
J1第4節 vs柏(H)
2025/3/3 15:00 IN埼玉スタジアム2002
前節湘南相手に無様な姿で何も収穫を得られず敗戦したレッズ。今節は元浦和監督リカルド・ロドリゲスを迎え開幕から好調な柏レイソルとの対戦。
柏は開幕から2勝1分の無敗。リカルドサッカーを知っている我々からすると、浦和時代よりも浸透が進んでいると感じた人が多いのではないだろうか。浦和時代とは違い、システムのおかげもあってか一人一人の役割が分担されタスクが少なくなり、やるべきことが明瞭化されたような印象だ。
今季の柏で特筆すべき点は監督好みの選手を獲得したこと。
筆頭はもちろん浦和から移籍してきたMF小泉佳穂だろう。他にも徳島時代の教え子MF渡井、新潟からGK小島、湘南からDF杉岡、鹿島からMF仲間など、Jリーグ内で優良な日本人選手を多く獲得してきたリカルド監督ならではの移籍期間だったと思う。
そんな好調の柏と不調な浦和、状況は天と地の差があるが、この試合ではお互いトレードとなった浦和のマテウス・サヴィオと柏の小泉佳穂とのバトルに最注目が注がれるだろう。
☆柏レイソル戦への展望
情報と印象
・システムは3-4-2-1
・しっかり繋ぐポゼッションサッカー
・足元の技術力が高い選手が多い
・古巣対戦!浦和:サヴィオ選手 柏:小泉選手
・リカルドサッカー第1期の完成度が高い
予想メンバー

グスタフソン 大久保 長倉 前田
希望メンバー

松尾 安居 長倉 前田
離脱選手: 柴戸、渡邊
出場停止: なし
GK〜DF
ここ2試合不調の原因として、センターバックのホイブラーテン選手とボザ選手の安定感の無さや迷いのあるプレー、対応の緩さが停滞感を招いている。代わりの選手を起用するのは現実的ではないが、控えの井上選手や根本選手にはいつチャンスが来てもいいように準備をし続けてもらいたい。
サイドバックでは前節荻原選手に代わって長沼選手が起用されたが、浦和加入以来最低レベルのクオリティを見せてしまった。同サイドで組むサヴィオとの関係でやりづらさを抱いたのが一因だと思うが、荻原選手のコンディションが上がず間に合わない場合のみ、継続してのスタメン出場の機会が訪れるだろう。
MF〜FW
今季のスコルジャ監督はボランチからの飛び出しを好んでおり、前節渡邊凌磨選手の負傷から序列順でグスタフソン選手が起用されたが、上手くいかずハーフタイムでの選手交代。印象が悪く、これから先、起用されるか心配になる去り方であった。
おそらく指揮官は彼ではなく松本選手をボランチ起用してくるだろうが、人選には注目だ。
2列目は相変わらずのメンバーが揃うであろうが、ボランチに松本選手が下りれば空いた1枠を誰が務めるだろうか。
予想ではここ2試合途中出場を続けてきた松尾選手が大穴でスタメン出場を話すのではないかと思っている。これには根拠がない予想だが、監督からの信頼は厚いので可能性は高そうだ。
希望では中島選手の起用を推奨し、彼がいれば攻撃の形は必ず作れる。守備でも献身的な動きを見せているので、なぜスコルジャ監督は彼をレギュラーに置かないのか不思議で仕方ない。
後半からのギアチェンジ要員以上になれないのであれば、彼にとって不服な話だ。いち早く輝く姿を見たい。
☆展開予想と相手の特徴
まず立ち上がり、試合を支配するのがどちらかは予想をするのが難しい。ホームの浦和が過去の不甲斐ない試合から脱却する勢いで攻めることもあれば、これまで好調だった柏がポゼッションで支配することも容易に想像できる。
浦和は過去2戦試合の入りが悪く、いずれも失点スタートで難しい内容になってしまっている。全てアウェイゲームでたいていホームチームが優位に進めやすいが、試合の入りの悪さを改善し先制点を取れるかが鍵となる。
《攻撃の特徴》
「選手間の距離が良くショートパスを繋ぐ」
まず選手の距離感が良い。
特にビルドアップ時の3バックと2ボランチが中央に集まって関わり、難しい状況であれば足元の技術があるGK小島まで足されるポジショニングによって立ち位置を変化させ数的優位で進める。
浦和は前節課題となったセンターバック3枚へのプレッシャーのかけ方が前節の湘南戦以上に難しくなってきそうだ。
ウイングバックでは左のDFジエゴと右のMF小屋松が高い位置を取り、ボールを渡した後にはゴール前の中へ入り込む動きを見せている。
ここはサイドバックとセンターバックによるマークの受け渡しなど、繊細な作業が必要だ。
柏のウィークポイントとしては、MF小泉が言う通り、押し込んだ後のアイディアやクオリティを上げていくことが課題だ。まだまだ序盤戦で新チームなので、当然とも言えることだが、最後の精度が高まればもっと怖いチームになりそうだ。
《守備の特徴》
「マンツーマン気味な強カウンタープレス」
前線の3枚とウイングバックの2枚がカウンタープレスのような形で敵陣へボールを奪いに出てくる。その際、オールコートマンツーマンのような寄せの早い守備を見せ、敵陣で相手を捕まえに行く特徴がある。
守備陣形では2シャドーの2枚が最前線へ2トップを形成するような形を取る。また、トップに入るであろうFW細谷はトップ下のような立ち位置を取る珍しい形だ。そのFW細谷の近くにはしっかりとボランチのMF原川かMF熊坂がポジショニング良く立ち位置を決めるので、いかに隙を作れるかが見ものだ。
ウィークポイントとして、浦和は柏のウイングバックが食いついた裏のスペースを浦和ハイドハーフのサヴィオや金子拓郎が良い形で仕掛けられると理想だ。
難しいようであれば、これまた課題の選手間の距離を縮めて圧力をかけて行くと良いだろう。
☆キーマン
[浦和] 松本泰志選手 背番号6(CAM)
前節は何もないところから3列目からの飛び出しで一矢報いる得点をアシストした。これは彼がいたからこその得点であり、彼の特徴が存分に出たプレーであった。
スコルジャ監督体制ここ3試合のサッカーでは、昨季の伊藤敦樹のようなダイアナゴルの動きがキープレーだ。このチームを代表するのは彼で間違いないので、柏戦では躍動する試合ができれば勝利に近づくはずだ。

[柏] 小泉佳穂選手 背番号8(RF)
柏のサッカー、リカルドサッカーの真髄。
2シャドーの右に入りながらもボランチへ下りてパスレシーブを繰り返しながらリズムを作り、機を見て前線へ飛び出す。良いハイライトで言えば、柏での初ゴールのシーン。
足下の技術が高く厄介なプレイヤーだが、彼のポジショニングの取り方は浦和イレブンの方が知っているはず。徹底的に潰しに行こう。
☆結びに
今の浦和には怖さが全くない。
やっとのホームゲームで本来の力を示せるだろうか。
選手本来が持つ輝きを私たちのホーム埼玉スタジアムで出させるために、サポーターは変わらずの声援を送り、全力で支えて参りましょう。
課題ばかりのチームではあるが、一つ一つ改善していき、勝利前提ではあるが良い内容になればと思う。
