トヨタがEV投資へ4兆円のシフトチェンジ
12月14日に、トヨタの豊田章男社長が「バッテリーEV戦略に関する説明会」を開催してフルラインアップでEVをそろえ世界を支える、と宣言しました。
そして
2030年までに30車種のBEV投入を表明 して、
高級車レクサス「RZ」など16車種を一挙公開しました。
そのための電動化投資は8兆円になるそうです。
世界販売目標8割増しの350万台製造への増産です。
少し前まで水素エンジン(FCV)の開発に力を入れていた豊田でしたが、ここにきてEVに大きく舵を切った形になりました。
その背景を知っていきために
*トヨタのEV販売戦略の変更
*日本でのEV販売で遅れ
*EVをめぐる自動車各社の戦略
とみていきながら
トヨタはEV戦略に出遅れているという見方をする人へ
巨額投資を行うことで噂を払拭するねらいがありそうです。
なぜなら
カーボンニュートラルの動きが世界で加速し、トヨタの主力商品HV(ハイブリッド車)では「環境に悪い」と判断されてしまう逆風
が吹こうとしていることをお伝えしたいと思います。
20年ペーパードライバーの私は、電動自動車で完全自動運転なら車にのれるかなぁと思っていますが、運転しなければ「免許いらないやん」というジレンマに陥っています。
いつになったら車に乗れる事やら、、、
*トヨタのEV販売戦略の変更
まず、今回の「バッテリーEV戦略に関する説明会」で従来の方針から変わったことをQ&Aでまちめてみました
Q.2030年までの電動化投資(うちEV投資)はいくら?
A, 8兆円(EV投資に4兆円)
Q.30年の年間EV販売台数は何台?
A, 当初の200万台(FCV込み)から350万台に変更
Q.30年までの車載電池投資の予算はいくら?
A, 当初の1.5兆円から2兆円に変更
2030年時点で約350万台ですが、これまでは約200万台としていたため、150万台も引き上げたことになります。
トヨタ自動車の年間生産台数は、2021年度の期首見通しで約930万台と予測しています。
半導体など生産部品不足などの問題から第3四半期で30万台下げており、約900万台を見込んでいます。
この目標をラインんアップではEVを30種類まで増やすことで目指します。
*日本でのEV販売で遅れ
LMCオートモーティブのリサーチでは、
電動車販売は10年で7倍に増える
ことになると見込んでいます。
欧州は2035年までにガソリンとHV車販売禁止する予定です。
欧州は現在EV車販売比10%になっています。
しかし日本はまだEV車販売費1%未満と大きな差になっていて遅れが目立っています。
遅れの要因のひとつとして、電池充電器などインフラに問題があるといえそうです。
他にもEV車に不可欠なリチューム電池のコスト高の問題や電池の材料のリチュームやコバルトという「レアメタル」も不足が予想されます。
これらのバッテリーは車全体の製造コストの4割を占めています。
*EVをめぐる自動車各社の戦略
ここではトヨタも含めて世界の自動車メーカーのEV戦略を簡単にまとめています。
トヨタ
30年には年間350万台のEV販売電池は280ギガワットを確保
ホンダ
40年に4輪車を全てEVとFCVに
テスラ
30年に3000ギガワット時の電池確保
GM
35年までに乗用車を全てEVとFCVに
VW(フォルックス・ワーゲン)
30年に欧州で240ギガワット時の電池を生産
です。
さすがに宇宙開発まで手掛けるテスラの電池確保の量は半端ないですね。
トヨタは売れ筋の
高級車レクサスも35年世界でEV比100%100万台の販売
を目標にしています。
それはなぜなら
トヨタはEV戦略に出遅れていると考えられている人が多くて、
巨額投資でその噂を払拭するねらいがありそうです。
世界は温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味するカーボンニュートラルの実現に動いています。
従来環境に優しいとされたハイブリッド車ですら、Co2を排出することで、今は「環境に悪い車」として判断されるようにシフトしてきています。
世界のトヨタは、この世界の価値観の変化に危機感を感じています。
カーボンニュートラルの動きが世界で加速しHVに逆風が吹いたことで、トヨタは自動車業界で一歩進めたんじゃないかなぁ?と感じています。
「雨降って地固まる」というトヨタのシナリオかもしれないですね。
レクサスの試乗の様子
ちょっと長くて25分ですが「バッテリーEV戦略に関する説明会」の様子です。トヨタの考え方が分かりやすかったです
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