辞書を古本で買ったわけ
大学院の修士課程1年目が終わり、春休みに入りました。
講義がなくなると途端に曜日感覚がなくなり、ちまちまアルバイトをしながら自分の研究を進めてみたり、停滞させてみたりの日々です。
そのなかで、春休み中に考えておかなければならないのが来年度の履修について。
学部生の頃は、4月に入ってからゆるゆるシラバスと時間割を眺めて必修から埋めて、次に興味ある授業をピックアップしていき、それらの曜日時限が重複していないかを確認して履修登録といった流れでした。
しかし、大学院に進んでからはそもそも時間割というものがなく、先生や他の履修者と調整の上、スケジュールを組んでいくというスタイルになりました。
(他大学でも履修させてもらっているゼミがありますが、そちらの大学院はあらかじめ時間割が決まっているので、一概には言えないようです)
2月末には来年度履修可能な講義・演習が一覧で配布されたので、早々に先生方にメールを送ったところ、快く履修希望を受け入れてくださるとのお返事をいただきつつ、ひとつ、新たに辞書を用意しなくてはならないことが判明しました。
類似のものを既に持っていたら改めて購入する必要はない旨が補足されていましたが、持っていませんでした(分野必携の書のため、類似のものを持っている気がしないでもなかったのですが完全に気のせいでした)。
学部生も授業で使うような辞書のため、新品で買っても3,000円程といった大変な良心価格ですが(金銭感覚崩壊)、なんといってもお金のない限界大学院生。
まずは図書館の閉架に入っていないものかと探してみましたが、禁帯出の嵐。そりゃそうですよね。
ならば少しでも安く手に入れられないものか……と古本を探してみることにしました。
さすが分野必携の書ともあって、インターネットでもわんさわんさと見つかりますが、売りに出されてはすぐに売れ、と出入りが激しい様子。
とはいえ、ほぼ新品で新品とほぼ同じ金額のものが散見されて、「それなら新品でよいのでは……?」と思う中、タイミングよく半値以下のものを見つけました。
注に「書き込みあり」とあったため、その分の値引きかと思いますが、辞書としての機能を果たしてくれればそれでよい人間にとっては「構いません!」と即購入した次第です。
話がちょっとそれますが、以前学術雑誌を古本で購入した際も、書き込みありで安価に手に入れることができました。
引いてあるラインを見て「あ!やっぱりそこ気になりますよね」など勝手に共感しながら、前の持ち主の方がどんな研究をしていたのかを想像してにんまりした記憶があります。共感者求ム。
今回はインターネットで注文したため、後日手元に届いて中を確認してみましたが、とても丁寧な字で時折補足のようなメモ書きがあったり、頻出と思われるものにはマーカーが引いてあったりしました。
それでも状態がよく、「大事に使っていたのだなあ」と勝手に想像した前の持ち主に思いをはせてみたりしたのでした。共感者求ム。
きっと真面目に授業を受けていたのだろう、と思いながらも、手放すということはもう必要なくなったのか……、と勝手に少しだけ切ない気持ちにもなりながら、ありがたくこれから大事にたくさん使わせてもらおうと思います。