2.テオティワカン 神々の都:特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」見聞録 その02
2024年03月20日、私は国立国際美術館を訪れ、一般客として、特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」(以下同展)に参加した([1],[2])。
同展「2 テオティワカン 神々の都」での展示物を紹介する。
テオティワカンは海抜2,300mのメキシコ中央高原にある都市遺跡である。死者の大通りと呼ばれる巨大空間を中心に、ピラミッドや儀礼の場、官僚の施設、居住域などが整然と建ち並んでいた。太陽や月のピラミッドはまさに象徴的な存在である。スペイン侵攻以前から話されていたナワトル語で「神々の座所」を意味するテオティワカンは、当時の民族や言語も未解明な謎の多い文明であるが、美術や建築様式はその後も継承される([3],[4]のp.54)。
太陽のピラミッド(図02.01,4のp.60)で主に、死のディスク石彫(図02.02,4のp.60-61)と火の老神石彫(図02.03,4のp.63)が出土した。
月のピラミッド(4のp.64)で主に、耳飾りを着けた女性立像(図02.04,4のp.66)、首飾り(図02.05,4のp.67)、モザイク立像(図02.06,4のp.68)、エキセントリック(図02.07,4のp.69)、錐(図02.08,4のp.70)、および、小座像(図02.09,4のp.64)が出土した。
2003年、羽毛の蛇ピラミッド(図02.10)下に古代トンネル(図02.11)が偶然発見された(4のp.72)。
また主に、指令棒(采配)(図02.12,4のp.73)、鼻飾り(図02.13,4のp.73)、羽毛の蛇神石彫(図02.14,4のp.74-75)、シパクトリ神の頭飾り石彫(図02.15,4のp.74-75)、トランペット(図02.16,4のp.78)、嵐の神の土器(図02.16,4のp.79)、および、椀(図02.17,4のp.79)が出土した。
サクアラでは、嵐の神の壁画(図02.18,4のp.82)と嵐の神の屋根飾り(図02.19,4のp.83)が出土した。
ラ・ベンティージャでは、香炉(図02.20,4のp.84)、マスク(図02.21,4のp.85)、および、鳥形土器(図02.22,4のp.86)が出土した。
他に、盾を持つ小像(図02.23,4のp.85、出土地不明)、三足土器(図02.24,4のp.90、テティトラ出土)、および、鏡の裏(図02.25,4のp.91、テオティワカン出土)が展示された。
サポテカ文明の人形骨壺はテオティワカン内のオアハカ移民地区で出土した土製壺で、モンテ・アルバン(アツォンパ)で作られ、持ち込まれたと考えられる(図02.26,4のp.87)。
いずれの出土品も、古代都市テオティワカンの歴史を感じさせるものである。
参考文献
[1] 株式会社 朝日新聞社,特殊法人 日本放送協会(NHK),株式会社 NHKプロモーション.“特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」 ホームページ”.https://mexico2023.exhibit.jp/,(参照2024年06月28日).
[2] 株式会社 NHKエンタープライズ.“特別展「古代メキシコ ―マヤ、アステカ、テオティワカン」見どころからグッズまで徹底レポート!”.NHKグループ モール ホームページ.読みもの.2023年07月21日.https://nhk-groupmall.jp/blogs/read/ancient-mexico-report,(参照2024年06月26日).
[3] 独立行政法人 国立文化財機構 東京国立博物館.“特別展「古代メキシコ -マヤ、アステカ、テオティワカン」”.東京国立博物館 トップページ.展示・催し物.展示.平成館(日本の考古・特別展).https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2565,(参照2024年06月26日).
[4] 特別展「古代メキシコ―マヤ、アステカ、テオティワカン」公式図録,216 p.