東京国立博物館~特別展本阿弥光悦の大宇宙/建立900年特別展中尊寺金色堂~【博物館オタ活日記#3】
こんにちは!
武蔵野大学アントレプレナーシップ学部に通いながら「最前線で遺す」をモットーにいろんな遺す活動をする大学生荒井健です!
博物館オタクの僕視点から博物館について綴る『博物館オタ活日記』。第3回の今回は、先日フィールドワーク兼趣味で東京国立博物館(以下:東博)を訪れたのでその様子をお伝えします。
プロローグ
第一回に科博に行って以来の上野公園へ。
今回は東博に2つの特別展を観に行くために行きました。また、せっかく行くので、遺すために必要であり、最近気になっている文化財に関わるコミュニケーションや展示コミュニケーションなどを、どのように東博が行っているのか調べること目的にフィールドワークを行いました。
※東博を始めとした文化系の博物館は基本撮影禁止の場合が多いので今回は写真少なめになります。
建立900年特別展「中尊寺金色堂」
さて、まず入って最初に向かったのは、建立900年特別展「中尊寺金色堂」です。
私は、本物の中尊寺を訪れたことはまだないのですが、一度は行ってみたい場所としてあげていて、今回の特別展も楽しみにしていました。
まず、入ってすぐの場所には、超特大のディスプレイに超繊細な映像で金色堂の姿が映し出されていました。原寸大で映すだけでなく、細部へよっていったりするなど、現地では見れないような部分まで詳細にわかる映像になっていて、技術の力と金色堂の素晴らしい姿に圧倒されました。
そして、数々の国宝や重要文化財などが展示されていて、改めて、奥州藤原氏の力と阿弥陀信仰を感じ取るとともに、平安時代末期の仏教美術や文化の一端をうかがうことができました。
そんな数ある展示の中で、私のイチオシ展示は、「金箔押木棺」です。歴史に詳しい方ならよくご存知かもしれませんが、金色堂内の須弥壇の中には、3つの棺と1つの首桶があり、それぞれに歴代奥州藤原氏当主を収められていました。それぞれの遺体はミイラ化しているというところも相まって有名になっているエピソードなのですが、その中でも中央壇に収められていた初代清衡の木棺が今回展示されていました。この木棺を見たとき、ここに清衡のミイラが入っていたのだとワクワクしました。この木棺は木地に漆を塗り金箔を押すという漆箔の技法が使われているのですが、板の継ぎ目に布を着せて漆で補強している様子が見られて、一人でニヤニヤしていました。
また、超マニアック過ぎるのですが、様々な「残欠」の展示解説の中に、なぜ破損したかけらである残欠が大切なのかを解いている一節があり、良い解説~と思いながら一人でテンション上がっていました。
特別展「本阿弥光悦の大宇宙」
続いて訪れたのは、特別展「本阿弥光悦の大宇宙」。安土桃山時代から江戸初期に活躍した天才芸術家本阿弥光悦に関する特別展です。
この展覧会の特徴は、第一章が「本阿弥家の家職と法華信仰ー光悦芸術の源泉」と本阿弥光悦の生い立ち・人となりから描かれているところで、光悦という天才を人から理解していこうという意図が読み取れます。実際に良い展示構成でした。
この展示の中でのイチオシ展示は、誰もが教科書などで一度は目にしたことのある光悦の代表作・国宝「舟橋蒔絵硯箱」です。これが冒頭に展示されているのもインパクトがありました。正直、これを見るだけでチケット代はペイされましたw。あの不思議なカタチと図案に目が奪われました。
こっちもマニアックな視点なのですが、光悦蒔絵と呼ばれる漆芸に対して鋭い指摘がなされており、読んでいて「へー、そうだったんだ」となりましたし、様々な行程や職人が携わる漆芸において作者というものについても考えさせられました。なお、図録に「光悦蒔絵」と舟橋蒔絵硯箱」という解説が載っていて面白かったので、図録だけでもゲットして読んでみてください。
エピローグ
今回は、東京国立博物館に特別展「中尊寺金色堂」と特別展「本阿弥光悦の大宇宙」を見に行ってきました。どちらも見応えのある展示ですごくいい時間を過ごせました。
今回は、時間の都合で常設展である総合文化展を回ることが叶わなかったのですが、いつか東博の総合文化展についてもお話できればなと思うのでぜひお楽しみに。
そして、今回の戦利品は、2つの特別展の図録です。先程もちらっと触れましたが、図録の中のコラムとか読むと結構興味深いことが書いてあるので、ぜひ図録は復習のために買うことをおすすめします。
以上博物館オタ活日記#3 東京国立博物館~特別展本阿弥光悦の大宇宙/特別展中尊寺金色堂~でした。今回も博物館オタクの長い話を読んでいただきありがとうございました。
今回伺った東京国立博物館以外にも素晴らしい博物館が日本のみならず世界中にあります。ぜひ、様々な博物館に足を運んでみてください!それでは良い博物館ライフを!