第18回(通算54回)大阪糖尿病協会会員総大会レポート

2016年11月12日、私は第18回(通算54回)大阪糖尿病協会会員総大会(以下同大会,1)に参加した。

同大会内の特別講演「合併症予防のための対策~健やかに糖尿病とともに生きるために~」を拝聴し、主に以下のことを知った。
 韓国成均館(ソンギュングァン)大学校チャン・ヨースー博士らによる大規模コホート研究から、過体重と肥満は慢性腎臓病発症率増加に関連することが示された。これから、代謝的に健康な肥満が無害な状態ではないこと、そして、代謝異常とは無関係に肥満が腎機能に有害な影響を及ぼす可能性があることが示唆される。なお、本研究の限界は、各受診時に1回の測定で慢性腎臓病を識別したことである(2)。
 糖尿病患者では、非糖尿病患者と比較して不眠が約2倍で、睡眠時間が短縮するにつれて糖尿病の有病率が上昇する。睡眠障害のある人では2型糖尿病の発症率が高くなる。そして、血糖コントロールが悪化することで「睡眠障害→早朝血圧値の上昇→心血管イベントリスク増加」という悪循環に陥りやすくなる(3,4)。
 東北大学が実施した22,000人の日本人男性を対象にした研究によると、睡眠時間が7時間未満の群では前立腺がん発症率が高く、その発症率は、睡眠時間が9時間以上の群では睡眠時間が7~8時間の群の1/2以下である。一方、がん患者の睡眠障害として不眠症の頻度が高く、その大半はがんとその治療に関連する2次的に生じる肉体的または心理学的要因である。がん自体が睡眠障害を引き起こすだけでなく、その治療に用いられる薬物が不眠症の原因となることもある。こうした睡眠障害の治療法には薬物療法、並びに、騒音防止や室温調節等の薬物を使わない方法がある(5)。

同大会内の特別講演から、特に代謝的に健康な肥満が無害な状態ではなく、代謝異常とは無関係に肥満が腎機能に有害な影響を及ぼす可能性があること、並びに、睡眠の重要性を知ることができた。
私は現在減量中であるが、これからも減量に励んでいきたいと考える。また、最善の睡眠をできるだけ維持したいと考える。

参考文献
1 大阪糖尿病協会.“第18回(通算54回)大阪糖尿病協会 会員総大会の案内”.大阪糖尿病協会 ホームページ.大阪糖尿病協会.http://osakadiabetes.org/kyoukai/event/18th_meeting.html,(参照2019年11月12日).
2 株式会社 時事通信社.“肥満は慢性腎臓病のリスクに”.時事メディカル ホームページ.ニュース.研究・論文.2016年08月30日.https://medical.jiji.com/topics/19,(参照2019年11月12日).
3 大阪市立大学.“睡眠障害が糖尿病の血糖改善や血管障害防止に有効な治療ターゲットであることを解明”.大阪市立大学 ホームページ.新着情報.2015年度.2015年04月14日.https://www.osaka-cu.ac.jp/ja/news/2015/05llq8,(参照2019年11月12日).
4 株式会社 創新社.“血糖コントロールを改善すれば睡眠の質も改善 睡眠障害は治療できる”.糖尿病ネットワーク ホームページ.ニュース/資料室.2015年.2015年04月23日.http://www.dm-net.co.jp/calendar/2015/023361.php,(参照2019年11月12日).
5 株式会社 QLife.“がんと睡眠 睡眠ががんを防ぐか”.がんサポート ホームページ.連載.インターネットで探るがん情報.2013年04月.https://gansupport.jp/article/series/series09/4686.html,(参照2019年11月12日).

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