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佐野元春 & THE COYOTE BAND ロッキン•クリスマス2024☆東京公演
東京恵比寿にある恵比寿The Garden Hallで、元春とコヨーテバンドによる恒例のクリスマスライブ、ロッキン•クリスマスに行ってきました。
2011年にスタートしたこのクリスマスライブは、コロナ禍で2020年と2021年は開催されていませんが、ここ数年は定期的に開催されています。そして24日に開催されるのは、実は初めてということでした。
19日に大阪、20日に名古屋、そして24日と25日に東京という日程。
今回は東京公演の初日、24日の参加です。
恵比寿ガーデンホールは、恵比寿ガーデンプレイスという施設の一部になるホールになります。
このクリスマスの時期になると、クリスマスのイルミネーションが楽しめていいんですよね。
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キャパはスタンディングだと、1500名、椅子を置く指定席になると約700名が収容できるようです。ロッキン•クリスマスのライブに至っては、座席指定になるので、待ち時間もゆっくりできるようになっていて、足の負担が少なくなります(笑)
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ホールに入り、階段を上がると人で賑わっています。
それもそうで、ここでは、ドリンクの他に、軽く食事できる選べる3種タパスセットというメニューがあるので、開演まで、飲みながらゆっくり待つことができるようになっているのでいいですよね。
ギャラリーコーナーもあり、過去の写真も飾られていました。
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さて今回は7列目のほぼ真ん中といういい席。待っている間はクリスマスソングが流れて会場がミラーボールで煌びやかに演出されています。
開演は19時、ほぼ定刻で客電が消えてライブがスタート!この瞬間はいつでも、これからのワクワク感があってアドレナリンがでますね。
コヨーテのメンバーがステージに上がり、最後に元春が登場。お揃いのシャツとベストとパンツのスリーピーススーツでみんなキマッています。
ハローエブリワンと、ご挨拶とばかりに、再定義と呼ばれる「Young Bloods2024」でスタート。
"この街のニューイヤーズデイ"というラインが消えて、お正月のイメージがなくなっていくのは少し寂しい気持ちも正直ありますね。まぁ曲自体はシェイプアップされてよりシャープになった印象だけれども。
そして、2曲目、イントロでは何の曲だかわからなかったけど、ガラスのジェネレーション!(再定義的には、「つまらない大人にはなりたくない」というタイトルになっていますが)
これには驚きました。最終ヴァースでは、つまらない大人にはなりたくない のフレーズをリフレインしていたのが印象的でしたね。2024年の現在この曲を再定義した理由は気になるところです。自分の曲から離れて、もうこれはファンそれぞれの曲。それをもう一度この時代に有効なメッセージなのか試してみた。そんな感じでしょうか。
そこから、もうお馴染みのコヨーテバンドアレンジになったモータウンビートの「ジュジュ」
コヨーテクラシックと言ってもいい「バイ•ザ•シー」アッキーとフカヌーのギターソロと元春も珍しくギターソロを披露して盛り上がりました!
「世界は慈悲を待っている」と続いて、ZeppTourで披露された「欲望」この再定義はアッキーのアバンギャルドなギターと元春のウーリッツァー、シュンちゃんのキーボードで始まる。照明もこの3人にスポットがあたり幻想的な雰囲気になるところがいい。そこから、テンポが変わり、コマボーのドラムス、カーリーのベース、フカヌーのギターと彩りが徐々に加わって盛り上がりを見せてくる。そんな瞬間が続き目を耳を離さない空間が出来上がる。それはまさしくバンドマジックなんだろう。
そして続くのは、再定義の「インディビジュアリスト」えーっとですね、この曲に関してはまだ違和感があってうまく乗れないのが正直なところ。
やっぱり「インディビ」はスカのビートで踊りたい!そんな僕はつまらない大人になってしまっているのか(笑)
そして、アッキーのウクレレで始まるコヨーテバンドのクリスマスソング「みんなの願いかなう日まで」今ここにはいない大事な人に向けて というラインは改めて聴くといろいろな感情や思いが詰まっている曲なんだなって思いました。
ここで一旦20分間の休憩。2部構成になっていて前半は45分くらいでしょうか。
後半がスタート。元春はビルボードライブでよく着ていた印象がある、えんじ色のスーツに着替えています。
そして、元春がウーリッツァーのところに座って、何が始まるのかと思ったら、なんと「雪 あぁ世界は美しい」だ!
シュンちゃんのピアノ、そしてフカヌーのギターソロ。ハートランドの音をほぼ原曲通りに演奏しつつコヨーテバンドの音になっている。この曲をもう一度聴けたというのは、このライブのハイライトのひとつだろう。そして元春のヴォーカルもおそらく当時のキーのままなんじゃないかな。声がとてもよく出ていたと思う素晴らしい演奏と歌を体験してしまった。
「君が気高い孤独なら」
こんな寒い時期に聴くと最高な「冬の雑踏」コヨーテのスカチューンの「愛が分母」と続いて
この曲を聴きにきたといって過言ではない永遠のクリスマスソング「クリスマスタイム•イン•ブルー」
本当の意味での平和を願って、そんなニュアンスのMCも心に響いた。最後のコール&レスポンスでは、最前列のオーディエンスにマイクを向けていて、あぁコロナ禍を越えていつもの風景が戻ってきたんだな。なんて感傷的になっている暇もなく、レゲエのビートと間奏のテンポチェンジしてからのダブ•ビートで踊りましたよ。
『今、何処』から、ダイナミックでThe Whoを思わせるアレンジ。元春が腕をグルグル回すウィンドミルもでた「水のように」そして間髪入れず始まる「大人のくせに」最後のキラーフレーズ"英雄もファシストもいらない"のところでは顔の表情とアクションが印象に残りました。
「La Vita é Bella」で本編は終了。
ここまでの印象としては、過去にあったような特別なコーナー的演出の要素はなくサラッと流れていった感じでしょうか。
そして何といっても元春の笑顔が多いんですよね。通常のライブとは違う、ある意味リラックスしているステージ。そのような空気が実は違和感があった時期もあったんだけど、そんなこじらせは何処かに捨てて、素直に楽しめばいい!そんな事を今は感じています。
アンコール!コヨーテのメンバーはそれぞれクリスマスのダサセーター??などの衣装に着替え、元春は赤シャツで登場。
「エンタテイメント!」「純恋すみれ」とコヨーテの人気ナンバーが続く。最高に盛り上がりました!
そしてキャンディアップルレッドのストラトキャスターをかけて、始まったのは、「ダウンタウンボーイ」シングル•ヴァージョンをほぼ再現したアレンジ。ラストのシャラララ〜のコーラス部分がよかった。
ギターを上に掲げてフィニッシュ!
そして、これで終了か、というところだったけど、みんなの歓声がすごい!
アッキーも困った顔してた(笑)クールな印象があるコヨーテバンドのメンバーだけど、このアッキーの演奏中の楽しそうな笑顔やステージアクションが華を持たせているんですよね。素晴らしい思います。
元春もこの声援に負けて(笑)メンバーを再度集めてヒソヒソ。そこでまたみんな定位置に戻った。ギターをローディからまた受け取り、Eのコードをトワンギンに鳴らして、「アンジェリーナ」キター!おー、こういうのがあるから、ライブは楽しい。コヨーテバンドになってから、3番の歌詞をコマボーが一緒に歌うところが好きなところでもあります。
元春も少し声が枯れ気味になって少し辛そうだったけど、ビシッとロックンロール、キメてくれました。
そしてメンバー紹介、みんなに感謝の意を伝えて、21時過ぎに終了。素晴らしい会場の雰囲気に包まれたクリスマスの夜でした🎄
来年はデビュー45周年とコヨーテバンド20周年の年。ホールツアーも準備しているそうなので楽しみに待つ事にしましょう。
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ちなみに今回からセットリストの公開は会場で並んで見るのではなく、会場に入った時にもらったプレミアムチケットの裏面のQRコードを読み取ってサイトに移動できる仕組みになりました。これで長い行列に並ばなくても確認できるので、いい事だと思いましたね。
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クリスマスのイルミネーションの様子を見ながらの帰り道は、なんだかわからないけど、元春の音楽に触れた14歳の冬を思いだして、その時の自分を褒めてあげました(笑)それはセンチメンタルな感情ではなく、元春が今、こうして活動を続けてくれてるおかげで、年月は過ぎたけれども出会った頃と変わらずにまだ感じることができてるよ、と。