[小説]異世界とかいう擦り尽くされた世界に私はいます#1
ぽけ~~~
空が青いです
ぽけ~~~
あっ今ドラゴンが飛んでます。でかいです
ぽけ~~~
光りましたなんか、あっドラゴン落ちました。
ぽけ~~~
あ~燃えてます。なんか燃えてます。はい。
ぽけ~~~
うーわ、爆風すご・・・
ぽけ~~~
空が・・・青いです
「これは・・・」
なぜこうなったのだろう?
ていうかなんだろうこれ?
・・・・・・・・
帰り道ただただいつもの帰り道
電車の中疲れて開いた座席に座り
ほんの少しの目を閉じただけだった
そしたら
・・・・・・・・
「は!!!これが!!!」
瞬時に思い浮かぶ!
そう、「あれここは?どうなんてる!?」なんて
そんなしおらしい対応なんてしません!
「異世界召喚!!!」
オタクなら誰もが(偏見)夢見る幻のシナリオ!!
「じゃ!!!」
そうやって周りをみる
「・・・」
くまなく見る!
「・・・・誰も・・・いない・・・」
そして
「はーーー・・・・・」
深くため息をつく
なぜなら
「ここはまず美女が!目覚めましたね。ニコ・・・って感じのが定番でしょが!!!!」
主人公はまずは美女との出会いを経てからの
異世界生活!!!
これ基本だよ!!
「いや!まさか!!!」
そういって天を見上げる
「・・・・・」
ジー
「・・・・・・・・」
ジーー
「・・・・・・・・・・・・くそが!!!!」
主人公はチート能力を持って
異世界を救う!!!!
神様出て来いよ!!
これはもうテンプレだよ!!!!!
「まさか!!」
そういってスマホを取り出す
そしてなにか変化がないか探る
「・・・・・・・・ちくせう!!!!!!」
現代の文明が
異世界ではすげ!!!!
ちょい変化球だけどありよりのありだよ!!!
なんかステータス画面とか出て来いよ!!!!!!
電波すらないってなんだよ!!!!
「俺は・・・いったい・・・」
世知辛い
何が何でも世知辛い
ここまでくると逆に潔く感じる
美女に呼ばれたわけでも
神様に選ばれたわけでも
現代の知恵を活用するわけでも
なにでもない・・・・
あとはピーキーな可能性はあるが・・・・
ぽけ~~~
・・・・・・・・・・・・
※立ち尽くすこと数分後
「何ができるの?俺?」
ドラゴンが飛んでるような世界で
特別なイベントもなくきてしまった・・・
現代社会、ジャパンという世界でも有数の治安の良さを誇る
そんな平穏、平和な国に生まれ
極上のぬるま湯に漬かりきったこの俺が・・・
異世界でサバイバル?
「むりぽ~~~」
ガサガサ
「え?!」
そう思って音のなったほうを見る
するとヌっと白い何かかが出てきた
「おわたーーー」
とりあえず人生の終焉を覚悟した
すると
その白い塊はよく見ると
「あれ?ウサギ?でかいけど・・・」
そう思い少し見てみようと近づこうとすると
ビュン
勢いよくこちらに飛んできた
しかもかなりの速度で!!
「や!!」ばいという間もなく
ドゥン!
腹に刺さる
「ぐば!!!!!」
本来ならこのシーンはスローモーションでお届けしたい
ぐば!!!!!!ば・・・・ば・・・・・ば・・・・・みたいに
でもそんなことは映像の世界
俺はそのまま後方に転がる
「あ・・・あ・・・あ・・はぁ・・・」
呼吸ができない
そのうさぎはこちらに近づく
やばい・・・・本当に死ぬ・・・
散らばったカバンの中身
帰りに買ったお弁当や一応のサラダ
そして、インスタント食品
それらやスマホなども散らばる
あ~終わった~俺の異世界生活、おわた~
もんどりうちながらただただ思いましたその中
うさぎはこちらにのそのそと来ています
俺の人生・・・RPGでいうところのスライム的なのにやられて終わる・・・
すこし痛みが治まり幾分か楽になりかけました
けど、もうそろそろ・・・
「・・・・」
あれ?
おかしい?
うさぎは?
そう思いさっきの場所を見ます
すると
「ムシャムシャ」
なんかすごくかわいい顔で何か食べてます
「?」
よくみるとさっきちらばった中のサラダが
ふたが開いて散乱してました
その中身の野菜をおいしそうに食べています
【チャンス!今なら逃げれる!】
しかし、持っていた物を回収しておかないと・・・
正直役に立つからわからないけど
インスタント食品とか買って入れていたお菓子とかは
この先も使いそうだ・・・
そう思いなんとか立ち上がり
うさぎが気づかないようにそーっと動きます
「むしゃむしゅ」
どうやら食事に夢中です
そのすきに!
・・・・・・・・っと!
無事回収!!!
「はーーー」
安堵のため息そして
【急いでにげよう!】
にしても・・・
ジーーーー
うさぎを見つめる
食事に夢中でこちらを向かない
もしかして今なら・・・
そう思い
そーっと近づきます
そしてだいぶ近づいたところ
うさぎは
「!?」
気づかれました!
【やばい!】
そう思い構えます
しかし
さっきのように飛び掛かってきません
「・・・・?」
まるでサラダを死守してるみたいです
そう思い何となくサラダのボールから飛んできた
野菜の葉を一つ持ち
これまたそーっと近づいていきます
うさぎはさらに警戒を強めますが
手に持った野菜を目の前に差し出すと
「・・・パク、むしゃむしゅ」
おー!!
食べた!!!
しかも
「ムシャムシャ」
かわいい!!!
【なんか、なでたりできないかな?】
そう思い野菜をもう一つ持ち
顔の間に持て行きます
すると
「パク、ムシャムシャ」
食べてくれます
そのすきに手をうさぎの頭に伸ばします
ですが
「!?」
気づき少し距離を取りました
【あーやっぱり無理かな?でも・・・】
と思いもう一回チャレンジ
野菜を手に持ち顔の前に
「・・・」
しかしさっきのようにはすぐきません
そこで
動物は友達!かの動物大国を築いたあの人のように・・・
そんな思いを込めて
-私は仲間になりたそうにみつめています-
そんな視線をうさぎにむける
すると
「・・・パク、ムシャムシャ・・・」
そして
そー・・・ふわ
触れた!!!
頭をそっとなでる
それでもうさぎは特に抵抗なく頭を触らせてくれる
そーっとそーっと
頭から耳にかけてをなでる
その間もうさぎは動かない
もう一度サラダのほうに向かうために反転したうさぎの体
その部分も触ってみる
「・・・」
それでも特に嫌がることなく触れせてくれる
【かわいいな~】
そう思いモフモフな体をなでる
【おなかが満たされて落ち着いたのかな?】
モフモフモフモフ
そんな感じでなでていると
うさぎはすでにサラダを食べ終わったようだが
そのまま俺につきあうようにじっとしてくれていた
【は~すさんだ心が浄化されるわ~】
っと次の瞬間
シュ!!
「ピギューーーー!!」
風を切る音の後うさぎが激しく泣きます
「!?」
なでていた方と反対側の足部分に矢が刺さています
「うさぎさん!!」
矢の方を確認します
すると
「▽◇!!」
声がしました
人だ、良かった・・・でも
うさぎさんが
そう思いながら声の方を見ます
するとそこには弓矢を構えた
いかにもな狩人がいました
「まって!!」
狩人の前に立ちはだかります
「〇▽×׶ΔΛ×〇!!!」
「??」
日本語ではない?
では・・・
「wait!!(ウェイト)」
「〇▽◇×〇$+*!!」
言葉がわかりましぇーーーーん!!
そのなか弓矢を構える狩人
やばいやばい!!逃げるかでもうさぎさんが!!
さっきは突撃されてめちゃめちゃ痛い思いしたけど
なんかなついてくれたこのうさぎさん
ひと時でも癒しになったものを見捨てるのか!?
答えは
「否!!(いな)」
そういいながら狩人に突進
「死ぬ思いなら一度も二度も同じぃぃぃぃぃ!!!」
狩人の腰元にタックル
狩人はなぜか弓を引くのをためらっていたので
そのまま決まる
「うぅ!!」
狩人が声を漏らす
そして構えていた弓矢は明後日の方向に飛んで行った
【よし!】
そう思いすぐに立ち上がる
狩人は弓を手放し腰のナイフに手を当てる
その様に
「まずい!」
急いで距離をとる
狩人は腰を落としナイフを前に構える
「・・・!!」
無言の威嚇・・・
俺も目を背けないで後ずさる
そして
【今だ!!】
そのまま反転しうさぎさんのもとに
そして
「おいしょ!!重!!!」
矢が刺さり動けないうさぎさんを抱えて逃げ出す
「$%&#$%*!!!!」
後ろでなにか言ってるが振り返らずにとにかく逃げた
「キュー・・・」
うさぎさんがか細くなく
そのうさぎさんを胸に
とりあえず前へと前進したのだった・・・