R5弁理士試験 論文試験の開示答案

こんにちは。たけと申します。
R5弁理士試験に合格した際の論文試験の答案を開示請求しました。

試験日から時間が経っており、すごく今更ですが、試験勉強の何か参考になればと思い、試験当日の感想とともに公開しようと思います。

※一応記事は記憶の薄れてない時期に作成してます

試験当日の様子

立教大学での受験で、机の小さい教室でした。
そのため、法文集を参照しながら回答を書く際に苦労しました。
(当然かもしれませんが)貸与法文集に折り目を付けたり、定規をはさんだりしているとその都度、試験官が受験生のところに来て注意していました。

本番前に公開模試を受け、3科目を1日通しで解く練習をしていましたが、本番が一番、疲れました。
試験本番は緊張や焦りもあるので、終わった後に改めて見て簡単と思える問題であっても、本番の会場で初見で自信を持って回答するのは難しいと感じました。

以下各科目の答案になります。点数は特実135点、意匠68点、商標65点です(全体的に自分の手ごたえよりも点数が高いです)。

小さい字で汚く、所々挿入、二重線での取り消しがあり、特段読みやすくはないですが

  • 結論を間違えない

  • 条文の文言に沿って書く

  • 青本のキーワードをできるだけ入れる
    あたりを意識して書いてました。

特実 大問1

特実 大問1 表面

在外者の特許管理人(8条、184条の11)や192条の送達などが問われており、論文試験っぽくない(短答試験っぽい)問題だなと感じ、答案構成の段階で少し動揺しました。答案の表面はほとんど条文の文言の写しとなっており、回答を書いている際も合っているか自信がなかったです。

特実 大問1 裏面

設問2では自己指定型国内優先権(PCT8条(2)(b))が問われており、184条の15第1項がポイントになると思い、少し手厚く書いています。慎重に書いていたこともあり、大問1を回答し終える時点で70分ぐらい時間が経っていました。

特実 大問2

特実 大問2 表面

試験研究目的のための実施や膵臓疾患治療剤事件のキーワードに自信がなく、回答に時間がかかりました。途中、書いては二重線で消し、書いては二重線で消しを繰り返しています(答案の右上)。

特実 大問2 裏面

設問2(2), (3)を回答している時点で残り時間が少なくなっており、裏面は最低限のことしか書けておらず、字も汚いです。73条3項や104条の4の趣旨、確定した侵害訴訟の判決の効力を失わせる手段についても書けていないため、点数は大問1の方が高いと思います。

意匠

意匠 表面

問題I 設問(1)では、関連しそうなジュネーブの条文を適当に見つけて色々長く書いているものの、肝心の「意見書の提出」については書けていません。

意匠 裏面

問題I 設問(3)の2条2項1号かっこ書の輸入行為が属地主義に反しないという点は書けていません。また、問題II 設問(2)では先使用権の「事業の準備」の解釈が問題文ですでに書かれており、何を書くべきか(差がつきそうなポイント)がわかりませんでした。試験が終わった後も意匠法が一番手ごたえがなかったです。

商標

特実、意匠をとりあえずやり終えたことで気の緩みも出始め、商標法の試験が始まった段階でけっこう疲れを感じてました。

商標 表面

問題Iは、使用許諾制度の趣旨をざっくりとしか覚えておらず、要件・効果の比較についても問題IIを回答する時間の都合で、最低限のことしか書けていません(配点が40点のため80行×40点/100点=32行ぐらい書くことを目安にしていたものの、26行で終わっています)。また、答案を振り返ると専用使用権の効力について、根拠条文として30条2項を挙げるべきところで31条2項を挙げており、間違えています(答案の右側4行目)。

問題IIは、議定書3条(4)の出願日の認定が1つのポイントになりそうと思い、事案の検討から始め、出願日の認定と8条1項の無効理由の検討をしています。

商標 裏面

他に想定される無効理由として、4条1項10号だけ挙げるか、4条1項15号&19号まで挙げるべきかで悩みました。結果的に、4条1項10号が優先適用されるとすべきところを場合分けしてダラダラと4条1項15号と19号も書いてしまっており、間違えています(答案の左側)。

最後にR3 問題IIのように請求できない審判も触れた方が良いかなと思いつつも、疲れから紙面いっぱいに回答を埋めることはできなかったです。
また、過去問を解いていて、在外者の商標管理人の検討を忘れることが多く、念頭に置いていたので書くか迷いました。問題文で甲が在外者と明示されておらず「問題文に示されていない事実をあえて仮定し論じる必要はない」ともあったので、最後に書いている途中で気力もなくなり二重線で消して終わりにしました。

最後に

論文試験はすごく難しい試験ですが、相対評価なので最後まで何があるかわからない試験です。
やはり最後まで諦めないことが大切だと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございます。試験勉強の参考になりましたら幸いです。

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