2024年度 京都大学犬山キャンパス一般公開 訪問記:サルの研究は非常に奥深い。
2024年10月26日、私は2024年度 京都大学犬山キャンパス一般公開に参加するために、京都大学 ヒト行動進化研究センター(Center for the Evolutionary Origins of Human Behavior, Kyoto University:EHUB)を訪れた(図01,[1],[2])。
1番目に、EHUBセンター長による挨拶で、サル類を用いる研究の重要性、EHUBの概要、および、EHUBによる研究が紹介された([3],[4],[5])。
2番目に、参加者はチンパンジー スカイ ラボ(チンパンジーの実験空間)を見学した。なお、参加者はチンパンジーから「手荒い歓迎」を受けた。
3番目の対面・オンライン講演会 今井 啓雄 教授「霊長類の採食多様性と味覚の進化・退化」は以下の研究に関連するものであった。
a.「ゲラダのゲノムから、過去の気候変動と遺伝子の変動との関連性を読み解く」([6])
b.「コロブス類霊長類の甘味感覚の低下を見出しました」([7])
c.「葉食ザルの苦味感覚」(図02,[8])
d.「紀伊半島におけるニホンザル苦味感覚の進化 -野菜や柑橘類の苦味をわからないサルが急速に拡散した-」(参考資料,[9])
e.「竹食サル類の苦味感覚の進化を解明 -竹が先か苦味が先か-」(参考資料,[10])
f.「盲腸に味覚? コモンマーモセットの盲腸における味覚情報伝達分子群の発現」(参考資料,[11])
g.「霊長類における苦味受容体遺伝子の分子進化と生態適応」([12])
h.「口頭発表 葉食適応を果たしたコロブス類の苦味受容体はどのように進化しているか」([13])
i.「47. 深野祐也 (2023) ヒトの酸味選好性の多様性と役割 : 進化の観点から. 食と緑の科学, 77, 41-45. 日本語全文(pdf)」(参考資料,[14])
j.「霊長類におけるグルタミン酸の旨味の起源―体の大きな霊長類は旨味感覚で葉の苦さを克服―」([15])
そして、4番目の犬山キャンパス見学会で、参加者は霊長類の骨格標本(図03,図04)、猿人の化石(図05)、原人の化石(図06)、チンパンジーと人類の進化(図07)、アカゲザルのコロニー、分子生物学的試料、細胞試料、および、研究室を見学することで、EHUBによる研究を知ることができた([16])。
私は2024年度 京都大学犬山キャンパス一般公開に参加することで、EHUBによる研究を知ることができた。
特に、「霊長類の採食多様性と味覚の進化・退化」は私を魅了するものであった。なお、私は哺乳類、特に霊長類の採食多様性、味覚、および、腸内細菌の関係に関心を抱いている。
話は変わるが、私はEHUBを訪れたときは空腹であった。私が空腹を訴えたとき、職員の1人がカップうどんを振舞ってくれた。その意味でも、私はEHUBに非常に感謝している。
参考文献
[1] 国立大学法人 京都大学 ヒト行動進化研究センター.“2024年度 京都大学犬山キャンパス一般公開”.京都大学 ヒト行動進化研究センター ホームページ.ニュース.2024年09月05日.2024年度 京都大学犬山キャンパス一般公開 申込締め切りました.http://www2.ehub.kyoto-u.ac.jp/official/inuyama2024/index.html,(参照2024年10月29日).
[2] 国立大学法人 京都大学 ヒト行動進化研究センター.“犬山キャンパス一般公開を開催しました。(2024年10月26日)”.京都大学 ヒト行動進化研究センター ホームページ.ニュース.2024年11月01日.https://www.ehub-kyoto-u.com/post/%E7%8A%AC%E5%B1%B1%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%82%B9%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%85%AC%E9%96%8B%E3%82%92%E9%96%8B%E5%82%AC%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82-2024%E5%B9%B410%E6%9C%8826%E6%97%A5,(参照2024年11月05日).
[3] 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 霊長類医科学研究センター.“研究関連”.医薬基盤・健康・栄養研究所 霊長類医科学研究センター ホームページ.https://tprc.nibiohn.go.jp/research/,(参照2024年10月29日).
[4] 国立大学法人 京都大学 ヒト行動進化研究センター.“センターについて”.京都大学 ヒト行動進化研究センター ホームページ.https://www.ehub-kyoto-u.com/aboutehub,(参照2024年10月29日).
[5] 国立大学法人 京都大学 ヒト行動進化研究センター.“研究組織”.京都大学 ヒト行動進化研究センター ホームページ.https://www.ehub-kyoto-u.com/researchunits,(参照2024年10月29日).
[6] 国立大学法人 京都大学 ヒト行動進化研究センター.“ゲラダのゲノムから、過去の気候変動と遺伝子の変動との関連性を読み解く”.京都大学 ヒト行動進化研究センター ホームページ.最新の研究成果.研究成果.2024年09月18日.https://www.ehub-kyoto-u.com/20240918-imai,(参照2024年10月31日).
[7] 国立大学法人 京都大学.“コロブス類霊長類の甘味感覚の低下を見出しました”.京都大学 ホームページ.最新の研究成果を知る.2018年09月10日.https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2018-09-10,(参照2024年10月31日).
[8] 国立大学法人 京都大学.“葉食ザルの苦味感覚”.京都大学 ホームページ.最新の研究成果を知る.2017年01月25日.https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2017-01-25,(参照2024年10月31日).
[9] 国立大学法人 京都大学.“紀伊半島におけるニホンザル苦味感覚の進化 -野菜や柑橘類の苦味をわからないサルが急速に拡散した-”.京都大学 ホームページ.最新の研究成果を知る.2015年07月23日.https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2015-07-23,(参照2024年10月31日).
[10] 国立大学法人 京都大学.“竹食サル類の苦味感覚の進化を解明 -竹が先か苦味が先か-”.京都大学 ホームページ.最新の研究成果を知る.2021年04月16日.https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2021-04-16-1,(参照2024年10月31日).
[11] 国立大学法人 京都大学.“盲腸に味覚? コモンマーモセットの盲腸における味覚情報伝達分子群の発現”.京都大学 ホームページ.2013年07月10日.https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/archive/prev/news_data/h/h1/news6/2013/130710_1,(参照2024年10月31日).
[12] 国立大学法人 京都大学.“霊長類における苦味受容体遺伝子の分子進化と生態適応”.京都大学学術情報リポジトリ KURENAI ホームページ.002 学位論文.050 博士(理学).2015年03月23日.https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/handle/2433/199153,(参照2024年10月31日).
[13] 国立研究開発法人 科学技術振興機構.“口頭発表 葉食適応を果たしたコロブス類の苦味受容体はどのように進化しているか”.J-STAGE トップページ.霊長類研究 Supplement.第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会.書誌.https://www.jstage.jst.go.jp/article/primate/29/0/29_98_1/_article/-char/ja/,(参照2024年10月31日).
[14] 国立大学法人 千葉大学大学院 園芸学研究科 作物学研究室 深野祐也 Yuya Fukano, Ph.D..“日本語全文(pdf)”.深野祐也 ホームページ.出版物Publications.47. 深野祐也 (2023) ヒトの酸味選好性の多様性と役割 : 進化の観点から. 食と緑の科学, 77, 41-45..https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900121831/S18808824-77-P041.pdf,(参照2024年10月31日).
[15] 国立大学法人 北海道大学 大学院 環境科学院/地球環境科学研究院.“霊長類におけるグルタミン酸の旨味の起源―体の大きな霊長類は旨味感覚で葉の苦さを克服―”.北海道大学 大学院 環境科学院/地球環境科学研究院 ホームページ.プレスリリース.月別アーカイブ.2021年8月.2021年08月27日.https://www.ees.hokudai.ac.jp/?p=320,(参照2024年10月31日).
[16] 国立大学法人 京都大学 ヒト行動進化研究センター.“研究リソースと設備”.京都大学 ヒト行動進化研究センター ホームページ.センターについて.https://www.ehub-kyoto-u.com/resourse,(参照2024年10月31日).