[詩]ブラウン管テレビ

一台のテレビが軒先に転がる
外装はなくなり
中身が姿を現している

その姿は
土にかえることなく
今も昔もその画面には
世の中を映す

一時代を築いたその姿は
称えられることなく
ただゴミと揶揄されて
今も行き場なくそこにある

いつかの輝きはなく
ただただじっと
砂嵐と呼ばれた
あの映像すら流さずに
今はそこに通り行く時代を映すのだ

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