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「京都大学アカデミックデイ2022」見聞録08:06.ワイヤレス人体センシング

2022年06月19日、私は「京都大学アカデミックデイ2022〜創立125周年記念〜」(以下「アカデミックデイ2022」、ロームシアター京都にて開催)に一般客として参加した([1])。

「アカデミックデイ2022」内の「プロム6 ワイヤレス人体センシング」で、大学院工学研究科 電気工学専攻 システム創成論分野 阪本研究室 阪本卓也 教授(以下敬称略)らは、非接触見守りセンサであるVitaWatcher(ビタウォッチャー)(以下同機)を株式会社マリと共同開発したことを発表した。

同機は非接触にて対象者の呼吸や心拍による体動をモニタリングするデバイスである。COVID-19診療において、重症化の前には呼吸数が上昇することがわかっている。病室などにビタウォッチャーを設置し、スタッフ ステーションで多数の患者を遠隔で継続して見守ることで、症状悪化の早期発見・早期治療へ貢献することが期待される(図06.01,[2][3][4])。

図06.01.VitaWatcher(ビタウォッチャー)。ノートPCと接続。

なお、同研究室の研究内容は以下の通りである。

1.電波による人体イメージング:歩行中の対象者の隠し持つ不審物のスクリーニングなどに使用できる。

2.ワイヤレス生体計測技術:VitaWatcher(ビタウォッチャー)。

3.ワイヤレス睡眠モニタリング:この種の電波計測はカメラとは異なりプライバシーの問題を回避し、心電計のような不快感もなく、快適に睡眠を測定することができる。

4.人工知能によるワイヤレス人体行動モニタリング:電波による非接触計測はプライバシーの問題と安心な暮らしを両立する鍵となる。ワイヤレス人体モニタリングにより異状が検出されれば、即座に医療機関等へ通報することで、安心して暮らせる社会を実現できる。

5.ワイヤレス人体測定によるジェスチャー自動識別:電波による人体の測定と人工知能を組み合わせることでジェスチャーの自動識別が実現すれば、画面に触れることなく操作可能な、次世代のインターフェースとして注目されている。

阪本研究室による研究成果の実現が楽しみである。



参考文献

[1] 国立大学法人 京都大学.“アカデミックデイ2022”.K.U.RESEARCH ホームページ.アカデミックデイ.https://research.kyoto-u.ac.jp/academic-day/a2022/,(参照2024年08月31日).

[2] 国立大学法人 京都大学.“ワイヤレス人体センシング”.K.U.RESEARCH ホームページ.アカデミックデイ.アカデミックデイ2022.https://research.kyoto-u.ac.jp/academic-day/a2022/a2022-p006/,(参照2024年08月31日).

[3] 国立大学法人 京都大学.“2022_06_poster.pdf”.京都大学学術情報リポジトリ KURENAI ホームページ.900 京都大学シンポジウム・公開講座等.京都大学アカデミックデイ.2022(京都大学アカデミックデイ2022).ポスター/展示.タイトル:ワイヤレス人体センシング.2022年06月19日.https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/275936/1/2022_06_poster.pdf,(参照2024年08月31日).

[4] 株式会社 マリ.“VitaWatcher(ビタウォッチャー)”.マリ ホームページ.製品.https://marisleep.co.jp/wp/pdf/VitaWatcher.pdf,(参照2024年08月31日).

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