J1第38節 vs新潟(H)
2024/12/8 14:00 IN埼玉スタジアム2002
前節は福岡相手にメンバーを入れ替え、チームの活性化を促したレッズ。今節は未だ残留を確定できていないアルビレックス新潟との対戦。
新潟は現在勝ち点41の17位。この試合の結果によっては順位が入れ替わり“降格”という最悪の状況になる可能性がある。
全ては勝ち点38の18位ジュビロ磐田の試合結果によるが、余談は許されない。得失点差ではマイナス3差で新潟が優位だが、浦和の得点状況、磐田の対戦相手サガン鳥栖のスコア状況によっては危険という、他会場の結果がどうしても気になる一戦だ。
☆アルビレックス新潟戦への展望
予想メンバー
希望メンバー
欠場濃厚: 松尾、大久保
出場停止: なし
GK〜DF
前節はなんとゴールキーパーを牲川選手に変更し少し驚きの人選を起用したスコルジャ監督。
この試合でも牲川選手の起用、もしかしたら3番手の吉田舜選手にもチャンスが巡ってくるかもしれない。
サイドバックでは、長沼選手を右での出場を期待。左でのプレーぶりは良いが、ボールの持ち方で少し窮屈さを感じる。右での作用を今季最後に見てみたい。
そして今季で引退する宇賀神選手はメンバー入りが濃厚だろう。予想ではスタメンではなくサブスタートだが、スタメンからでも最後の勇姿を目に焼き付けたい。
MF〜FW
中盤では武田選手に注目。
夏頃まではヘグモ前監督に気に入られメンバー入りを果たしていたが、原口選手の加入によって出番が激減。実力では4番手の扱いを受けるべき選手ではなく、継続して使われるべきであった。来季へ向けこの試合起用されるはずだが、スタメンで長い時間見ていたい。
アタッカー陣では本間選手に注目。
今回対戦する新潟は、彼が育成年代を過ごした古巣クラブ。今季自身が置かれている序列を踏まえ、この試合で一泡吹かせたいはず。
来季以降必要な選手なので、腐らずチャンスをモノにしてもらいたい。
またエカニット・パンヤ選手は今季限りでの期限付き移籍が満了。出場機会は限られていたが、浦和で過ごした1年半の集大成として、25歳ベストなプレーを埼スタのピッチで表現できるか。
そしてトップではリンセン選手も今季限りでの退団が決定。スコルジャ体制では比較的安定して使われていたが、プレースタイル上これ以上の期待は難しかったように思える。
興梠選手は言わずもがな今季で引退する浦和のバンディエラ。最後に得点を取って現役生活にピリオドを。PKであってもOK。まだまだ出来るはずだが、最後に気持ち良くプレーさせてあげて欲しい。
☆展開予想と相手の特徴
基本的に浦和ペースのスタートになるはずだ。
新潟はポゼッション主体のチームでボールを握りたいはずだが、自分たちの実力と相手のレベルの差、アウェイでの試合、他会場の結果次第では降格がよぎることを踏まえ相手の出方を伺い慎重に入ってくるはずだ。
もしかしたら入りからガンガン攻めてくることも想定できるが、今季の新潟を考えると、このような無謀な作戦は90分をマネージメントする松橋監督の頭にはないはずだ。
《攻撃の特徴》
「アタッカー陣による裏へのフリーランニング」
特に気をつけるべきプレイヤーは埼玉に所縁のある選手。
まず左ウイングが主戦場のFW小見は新潟攻撃陣の中でもクオリティが一段と高い。ルヴァンカップ決勝の大舞台でも高卒4年目で堂々のパフォーマンスで実力を示した。
FW長倉は浦和ユース出身で、味方とのパスアンドゴーの質が高く、フリーランニングでのチャンスクリエイトも多い。前回対戦では彼に得点を許しており、福岡MF紺野のようなシーズンダブルは許してはならない。
右のウイングにはMFダニーロ・ゴメスが得意のドリブルで仕掛けてくる。良いポジショニングを取る傾向が高く、新潟の戦術の中でも一人変わった選手とも言える。1対1の仕掛けが彼の売りなので、封じ込めれば完璧だが、起点になるのでボールに触れさせないことも重要だ。
ビルドアップでは、左利きセンターバックのDF稲村が落ち着いてバランスを取っており、運びや縦パス、ロングレンジのタイミングが非常に良い。現役大学生とは思えない“慣れ”があり良い選手。
しかし、ビルドアップでは彼をはじめミスが多く、即ピンチに繋がるシーンも少なくないので、浦和攻撃陣は守備力でミスを誘発したい。
ワンポイントな情報だが、新潟の最前線には長身のターゲットマンがいない。試合終盤に前節福岡のようなターゲットマンを狙ってロングボールを入れてくるような展開はできないので比較的楽だが、無失点を締められるよう注意は必要だ。
《守備の特徴》
「プレス主体だが背後への守備には難あり」
基本的に前線からしっかりプレスを行うチーム。
前線4選手のうち数人が勢い良く駆け出していき相手のパスコースを誘導させていくが、この守備は味方が連動しておらず前線の選手は無駄走り感が強く、いまいちハマっていない。
ディフェンスでウィークポイントと思えるのは裏へのスペースを突かれすぎていること。
右のセンターバックに入るDF舞行龍は特に裏へのスルーパスを通されやすいディフェンダーだ。前回対戦でも多く目立ったが、浦和先制ゴールのシーンで、裏へのラインブレイクが少ないサンタナでさえ簡単に抜け出すことができ、得点へと繋がった。
前節ではボールを奪いに無理に出ていってかわされ失点。彼だけのせいではないが、センターバックとして行う最善のプレー選択ではなかった。ベテランの域に入る選手なので、相方の若手選手を統率する力を見せたい。
新潟は長期間で一貫した課題を持つチーム。選手たちは日々改善を目指し練習しているようだが、最終的には選手の質で相手より上回れず解決できないように思える。これは仕方のないことだが、この積み重ねによって今季の成績へ繋がったと他所ながら思う。
この試合でもし浦和相手に失点しなければ頑丈なディフェンスだったと思えるかもしれないが、今季の浦和クオリティを考えるとそちらの方が問題なので、どう改善していくかをチーム全体で考えて実行していかなくては来季の成績に直接関わってくるはずだ。
☆キーマン
[浦和] 興梠慎三選手 背番号30(CF)
我らがエースのラストダンス。
鹿島からやってきた2013年から浦和のエースとしてチームを牽引してきたベテラン。
多くは語らないが、卓越したセンスで何度も人々を魅了してきた。歳を重ねるにつれ身体のキレはなくなってきたが、ゴール前へ侵入し一番危険な場所で触る感覚は超一流。
最後にフォワードとしてお手本のようなゴールを期待したい。
[新潟] 秋山裕紀選手 背番号6(RCM)
今季ほとんどの試合で先発出場し、自慢のスタミナで走行距離を伸ばしチームのブレイン的存在。
浦和にいた岩尾憲のような頭脳を持っており、パスセンスは世界的にみてもトップ100に入ってくる力の持った選手。前線への繋ぎ役として彼を自由にさせすぎてはならない。
☆結びに
この試合は選手にフォーカスした一戦。
結果よりも選手のプレーを楽しみにしたいが、失点や敗戦はサポーターにとって最悪な出来事。
最低限引き分けでも許容できるが、浦和のエースが引退な以上、勝利で締めくくりたい。
相手のことは関係ない。自分たちのホームで自由にプレーするレッズイレブンを。