⑸遡及推論
時間を遡って考えていく
府中「ふむふむ。そうすると点が入らない、失点も多い負けるんですね。では点が入らないのはなんでですか?」
竹松「まずはシュート数が少ないな。打たなきゃ入らない。でも打てたとしても決定力に欠ける。両方が攻めについては課題だなー。」
府中「なるほど。もう少し深掘りしますね。シュート数が少ないのは理由がありますか?」
竹松「攻めきれないんだよ。攻めに人数をかけれない。オーバーラップ(守りが上がって攻めに加わること)がない。うちは走力がないんだな。走れるチームにするためには体力を上げていかないと。試合で勝てないからモチベーションも上がらなくて、練習量も少なくなっている。そうすると技術も上がらないし、連携にミスが出る。そうするとボールを奪えれて失点にもつながっているんだ。」
竹松「うーん。攻めきれないことと失点してしまうことは関係なさそうで、あるような感じですね。後でもう少し整理しますね。まずは攻め。他にも決定力が低いことを理由に挙げてましたよね。」
竹松「そう。シュートの精度が低いと攻めれていても、キーパーに止められてしまう。精度が低いのは技術的なとこだな。こう聞かれると理由がたくさんあるな。。」
府中「結果にも原因があります。さらに言えばその原因にも、元になる原因があると考えます。そこをどんどん遡っていくことで原因がはっきりしていくと思いません?そこが曖昧だと解決策も曖昧になって、なんとなく、になってしまいますよ。攻めについて、今考えられるのはその辺りですか?」
竹松「そうだな。」
今の部分をアローチャートで整理すると、このような図になります。
先ほど結果には原因があると話しました。
事象には理由があるということです。WHY型思考などともいわれますが「なぜ?」と問いを立てることで時間軸が過去に遡ります。WHY型思考については、ここでは詳しく触れませんので気になる方は、参考文献を是非お読みください。
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ここでは「なぜ?」と問いかけることで時間軸が遡ることについて、少しお話しさせていただきます。結果には原因があるとお話ししました。
その原因にも原因があるかもしれない。そのように原因と結果の関係を見ていくときに時間を遡って考えていくことを遡及推論と言います。
時間を遡って原因を考えてくんですね。今の結果は、今の現象だけを解決しても、それは対処となり、根本の解決には向かっていかない可能性があります。体のことで考えると、腰痛はその典型的な例かもしれません。
僕たちは腰が痛いと整骨院に行く場合と整形外科に行く場合がありますよね。どちらも必要なことだとは思いますが筋肉をほぐすことで、その場では楽になったけど数日後にまた筋肉が張ってしまい、腰が痛い。また整骨院に通う。なんてことを長い間続けている人が周りにいませんか?
これは対症療法という言い方をします。その場の困りごとへの対処ですね。腰痛の原因はわからないままです。でも腰痛には原因があり、姿勢が悪いのかもしれないし、筋肉が少ないのかもしれない。はたまた内臓が悪さをしているかもしれません。姿勢、筋肉、内科的疾患、どれにもその原因があるかもしれません。遡及推論はその原因を遡及して考えて、より根本に近いところの解決を考えていくというものです。
次回は「悪循環」についてをお送りします。