[詩]ボロアパート
ポタ・・ポタ・・・ポタ・・・
雨粒がコンクリートを穿つ
幾年も繰り返してきただろうその光景
そのあとは深く痕を残す
昇ると軋む鉄筋性の階段
登り切りドアに鍵を差し込む
開けたその先はその外観とたがわない
古びた壁に天井
僕の部屋・・・
僕が生活を送るこの部屋・・・
「ただいま」
誰もいない部屋にこだまする
電灯をつけて
テーブルに鍵を置く
時間の流れでいつの間にか隣に建物がたち
日は遮られ
窓を開けた先はコンクリートの壁が立つ
雨で湿った空気を室内に呼び込む
何気ない行動
何気ない時
この部屋で過ぎていく日々を何回も過ごした
いつの間にか空気が寒くなったこの部屋で
ストーブに火をつけた
変わる四季
変わる月日
この古ぼけた建物で
僕は新しい日を紡いでいる