年は張り付かないといけないみたいな話を言われていました。1年目は季節性を含めた仮説を立てて、2年はその再現性を検証みたいな感じ。現地の言葉も完全にマスターした上で、洗礼も受けたりすることもあるようです。

ただ、現地に入り込んで、一緒に生活してというのは、エスノグラフィーの中でも『参与観察』と言われる手法で、それ以外にも観察だけとか、インタビュー、アンケート、文献調査などやり方は色々とあるよう。

また、ethnos(民族)だから、秘境に行かないとエスノグラフィーは出来ないわけではなく、今では民族というより「人」「人々」「集団」を研究対象にしたものなら何でも良さそうです。最近の文科省予算の研究テーマを見てもそんな感じ。

とは言え、やはりかなり本格的な調査が多く、私がいままで理解していたエスノグラフィーというのは、エスノグラフィー「的」調査というか、ビジネス・エスノグラフィ、マーケティングエスノグラフィという気がしました。

なぜ文化人類学???

という、特にオチも何もない話をツラツラと書いてみましたが、要は最近「文化人類学」というものに興味を持っていますということです。

なぜ文化人類学に興味を持っているのかを上手く言語化することはできないのですが、たぶん同様に興味を持っている「環世界」とか「コミュニケーション」とかとの関連な気がします。

このnoteでも何度か環世界、コミュニケーションとかについて書いてきました。要は、わかり合えない存在は、どうすれば少しでもわかり合えるようになるのかというのが気になっています。全く違う文化に入り込み理解しようとする文化人類学というか、エスノグラフィ、参与観察というのは、そのヒントになるのではないかと思っています。

ボッタクリと思っているのはこちらだけ??

スゴイ身近な?例だと、東南アジアなどの海外に行ったときに、たまにあるボッタクリと感じられるような話。

ローカルなマーケットで売っている1000円のお土産が、交渉したら100円になったみたいな話はよくあります。1/10になったので、日本人からすると、ぼったくられそうになったという感覚になるのですが、現地の人からすると、そもそも値札というか一物一価という考え方はなく、お金を持っている層は沢山払うし、持っていない人は払える範囲で払うという文化の地域もあるということ。海外旅行に来られる裕福な日本人は、お金をいっぱい払うのが普通という感覚なんだと思います。ある意味では、人によるダイナミック・プライシング!!ですね。

この話を聞いたときに、なるほどなぁ~と思ったわけです。よく考えれば、日本においても、江戸時代に越後屋(三越)が現われるまで、呉服などは人によって違うというのは当たり前。

なのに、なぜか価格が変わったのは、現地の人がこちらを騙そうとしていると捉えてしまうわけです。相手からしたら、普通のことをしているにもかかわらず。このような文化の違い、価値観の違いに気付く方法が、エスノグラフィ、参与観察だけではないような気もしますが、このシンプルな例でも非常に有効なのは想像に難くないと思います。

というわけで、ホントに結論も何もないコラムですが、文化人類学に興味を持ち始めているので、詳しい方などいろいろ教えてください!という話でした。笑


では、また来週〜
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安藤健(@takecando)

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