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外国人雇用、国際規範とズレ

今日は技能実習生の記事が日経新聞に載っていたので、このことを取り上げたいと思います。

私の嫁はもう永住権を持っているので普通に働いていますが、8年ぐらい前に働いていた工場に2年間の期間で20代のベトナムからの実習生が働いていて、嫁を通じて仲良くなって彼女たちの生活を目の当たりにしていたので、とてもこの話には思い入れがあります。

というのも、やっぱり日本は本来の技能実習生の制度を理解して働く経験を積んでもらうというよりも、日本人で集まりにくい職種で、出来るだけコストを掛けずに働いてもらおうという、あえていうなら「奴隷制度」的な使い方をする企業も多いと思いました。

彼女たちの額面支給額は16万円ですが、手取りは10万を切っていました。
1人では暮らせないので築50年の2DKアパートに3人で暮らして、ご飯は安い野菜ばかり食べていました。

殆ど外食も娯楽もしないどころか、嫁が当時通っていたNGOの日本語教室にもお願いして通わせてもらい日本語を勉強する真面目さでした。

横で見ていて「なんか報われないなぁ」と感じる暮らしぶりだったのです。

今、そんな不平等な研修について

国内合法でも「人権侵害」

ということにスポットが当たってきています。

そんな技能実習生の実態を

*日本の法制度と国際規範とのズレ
*国際規範を重視する企業が出てきた
*日本から是正働きかけを

とみていきながら

国際世論の要求水準を満たして労働者を保護することが重要に

もう、外国人労働者を下にみて、利用する事は国際的に許されなくなってきている事をしっかり感じたいと思います。

*日本の法制度と国際規範とのズレ

新型コロナウイルス対策の入国制限が緩和されて、ようやく入国できたベトナムやインドネシアからの技能実習生が入国出来て研修を経て介護施設で働き始めています。

2021年度の賃金構造基本統計調査によると実習生の所定内給与は平均16万4千円だそうです。

ベトナムは分かりませんがフィリピン国内は最低賃金が日給570ペソ=1425円です。
なのでこの金額でも実は彼らにとっては破格の給料です。しかし生活費もそれに合わせて大きくなりますから貯金できる金額はやっぱりそんなに多くありません

でも、この金額は私が8年前に聞いた賃金から上がってないですよね。

しかもほぼ同年代(25~29歳)の日本全体の平均給与36万5000円と比較してみると、非常に低いことがわかります。同一労働統一賃金の原則はどうなったのでしょうか?

実習生約250人へアンケートの結果、半数超が仲介業者に手数料を払ったと答えました。彼女たちは元々渡航費用がないのでエージェントに前借して返すシステムが一般的です。その時の手数料が半端ないのです。

支払った人の6割が70万円以上を負担しているといいます。妻の知り合いのベトナム人は5万×24か月だから120万円支払ったと言うことですよね。ビザや航空券を差し引いても年間50万円の手数料を2年支払った事になります。

また、転職も制限しているのです。知り合いのベトナム人はパスポートはエージェントが預かっているということなので逃げるに逃げれません。

*国際規範を重視する企業が出てきた

こうした実態について「国際規範と乖離(かいり)している」と国際労働機関(ILO)の田中竜介プログラムオフィサーは指摘しています。

実ははっきりとILOの民間職業仲介事業所条約は

「労働者から手数料または経費を徴収してはならない」

と規定しています。

「公正な人材募集・斡旋(あっせん)に関する一般原則」や実務指針も「募集・斡旋手数料及び関連費用は労働者に一切請求されるべきではない」

と定めていて、費用を請求する業者を通じては労働者と「関わるべきではない」と求めているのです

この条約批准国は日本やフランス、イタリアなど30数カ国が加入していますが、アジアの大半の国・地域は不参加となっています。

原則や指針に法的拘束力はなく、ベトナム政府などは手数料徴収を法律で認めているのが現状です。

日本ではこうした国際規範を重視する企業も出てきました。

帝人フロンティアは19年以降、グループ会社で雇う実習生の手数料を肩代わりする「ゼロフィー」に取り組んでいます。

グレーな慣行を放置すれば、本人や生産現場に悪影響を与えるだけでなく、社会的信用を損ないかねないとの判断で、必要なコストはしっかり払うべきと考えています。

国連のビジネスと人権に関する指導原則は人権への「負の影響」を特定・防止・軽減する

「人権デューデリジェンス」

などを企業の責任として挙げています。

*日本から是正働きかけを

上述の通り、移住労働者の保護を目的とする国際労働機関の条約は、アジアの送り出し各国が批准しておらず、十分機能していないのが実情です。
であれば日本側から各国に是正を働きかける必要あります。

各国からの渡航への手数料は

ベトナムの1人当たり40万~90万
インドネシアは15万~40万円、
ミャンマーは30万~50万円

程度だと言われています。
日本行きの希望者が多い国で手数料が高騰しているといわれていて、これらの国の人が思い通りに稼げないと、逃亡して不法滞在、不法就労となります。

日本では在留資格「特定技能」創設から3年になります
技能実習法の施行からもまもなく5年です。
法務省は両制度の見直しを検討する良いタイミングなのです。

国際世論の要求水準を満たして労働者を保護することが重要に

なって注視されるようになってきています。

「国境をまたいで発生している問題は、日本側の制度を変えるだけでは解決しない」

日本政府としても古川禎久法相は6月下旬にベトナムを訪問し、政府関係者に悪質な仲介業者の排除を求めました。

こうした働きかけを強め、雇用実態を国際規範に近づける努力が欠かせないと思います。

妻の友人3人のうち2人は帰国直前に、日本人男性と結婚して日本に残りました。今は余り交流もないのですが、無事日本でくらしているようです。

彼女たちは違いますが、偽装結婚の問題も実ははらむこの問題は根が深いと感じます。

#技能実習制度 #ベトナム #人権侵害 #外国人就労 #日経新聞

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