ソニーEVで新会社、異業種参入で変わる自動車業界
毎年アメリカのラスベガスでテクノロジー見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が開催されています。
メタバースなどの最先端のテクノロジーが発表されて注目を集めているのですが、その会場で記者会見を開き注目を集めたのが「ソニーのEV新会社の設立」です。
そしてウォークマンから携帯まで激しい市場争いを黒い広げたアップル社もEV参入が噂されています。
そこで今日は
*異業種からの参入が相次ぐEV市場
*異業種が参入しやすい要因
*従来の目的から広がるEVの楽しみ方
とみていきながら
世界の車は約15億台ある市場で、脱炭素に向け電動車需要が高まり、異業種を含めた多様なEVの投入が見込まれる
という産業変化をみていきたいと思います。
Vision-SのPVです。スタイリッシュな姿ご覧ください
*異業種からの参入が相次ぐEV市場
実は今多くの異業種産業からEV市場に参入する企業が増えています。
車体開発で注目の会社を紹介しましょう。
1. ソニーグループ(日本:電機)
2020年に試作車を披露して、今年春に新会社を設立して事業化を本格検討しています。
2. アップル(米:IT)
EV参入観測が度々浮上しています。
自動車関連の人材獲得に動き、1年ほど前には韓国・現代自動車などと提携交渉を進めていることが表面化しました。
3. 鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾:EMS)
電子機器の受託製造サービス(EMS)最大手としてアップルやソニーグループなどの生産を担っていましたが、20年に開発基盤を立ち上げ21年に試作車を披露しました。米国で米ゼネラル・モーターズ(GM)の閉鎖工場を買収し精密工業の製造への参入も目指しています。
4. 百度(中国:ネット)
中国の民間大手自動車メーカーでドイツの自動車メーカー「ダイムラー」の筆頭株主「浙江吉利控股集団」とEV製造の共同出資会社を設立しました。
5. ダイソン(英:家電)
ソニーグループと同じ家電事業を「祖業」とする英ダイソンは19年、準備を進めてきたEV事業への参入を断念しました。競争が激しく採算が確保できないと判断したからです。
ソニー(現ソニーグループ)がEVの試作車を公表したのは2020年のことでした。
当時から高いデザイン性などを評価する声があったものの、事業化については慎重な姿勢を崩さなかったのですが、会見で吉田社長は「試作車への反響が大きかった」ことなどを新会社を設立する理由として挙げました。
*異業種が参入しやすい要因
もともと自動車業界は新規参入が難しい世界でした。しかしこのEV市場でこれほど異業種からも参入が続くのはなぜでしょうか?
まず、他業種からの参入がしやすい要因の1つ目は
EV車の部品は約2万点で、通常の車の3万点よりかなり少なく、構造も簡単なことです。
これは、部品が少ないことで、部品調達に関わる会社を減らすことが出来ます。特にエンジンなど内燃機関は特殊な部品なのでどこでも扱える訳ではなく、既に自動車メーカーとの契約がある中に新規で取引を開始するのは難しかったのです。
要因の2つ目は
テスラでも言われている様に、車というよりは走るスマホですと説明されますよね。
それだけセンサーやカメラなどが重要な部品として使われるので、ITや家電メーカーに自社商品などのノウハウがあるのです。
ソニーならアイボのロボットでカメラ・センサーで周りをチェックしてモーターを使って動かすという技術を車に転用できるのです。
要因の3つ目は
脱炭素化でガソリン車から急激にEVへの動きが広がってきています。
ESG投資のように環境に良いことに対して投資がしやすい状況であり、それが会社の評価にも結び付く社会状況を反映しているといえそうです。
*従来の目的から広がるEVの楽しみ方
今車が社会から求められる役割が変わろうとしているような感じを受けます。
私が車の免許を取った時は、まさに移動の手段であり車を走らすこと、ドライビングを楽しむものでした。
レーサーを気取って山道を軽やかに走り抜けたりすることが憧れだったり、買い物に行って荷物をたくさん積んで帰ってくるものでした。
でも今は、例えば移動中に音楽やオーディブルなどを聞いて学ぶ時間になって来たりしています。
それは自動運転の技術の進化に合わせてその部分での可能性が広がります。
自動運転が進化していけば、運転する必要がなくなるのでよりプライベートな時間を確保するスペースになると思います。
音響やスクリーンの進化があればメタバースをVR感覚で楽しむシアターのようになるかもしれませんね。
移動以外の可能性が広がる中で車に求められる事が変わってくるような気がします。
世界の車は約15億台ある市場で、脱炭素に向け電動車需要が高まり、異業種を含めた多様なEVの投入が見込まれる
ウォークマンから時代の先取りを提案してきた「ソニー」後発のアップルに苦杯をなめてきた経験をバネに雪辱を果たすのか注目したいです。
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