パート・オブ・ユア・ワールド(金管十重奏)
今回は自分がPiascoreで配信している編曲譜面について解説させていただきます。
本当は譜面と音源のサンプルを用意できれば良いのですが、配信に関する著作権の整理が自分の中できちんとできていません。
さしあたり、問題のない範囲で文字ベースの解説をしてみたいと思います。
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(2024.4.27追記)
問題なさそうなことが確認できたので、YouTubeにサンプル譜面&音源をアップしました。記事中にもリンクを貼ってあります。
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本記事で紹介するのはこちらの譜面です。
基本情報
曲名:パート・オブ・ユア・ワールド(Part of Your World)
編成:金管十重奏(Trp3, Flugel, Hr, Trb4, Tub)
演奏時間:約3分
難易度:中級
ディズニー映画「リトル・マーメイド」より、アリエルが歌うバラードです。
昨年実写でリメイクされ、話題になりましたね。
編曲の方向性としては1989年アニメ映画版の原曲のイメージをベースに、カットはせず、元の調と同じF-durで書いています。
Aパート(冒頭~0:55)
トランペットの1st, 2nd, 3rdが交代で上昇系の伴奏を担当します。
メロディと音域が被るので、カップミュートを指定しています。もし用意できない場合は、ベルに布をかぶせるなどで代替すると良いと思います。
メロディはフリューゲルホルンが担当します。
トランペットでも演奏可能ですが、フリューゲルホルンの方がよりアリエルらしさが出るのではないでしょうか。
ホルンとトロンボーンは和音を作ります。
初めは1本だけ、少しずつパートが増え、音域も下に拡大していきます。
チューバはまだ、お休みです。
Bパート(0:56~1:38)
「I wanna be where the…」の部分は、ホルンのメロディとトロンボーン2本の小さなアンサンブルから始まります。
メロディはトランペットの1stが引き継ぎ、伴奏も徐々に厚みを増していきます。
「Up where they walk…」の部分で曲は小さな山場を迎えます。
伴奏からミュートパートがいなくなることで、響きも豊かになっていきます。
チューバはここでもまだ、お休みです。
Cパート(1:39~最後)
「What would I give…」の部分に入る際にさらにダイナミクスが大きくなり、トランペットの3rdがfで朗々とメロディを歌います。
ここで初めてチューバが登場し、音の厚みが一段と増します。
原曲では一度pに落ちてからクライマックスを迎えますが、編曲ではそのまま音量を落とさずに最後のサビに入ります。
トランペット1st, 2ndのオクターブユニゾンをメロディとした全体合奏で、金管十重奏らしい響きを鳴らします。
ここでの1stの上のAの音がこの曲の最高音です。
最後にフリューゲルホルンがしっとりと歌い、曲の終わりを迎えます。
終わりに
原曲らしさを残しつつも、金管十重奏の多彩な音色を活かすことを意識した編曲になっています。
難点としてパート間に出番の差があり、特にチューバパートは最後の方しか出番がありません。
よろしければ同じくPiascoreで配信している「アンダー・ザ・シー」を同時に取り上げていただくと、どのパートも充実した内容になるかと思います。
ご興味があれば、手に取っていただければ幸いです。
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